【治験を実施する上での注意点。治験を行うときの注意点。治験実施のポイント。】

治験の流れ(7)
7.文書の改訂・情報提供





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■■■7−1.治験薬の品質・安全性・有効性等の情報 
■■■7−2.新たな重要な情報の報告
・品質・安全性・有効性の情報、新たな重要な情報を依頼者から入手。
  ↓
・全ての責任医師、医療機関の長(事務局)に速やかに被験者の安全に悪影響を及ぼす情報に関する治験依頼者の通知書〔46.1〕を面談若しくは、郵便、電話、FAX、メール等で連絡した後に訪問し、詳細を報告する。


【注意点】

●依頼者は被験者の安全に悪影響を及ぼし、治験の実施に影響を与え、または治験継続に関するIRBの承認を変更する可能性のある情報を、治験に関与する全ての責任医師、医療機関の長に速やかに通知すること。(省令20条解説)。

●品質・安全性・有効性の情報、新たな重要な情報を依頼者から入手した際、同意・説明文書等を改訂する可能性があるので変更の要否を責任医師に確認する。
なお、CRCからの確認は不可であり、CRCから確認した場合は改めて責任医師からその旨を確認すること。

●被験薬の有効性、安全性に関する情報は、責任医師、医療機関の長(事務局)、分担医師、CRCにに速やかに正確に通知すること。


**********治験に関する質問と答え************

Q1: 品質・安全性・有効性の情報とはどのような情報ですか?

A1: 品質の情報とは、治験薬の保存条件等に関すること。
安全性の情報とは、有害事象や副作用などに関すること。
有効性の情報とは、同じ薬の治験が海外で行われた場合や既に市販されているときに入手される情報のことです。

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**********治験に関する質問と答え************

Q2: 新たな重要な情報とはどのような情報ですか?

A2: 被験者の安全に悪影響を及ぼし、治験の実施に影響を与えたり、治験の継続に関するIRBの承認を変更する可能性のある情報です。

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**********治験に関する質問と答え************

Q3: 新たな重要な情報が得られ、かつ同意・説明文書の改訂が必要と判断された場合、責任医師は治験中の被験者への情報提供と同意・説明文書の改訂のどちらを優先させればいいのですか?

A3: 新たな情報が得られた場合には、治験中の被験者への情報の提供を優先すべきです。

具体的には@改訂内容を当該被験者に口頭説明し、治験継続の意思を確認  A当該確認につきカルテに記載  BIRBで承認された同意・説明文書を用いて再同意を得る。

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■■■7−3.同意文書及びその他の説明文書の改訂
・被験者の同意に影響を与える新たな治験薬概要書や治験実施計画書改訂を含む情報が得られた場合、同意文書及びその他の説明文書〔10.1〕の改訂が必要であるか否かを責任医師と協議する。

必要であれば、モニターは責任医師が行う同意文書及びその他の説明文書〔10.1〕 の改訂に協力する(同意・説明文書(案)を提供する)。

・責任医師が作成した同意・説明文書の改定案を責任医師が作成した同意・説明文書の改訂案を検討の結果、改訂内容内容が適切な場合は、その改訂案を医療機関の長(事務局)に提出しIRBの承認を得るよう要請する。

・責任医師によって改訂された同意・説明文書は、IRBの承認を得る必要がある。承認後、依頼者が入手する。


・治験への参加の継続について被験者又は代諾者の意思に影響を与える可能性のある情報が得られた場合には、治験責任医師又は治験分担医師は、当該情報を速やかに被験者又は代諾者に伝え、被験者の治験への参加の継続について、被験者又は代諾者の意思を確認すること。

この場合にあっては、当該情報を被験者又は代諾者に伝えたことを文書に記録しておくこと。(省令54条解説7-2-1-9)

被験者の同意に影響を与える新たな治験薬概要書や治験実施計画書改訂を含む情報が得られた場合、必要であれば、モニターは責任医師が行う同意・説明文書の改訂に協力する(同意・説明文書(案)を提供する)。


■■■7−4.治験実施計画書・症例報告書の改訂
・モニターは責任医師とプロトコルおよびCRFの改訂(レイアウトのみの変更の場合は手続き不要)について合意する場合、事前に責任医師に改訂プロトコル(案)、改訂CRF(案)の資料・情報、および最新の治験薬概要書、その他必要な資料・情報をの提供すること・説明を行う。
(答申8‐1‐4‐2に該当省令7条解説)。

・モニターは、有害事象等によりプロトコルおよび治験薬概要書の変更が行われる場合、治験事務局を通じて医療機関の長およびIRB事務局へ文書で報告し、医療機関の長より承認を得る。

