【モニター教育担当者用】
1)一番大切なこと | 2)研修のあり方 | 3)カリキュラムの作り方 | 4)講師の育て方 |
2)研修のあり方 |
4.eラーニングと集合研修の違い | |
▼定義 ここで言う「eラーニング」とは社内、社外を問わずサーバーに置かれたウエッブサイトを使って、モニター各自のPCからアクセスが出来、いつでも、どこからでもイントラネット又はインターネット経由で学べる形式を言います。 また、ウエッブに限らずeメールを使ったものも含みます。 さらに、携帯電話を使った例も範疇内です。 ▼特徴 【メリット】 1.いつでも、どこからでもモニターは一人で学べることができる これが、なんと言っても1番の特徴です。 集合研修と違い、モニターが自分のペースで学べるというのが、1番の特徴であり、1番の利点でもあります。 イントラネット又はインターネットが利用できる環境であれば、出張先のホテルからでも、研修を受けることができます。 多忙で、医療機関側のスケジュールにより、自分のスケジュールが決まってしまうモニターにとって「いつでも」というのは、非常に大きなメリットと言えます。 僕が、初めて、eラーニングを使った研修を提供した時に、最もモニターの皆さんが評価してくれたのが、この点でした。 「こんな研修を待っていました!」 というのが、僕の一番最初のeラーニングの最初の修了者のメッセージでした。 「集合研修」と「eラーニング」の1番の違いもここにあります。 2.会議スペースが不要 これは地味な特徴でありながら、実は研修担当者にとっては、一番嬉しい特徴です。 特に会議室が少なく、各部署との取り合いになっているような会社ではそうです。 スペースはサーバー上に確保されているので、ゆっくりと構えていられます。 また、モニター側から見ると、たとえば大阪と東京の2つの都市にモニターの集団がいたとします。 このような場合、研修のために一方の都市に集まらなくて済みますので、交通費の負担も軽減されます。 3.講師側みて「いつでも、どこでも」のメリット 1番であげたメリットは、モニター側からだけでなく、講師側のメリットでもあります。 とにかく、一度、eラーニングさえ作ってしまえば、あとは放っておいても、24時間いつでも、モニターはやってくれますので、講師としても、モニター側のスケジュールを気にしなくてもよくなります。 4.研修効果のメリット eラーニングの作り方にもよりますが、例えばSOPの研修の場合、集合研修などよりも、はるかに研修効果が高くなります。 ただ、読み上げていくSOP研修だったり、ポイントだけを解説する研修も大切ですが、モニター側は「聞く」という受身にまわってしまいます。 しかし、eラーニングの場合は、一文一文を確認しながら、研修ができます。しかも、受身ではなく、自分が調べたりして、答えていくというように「能動的」になります。 【デメリット】 1.やる人とやらない人がでてしまう 集合研修と違い、いつでも、どこからでも、というメリットの裏返しとして、「集まる」強制が無くなりますので、eラーニングをやるも、やらないも、モニターの自主性に依存します。(もちろん、上司の命令で全員が受けるように、というような指示が有れば、このデメリットは無くなります。) モニターの自主性に任せてしまうと、やる人が徐々に決まってきます。 2.サーバー、PCが使えなくなるとダメ これは致命的なことです。なんらかの理由で、サーバーがダウンしたり、PCが使えない環境になると、全くお手上げです。 3.作るのが大変又はコストが高い これは講師側の問題になります。もし、講師自身(又は社内の誰か)がeラーニングのプログラムを作るとなると、最初の立ち上げの時は、けっこう時間も労力もかかります。(簡単な作り方は後述) また、もし市販されているものを購入するとなると、コストが相当かかります。 社員である講師が作る場合は、この問題は解消されます。講師の給料内の仕事ですから^^ 最初の立ち上げには時間がかかりますが、あとは放っておいてもいいという利点もあります。 以上に主なメリット、デメリットを書きましたが、「eラーニング」だけ単独で考えるとメリットのほうが高いと思います。 ただし、以下に述べますがeラーニングに向いている研修内容は限定されますので、「集合研修」とうまく組み合わせて使用するのが、ベストな使い方です。 |
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■eラーニングに向いている研修内容、向いていない研修内容 | |
