【モニター教育担当者用】

1)一番大切なこと 2)研修のあり方 3)カリキュラムの作り方 4)講師の育て方


4)講師の育て方


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社内でモニター研修用の講師を育てる方ことは、意外と難しいです。

優秀なモニターを講師にすれば一番いいでしょうが、「名プレーヤー必ずしも名コーチとはならず」の言葉通りです。

それに、優秀なモニターをモニター部門が離してくれるとは思えません。

では、どうするか?


いくつかの方法があります。

(1)モニター経験が無くても、他人に物事を教えるのが上手い人を講師にする。(同行などで現場を知る必要あり)

(2)そこそこ優秀なモニターを、名講師に育てる。



絶対にやりたくないのは、言葉は悪いですが、「モニター部門」では使えないモニターを講師にすることです。

でも、たいていは、会社のなんだか分からない人事異動で研修部門に来た人を、どうにかこうにか、講師に育てるというところが現実でしょうね。

以下、そんな場合も含めて、講師の育て方を考えてみたいとおもいます。

■ 講師の条件

とりあえず、講師の条件を列挙してみます。 こんな人がいたら、僕に連絡ください。すぐに採用します^^


■条件1.教えるのが好きな人

まず、なんと言っても、ひとにモノを教えるのが好きな人です。
当たり前のようですが、必須条件です。

しかし、僕の経験から、多くの社員に聞いてみると、私はひとに教えるのは苦手、とか、自分のスキルアップで精一杯、私はひとにモノを教えるタイプじゃない、自分を成長させるほうが好き・・・・・・という感じで、なかなか、『ひとにモノを教えるのが好きな人』はいないものです。

20人にひとり位の割合で、「やりたいかも」と言ってくれる人がいる感じですね。
もし、そんな人がいたら、ただちに手帖にメモしておきましょう!^^


■条件2.勉強が好きな人

次の条件は勉強が好きなこと。あるいは本、文字、文章を読むのが苦にならない人です。

ひとに10のことを教えるには、自分は50から100位は知っていないとできないと思います。
それに、間違ったことを教えてしまうのが、一番怖いですからね。

一方的な講義だけならともかく、質疑応答や、参加型の研修をやると、必ず講師の知識量や経験値が必要になります。

次から次へと出てくる「通知類」 「新しい研修材料を考えるために読むネタ本」・・・いやいや、そんな話を持ち出すまでもなく、「GCP」ひとつ教えるにも、「SOP」ひとつ教えるにも、それらを全て読まないといけないわけですからね。

とにかく、モノを読むのは、全然、苦にならないという性格は欲しいところです。


■条件3.人間が好きな人

機械やフラスコ、数式、化学式などが好きな人がいます。同様に人間が好きな人もいます。

人間を相手にするのが講師です。
その人間よりも実験のほうが好きな人は、講師向きとはならないでしょう。

そして、人間が成長する姿に感動できる人。 そんな人が講師に向いています。


■条件4.情熱プラス理論派

この条件が一番難しいのですが、人を動かす(研修の究極の目的)には、情熱が無いとダメです。
講師に情熱が無くて、どうして、受講生に「医師に熱意を持って接する」ことを教えられるというのでしょうか。

しかし、それがただの情熱だけでは「浪花節」になります。泣き落としだけでは済まない場面もあるでしょう。

そこにきちんとした「理論」なり「納得できる理由・根拠」が必要です。

「理論に裏打ちされた情熱」を持っている方、至急、僕に連絡ください!^^

■講師の育て方

上の条件に当てはまる人は、そうざらにはいません。
とにかく、今いる人たちで、なんとかせざるを得ないというのが現実です。

ならば、現実問題として、これから「ごく普通の人」をどう講師に育てあげるかを考えましょう。


■得意分野を担当にし、自信を持たせる

まずは、その講師になる人のバックボーンなどから担当する講義を決めていきましょう。
もし、モニター出身者なら「モニター現場でのあれこれ」とか「医師との会話方法」、あるいはそのものずばりの「GCP」でもいいかもしれません。