・改訂を行った際、改訂前と改訂後の対照表及び改訂版(最新版)を治験関係者全てに提供する。
また、改訂後は、分担医師、CRCCRCへの情報提供を行う。


【注意点】

・得られた情報により、検査の頻度の変更、試験方法の変更等が必要な場合、必要に応じプロトコルに記載されている医学専門家に相談する(依頼者が行うことが多い)。

・治験の依頼をしようとする者は、治験責任医師となるべき者に対して、提供された治験実施計画書案等の資料・情報を十分検討し、治験の依頼をしようとする者と協議するために必要な時間を与えること。
治験実施計画書及び症例報告書の見本を改訂する場合も同様とすること。
依頼者は、プロトコルおよびCRFを改訂する場合、提供したプロトコル等の資料・情報を責任医師が十分に検討し、依頼者と協議するのに必要な時間を責任医師に与えなければならない(省令7条解説)。

・施設SOPに改訂に関する変更手続文書が規定されている場合は、責任医師の署名または記名・捺印が必要なものもあるので、プロトコル、CRFの改訂に関する、プロトコル、CRFの改訂に関する合意のときに一緒に頂く併せて入手する。
その後、この文書を事務局へ提出する。


 
■■■7−5.治験薬概要書の改訂
【具体的な行動】

・モニターは新たな情報が得られた場合等には、治験薬概要書の改訂に先立って、責任医師、医療機関の長、規制当局にこれらの情報を報告する(省令8条解説)。


【注意点】

・依頼者は、開発段階に応じて、また、被験薬に関連する新たな情報が国内外から得られた場合等には、SOPに従って少なくとも年に1回治験薬概要書を見直し、必要に応じて改訂することものとする(省令8条解説)。

・治験薬概要書の改訂箇所を責任医師に説明するとともに、IRB審議資料として、書類を事務局に提出する。

・IRBにて改訂が承認された後、治験関係者(分担医師、CRC、治験薬管理者)への情報提供を行う。
また、安全性情報による改訂の場合、同意・説明文書の改訂が必要な場合もある。




**********治験に関する質問と答え************

Q1:治験薬概要書の改訂版の作成に代えて、該当部分だけを記載した追補版の作成で対応しても特に問題はありませんか?


A1:新たな重要な情報が得られた場合、当該情報としてまとめて責任医師等に提供することに、特に問題はありません。

ただし、追補版の情報を見落とさないようにするために本体とセットで取り扱われる工夫(例えば、バインダー綴じによる保存)が必要です。

そして、少なくとも年1回の治験薬概要書見直しの際に、原則として追補版の情報を本体に組み入れて改訂すべきです。

【GCP関連 Q&A網羅集 平成14年4月版より抜粋】

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■■■7−6.審査対象文書の追加・更新・改訂
・治験依頼者は治験期間を通して、IRB審査の対象となる文書のうち、依頼者が提出すべき文書が追加、更新または改訂された場合、その全てを速やかに医療機関の長に提出する。(答申8‐1‐8‐4)

・IRB審査の対象となる文書のうち、依頼者が医療機関の長(事務局)に提出すべき文書は以下のものがある。(省令第10条第1項解説)

1)プロトコル(分冊を作成しており、当該分冊に記載された当該医療機関以外の実施医療機関に特有の情報を改訂する場合は不要)を除いて差し支えない)

2)治験薬概要書 CRF

3)CRFの見本の見本(記載内容がプロトコルに記載されている場合は不要)(レイアウトの変更を行う場合を除いて差し支えない)治験薬概要書

4)同意・説明文書同意・説明文書およびその他の説明文書Q1

5)責任医師の履歴書およびその他の文書、責任医師の履歴書およびその他の文書、分担医師の氏名リスト分担医師の氏名リスト(求められた場合は履歴書)(求められた場合は履歴書)責任医師がその要件を満たすことを証明した履歴書およびその他の文書並びに分担医師の履歴書

6)予定される治験費用に関する資料(被験者への支払い(支払いがある場合)に関する資料を含む)被験者の健康被害に対する補償に関する資料

7)被験者の健康被害に対する補償に関する資料予定される治験費用に関する資料(被験者への支払い(支払いがある場合)に関する資料を含む)

8)その他の必要な資料

●これら審査対象文書に連動して、変更の可能性のある文書(例えば、契約書等)が発生する場合があるので注意が必要である。



**********治験に関する質問と答え************

Q:その他の必要な資料とはどのようなものがありますか?

A:分担者リスト、IRBに提出する契約書(案)、会社を説明するもの(パンフレット等)、被験者募集のポスター、モニターの履歴書、指名書等があります。

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