▼向いている研修内容 まず、実物を見てもらうのが一番分かりやすいので、ここをご覧ください。 →「GCP on-line トレーニング」 →「臨床検査項目のeラーニング」 このように、単純な知識の修得に、eラーニングは向いています。 自習できるような項目は全て、eラーニングの対象となりえると言えるでしょう。 例えば、医学用語、カルテに使われる略語、英語・・・・・・など等。 また、監査指摘事項や公定書協会が定期的にやる「新薬審査部門定期説明会」なんてのも、今までは「報告書」の形でリリースしていましたが、こんなのも、eラーニングの材料になります。 ただ、本を渡して、ここに書かれているものを暗記せよ、と言っても眠くなるばかりです。 そんな時に、社内に、eラーニングを用意しておけば、それを繰り返しやってもらうことで、暗記できます。 ▼向いていない研修内容 体で覚える内容は向いていません。たとえば、医師を説得する方法とか、いきなり違った方向から攻められた場合など臨機応変さを求める研修には向いていません。 また、複雑な背景があって、それを踏まえないと研修内容が希薄になるようなものなどは、集合研修のほうがいいでしょう。 その他にも、グループで研修させたほうがよいものなどもあります。(事例検討など) ただし、そのような研修でも、事前に学んで欲しい事柄でeラーニングにできるものは、そちらで予習をしてもらえば、集合研修では、その説明を省くという手も有ります。 プレゼンテーションの研修も、当然ですが、eラーニングは不向きです。 しかし、プレゼンテーションとして、知っておくべき項目をeラーニングで事前に学んでもらい、それを踏まえた上で、集合研修では実際にプレゼンをやってもらう方法を取れば効率的です。 |
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■eラーニングの作り方 | |
【自作する場合】 上記の「GCP on-line トレーニング」をご覧頂くと、分かる人には分かるのですが、とっても簡単な技術で作れます。 ホームページを作るソフトが市販されています(ホームページビルダーとか、ドリームウェーバーなど)。 これらは、いいとこ、2〜3万円で購入できます。 必要なのはこれだけです。 あとは、このようなソフトを使って、質問のページと解答のページを用意し、それらをリンクでつなげます。 それだけです。 慣れてくると、10問の問題なら1日でできます。 また、eメールで問題をだし、それに対して答えを返信してもらうという手もあります。 この例としては、僕の「モニターのためのメル“ガマ”」をご覧ください。 これなら、誰でも作成することができます。なにしろ、ただのeメールですから。 ▼自作のメリット なんと言っても安上がり! 市販されているeラーニングのシステムを購入するには、多分最低でも百万円単位ではないでしょうか? それに比べたら、タダ同然です。 さらに、簡単に自社のモニターのレベルに合わせて問題を作れることも重要です。(お金より、こっちのほうがもちろん重要!) 市販されているものはカスタマイズするやら、なんやらで大変でしょうが、社内の教育研修担当者が作るのが一番、手っ取り早いです。 また、緊急に知識を習得させたい場合にも、市販品では対応がほとんど不可能ですが、自作なら、簡単です。 たとえば、あるSOPだけ改訂されたとします。このような場合、その改訂個所だけ、eラーニングで確認してもらうことができます。 これまた2,3日でできると思いますので、周知徹底を早くできます。 ▼もし、教育担当者にホームページを作る知識が無かったら・・・ その場合は、(1)社内のシステム部門に頼む、(2)社内の若い人の中にはきっとホームページを作れる人がいると思うので、その人に頼む、(3)市販品を購入する。 ・・・・・・という3種類の選択肢がありますが、もちろん、一番いいのは、研修担当者だと思います。 |
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■eラーニングと集合研修を組み合わせる | |
以上より、eラーニングだけではモニターの研修は不十分ですし、集合研修だけでも非効率的だということが、お分かり頂けたと思います。 これらをうまくカリキュラムに組んで研修をすると、相乗効果が生まれ、単独で研修するよりも、はるかに早く、研修の目的が達成できます。 ご健闘をお祈りいたします。 |
研修方法の実際 |
1.講義形式&筆記試験 | 2.模擬研修 |
3.ロールプレー | 4.事例検討(ケーススタディ) |
5.e-ラーニングと集合研修の違い |
【モニター教育担当者用】
1)一番大切なこと | 2)研修のあり方 | 3)カリキュラムの作り方 | 4)講師の育て方 |