SOPを作った経験が有る人なら、「SOP研修」ですね。

ここで大切なのは「講師として自信を持ってもらう」ことです。

基礎研究から異動してきた人に「面談スキル」というのは、チト難しいとは思いませんか?
いきなり、そんなことをやらせて、自信を失ったら、もう二度と人の前で話そうなんて気をおこしません。

まずは、入りやすいところから、担当してもらいます。


■最初は必ずオブザーバーとして、あなたも参加する

担当が決まったら、研修用の資料を作ってもらいます。もちろん、相談にのってあげましょう。

初めて講義をやってもらう時は、受講生に混じってうしろのほうで、講義を聞きます。(時間があるなら、リハーサルをやるのがベストです)

この場合、よほどのことがない限り、講義の途中で口出ししないことです。
講師としてベテランのあなたから見れば、多少問題ありの発言や、方法だったとしても、講義の途中では注意しないこと。
もし、それをやると受講生に講師に対する不信感も生まれますし、講師もパニックに陥る危険性があります。

その代わりに講義が終わったら、二人で講義の振り返りをしましょう。
ここで、注意すべき点は、講義スタイルに対して、自分のスタイルを押し付けないことです。
人には人の持ち味があり、それを活かすことが最も良い方法です。

ただ、講義のあり方の一般論として注意すべき点や相手が、今、終わったばかりの講義中で困った点が有ったら、それは、あなたの経験や知識からアドバイスするのは、当然です。

あなたが、オブザーバーとして参加する理由は、アドバイスや注意をしてあげることだけが目的ではありません。
その人を講師として任せられるかどうかの判断のためにも参加します。

もし、1回目で、多少難有りでも、任せられるようでしたら、次回からは参加しなくてもいいでしょう。
逆に、まだ心配だという場合は、次回も参加します。そして、再度、振り返りをし、アドバイスをします。
これを繰り返します。

まぁ、これはどんな仕事を任せる時でも、当然すぎるほど、当然の話ですけどね。


■講師になるための研修を受講させる

外部機関で、講師のための研修、プレゼンテーションの研修というのも、結構あります。
インターネットでも検索すれば、たとば・・・

プロフェッショナル インストラクター

プレゼンテーションスキルを磨く

・・・などがヒットします。 上の研修がいいかどうか保証できませんが、こんな研修に参加させることも経験を積んだりするという意味で意義があると思います。

■ 臨時講師の選び方

■真面目なモニターがいいか?

モニター部門から一人、臨時的に、あるいは専門の講師として異動させても良いというような場合、どんなモニターをあなたなら選びますか?

まずは講義してもらう内容に対する正しく、深く、広い知識が必要ですね。
特に「正しい」知識が大切です。 間違ったことを教えてもらっては困ります。


次の条件は何にしますか?

・モニタリング報告書をきちんと1週間以内に書いて、担当施設関連では一回も監査から指摘を受けたことが無い人

・被験者登録やCRFの回収が早く、正確な人

なんてところですか?

僕としては、上の2つよりも次の点を注目します。


1)「話に説得性がある」 

2)「話が上手い・面白い」 

3)「親分肌である・リーダーシップがある」

4)「人望がある」


どんな真面目な人でも、話が下手で、受講生が寝てしまうようでは講師としては失格です。

また、講師の講義内容を受講生が納得して行動に移してもらわないと、研修の意義がありません。

さらには「人望がまるで無い人」が講師をするっていうのは、論外でしょう(と、僕は思いますが、果たして僕に「人望」があるかどうかは、分かりません。せめて14mgでもいいから有って欲しいものです。)


・・・・・・なので、僕は多少、監査から指摘を受けることがあったり、モニタリング報告書の提出が遅くとも、「講義が上手い」なら、そちらの条件を優先しますね。

最終的には・・・・・・

最終的には「講師の育て方」も「モニターの育て方」も「板前の育て方」も、いっしょです。



(1)仕事の内容を教える

(2)仕事のやり方を教える

(3)実践させる

(4)誉める

(5)自信をつけさせる

(6)見本を見せる

(7)真似させる(ただし、押し付けはしない)

(8)経験を積ませる

(9)勉強すべき内容、資料を提示する

(10)自分のスタイルを確立させる



要は、人を育てるということです。

つまり、あなたが、その人の講師役になるわけです。(振り出しに戻る^^)

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