【治験を実施する上での注意点。治験を行うときの注意点。治験実施のポイント。】
治験の流れ(8) 8.逸脱および不遵守 |
■■■逸脱が発生した時の流れ | |
(1)逸脱または不遵守の情報入手 ↓ (2)緊急の危険回避のための逸脱または不遵守かどうか。(通常、たくさん発生するのは緊急回避の逸脱は少ない) ↓NOであるならば下記へ。もしYESなら(3’)へ (3)再発防止・遵守確保の措置 ↓ (4)治験実施計画書からの逸脱報告書作成の依頼。逸脱行為が原資料から読取れる読取れることをことを確認 (逸脱報告書を治験依頼者に提出する必要はない。) (3’)もし緊急の危険回避のための逸脱または不遵守だった場合 ↓ (4’)緊急回避のための治験実施計画書からの逸脱報告書作成の依頼、入手 ↓ (5’)治験審査委員会での審議 ↓ (6’)緊急の危険回避のための治験実施計画書からの逸脱に関する合意書作成 |
|
■■■8−1.緊急の危険回避以外の逸脱または不遵守 | |
【事前準備】 緊急の危険回避以外の逸脱でも、緊急の危険回避以外の逸脱でない場合もも、その逸脱内容はすべてカルテなどから確認できればよく、当該事項の記録を目的とした文書を別途作成することはGCP上求められていない。GCP上求められていない。 従って、緊急の危険回避以外の逸脱の場合の対処についてはIRBの審議にかける必要があるのか、またはIRBに報告するのみの形式であるか、また病院長への報告のみの形式であるかを、施設SOPや事務局で予め確認しておくこと。 (ただし緊急以外の逸脱の場合を規定しているSOPは少ないと思われる)。 プロトコルからの逸脱または不遵守の情報を入手(モニタリングによる発見および、責任医師もしくは分担医師からの申し出等による)した場合は、その内容がカルテなどの原資料から確認できるかした場合は、その内容がカルテなどの原資料から確認できるか検討し、確認できない場合は該当者に対処を依頼する。 確認できない場合は該当者に対処を依頼する。 ↓ 再発防止・遵守確保の措置を講じる。モニタリング報告書に遵守を確保するための措置に関する記録〔24.1-3〕 を残す。 内容は以下の通り(省令第22条第22条) ・逸脱の内容 ・経緯(原因) ・責任医師に告げた事項 ・講じられるべき措置 ・措置に関するモニターの所見 *逸脱が重大であったりあること、又は、逸脱が継続し改善されない場合、当該責任医師、当該実施医療機関施設との契約を解除することもある。 この際、依頼者はこの事実を規制当局に通知する。(省令第24条) 【注意点】 逸脱が起こらないよう、予め責任医師、分担医師、CRCに注意すべき点等(特に検査項目、検査日等)を十分に説明し、理解していただく必要がある。 また、検査予定日の2、3日前にFAXや電話で知らせる等の措置を取ることで、逸脱を防ぐことが出来る。 ・タイムリーなSDVを実施し、正確な情報を入手することにより早期に逸脱を発見し、再発防止を講じなければならない。 ・逸脱事項を責任医師および必要に応じてQ2医療機関の長に伝えるとともに、そのような逸脱の再発を防止するための適切な措置を講ずること(省令第22条解説)。 ・緊急の危険回避以外の逸脱内容がIRB審議にかけられるとは限らないが緊急の危険回避以外のすべての逸脱内容がIRB審議にかけられるとは限らない訳ではないが、継続審査時や終了報告書に添付されて審議される可能性もあるので、施設SOPや事務局で予め確認すること。 ・逸脱に対するデータ上の取り扱いは、「症例および症例データの取り扱い基準書」に従う。 **********治験に関する質問と答え************ Q1: 再発防止・遵守確保の措置とは具体的にどのようなことですか? A1: 医師やCRCに再度説明を行い、二度と逸脱が起こらないよう注意を促すことです。 また、モニター間で逸脱の情報を共有し、各担当施設にその内容を伝えることが大切です(未然防止策につながるため)。 さらに、注意書きを記載したマウスパットを提供することにより、常に見ていただける状況にしておく等の工夫があります。 ********************************* **********治験に関する質問と答え************ Q2:「必要に応じて」とはどのような場合ですか? A2:少なくとも重大または継続した不遵守が発見された場合および実施医療機関の長の直接の管理責任におよぶ場合(例えば、治験薬管理に問題がある場合)においては、当該医療機関の長に伝える必要があります。 【GCP関連 Q&A網羅集 平成14年4月版より抜粋】 ********************************* **********治験に関する質問と答え************ Q3: プロトコルからの逸脱をモニターが直接閲覧で発見した場合、既にプロトコルに沿った治験実施の機会を失っているもの(検査日が過ぎてしまっている等)では実施しない方がいいのでしょうか?あるいは実施時期が遅れていても実施する方がいいのでしょうか? A3: 個々のケースごとに責任医師と依頼者が判断することになります。一般論としては、プロトコルからの逸脱が被験者の安全確保の観点から問題となり得るかの判断が必要です。この点で問題が無ければ、次に継続するか否かは有効性を評価し得るか否かによります。これは依頼者とも協議のうえ、最終的に責任医師が判断することになります。 【GCP関連 Q&A網羅集 平成14年4月版より抜粋】 ********************************* **********治験に関する質問と答え************ Q4:緊急の危険回避以外の逸脱とはどのようなものがあげられますか? A4:検査日のずれ、除外基準に抵触・選択基準に合致しない症例の組み入れ、治験薬と市販薬の取り違え、治験薬の過量投与等があげられます。 ********************************* |
|
■■■8−2.緊急の危険回避のための逸脱または不遵守 | |
●緊急の危険回避のための逸脱または不遵守の場合、治験実施計画書からの逸脱記録〔33.1〕 に加え、以下の書類以下の書類、作業が必要となる。 責任医師に治験実施計画書からの緊急の逸脱又は変更の記録〔34〕 の作成を依頼する。 ↓ 治験実施計画書からの緊急の逸脱又は変更の記録〔34.2〕 を責任医師より入手し保存する。また責任医師には写しの保管を依頼する。(答申6‐2‐8‐3に該当) ↓ 治験実施計画書からの緊急の逸脱又は変更の記録〔34.2〕 の内容(逸脱内容とその理由等)を確認し、医療機関の長より治験実施計画書からの緊急の逸脱又は変更の記録〔34.1〕 を入手する。 ↓ IRB審査 ↓ IRB審査にて承認後、治験実施計画書からの緊急の逸脱又は変更に関する治験審査委員会の承認の文書〔35.1〕 に基づく医療機関の長の了承の文書〔35.2〕 を責任医師に保存していただく。 ↓ 逸脱が医療上やむを得ない措置であったことを、依頼者と医療機関の長との間で治験依頼者の合意の文書〔35.3〕 により合意する。 【注意点】 ・緊急の危険回避の逸脱が発生した場合は、早急にプロトコルの改訂の可否について責任医師に確認すべきである。 ・責任医師より緊急回避のための逸脱情報を事前に入手する場合もある。 |
|
<<文書の改訂へ|有害事象発生・継続審査>> |
ホームに戻る |
【治験を実施する上での注意点。治験を行うときの注意点。治験実施のポイント。】