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 「GCPガイダンス」と「治験119」の合体:GCPの注意事項、GCPのグレーゾーン(4)
(治験薬概要書)

第8条 治験の依頼をしようとする者は、第5条に規定する試験により得られた資料並びに被験薬の品質、有効性及び安全性に関する情報に基づいて、次に掲げる事項を記載した治験薬概要書を作成しなければならない。

1)被験薬の化学名又は識別記号

2)品質、毒性、薬理作用その他の被験薬に関する事項

3)臨床試験が実施されている場合にあっては、その試験成績に関する事項

2 治験の依頼をしようとする者は、被験薬の品質、有効性及び安全性に関する事項その他の治験を適正に行うために重要な情報を知ったときは、必要に応じ、当該治験薬概要書を改訂しなければならない。
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〈第1項〉

1 治験の依頼をしようとする者は、治験責任医師及びその他治験に関与する者が、治験実施計画書の主要項目(投与量、投与回数・間隔、投与方法及び被験者の安全性を監視するための手順等)の合理的根拠を理解し、かつそれを遵守するための情報を提供するために、治験薬概要書を作成すること。また、治験薬概要書は、治験実施期間中の被験者の臨床上の管理に必要な知識も提供するものであること。

2 治験薬概要書に記載されるデータは、簡潔、客観的、公平かつ販売促進に係わりのないものであること。

3 治験の依頼をしようとする者は、治験薬概要書の編集に当たり、一般的には医師を参加させることが望ましい。

4 治験薬概要書に記載すべき情報の種類や範囲は、被験薬の開発段階に応じた適当なものであること。被験薬が市販され、その薬理学的性質が一般の医師に広く理解されている場合には、広範な情報を掲載した概要書は必要ない場合もありうる。

5 治験の依頼をしようとする者は、治験の実施に必要な非臨床試験及び臨床試験の成績をまとめた治験薬概要書を手順書に従って作成すること。

6 第2号の「品質、毒性、薬理作用その他の被験薬に関する事項」とは、被験薬の物理的、化学的及び製剤学的性質、製剤組成、薬理、毒性、薬物動態、薬物代謝に関連する非臨床試験の成績を指す。

7 治験薬概要書に通常含まれているべき具体的事項については、中央薬事審議会答申の11を参照すること(第7条第1項の解説2注1参照)。
〈第2項〉

1 治験の依頼をしようとする者は、新たな情報が得られた場合等には、手順書に従って治験薬概要書を改訂すること。

2 治験の依頼をしようとする者は、新たな重要な情報が得られた場合には、治験薬概要書の改訂に先立って、治験責任医師、実施医療機関の長及び規制当局にこれらの情報を報告すること。

3 治験の依頼をしようとする者は、開発段階に応じて、また被験薬に関連する新たな情報が国内外から得られた場合等には、手順書に従って?なくとも年に1回治験薬概要書を見直し、必要に応じて改訂すること。
(説明文書の作成の依頼)

第9条 治験の依頼をしようとする者は、治験責任医師となるべき者に対して、第50条第1項の規定により説明を行うために用いられる文書(以下「説明文書」という。)の作成を依頼しなければならない。
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1 治験の依頼をしようとする者は、実施医療機関の長に対して治験の依頼をする前に、第51条で規定する説明文書を治験責任医師となるべき者が作成するために、必要な資料・情報を治験責任医師となるべき者に提供し、その作成に協力すること。
注)説明文書の改訂については、第54条第2項を参照すること。
(実施医療機関の長への文書の事前提出)
第10条 治験の依頼をしようとする者は、あらかじめ、次に掲げる文書を実施医療機関の長に提出しなければならない。
1)治験実施計画書(第7条第5項の規定により改訂されたものを含む。)

2)治験薬概要書(第8条第2項の規定により改訂されたものを含む。)

3)症例報告書の見本

4)説明文書

5)治験責任医師及び治験分担医師(以下「治験責任医師等」という。)となるべき者の氏名を記載した文書

6)治験の費用の負担について説明した文書

7)被験者の健康被害の補償について説明した文書

2 治験の依頼をしようとする者は、前項の規定による文書の提出に代えて、第5項で定めるところにより、当該実施医療機関の長の承諾を得て、前項各号に掲げる文書に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって次に掲げるもの(以下「電磁的方法」という。)により提出することができる。この場合において、当該治験の依頼をしようとする者は、当該文書を提出したものとみなす。

1)電子情報処理組織を使用する方法のうちイ又はロに掲げるもの
イ 治験の依頼をしようとする者の使用に係る電子計算機と実施医療機関の長の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法
ロ 治験の依頼をしようとする者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された前項各号に掲げる事項を電気通信回線を通じて実施医療機関の長の閲覧に供し、当該実施医療機関の長の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに同項各号に掲げる事項を記録する方法(電磁的方法による文書の提出を受ける旨の承諾又は受けない旨の申出をする場合にあっては、治験の依頼をしようとする者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルにその旨を記録する方法)

2)磁気ディスク、シー・ディー・ロムその他これらに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物をもって調製するファイルに前項各号に掲げる事項を記録したものを交付する方法

3 前項に掲げる方法は、実施医療機関の長がファイルへの記録を出力することによる書面を作成することができるものでなければならない。

4 第2項第1号の「電子情報処理組織」とは、治験の依頼をしようとする者の使用に係る電子計算機と、実施医療機関の長の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。

5 治験の依頼をしようとする者は、第2項の規定により第1項各号に掲げる文書を提出しようとするときは、あらかじめ、当該実施医療機関の長に対し、その用いる次に掲げる電磁的方法の種類及び内容を示し、書面又は電磁的方法による承諾を得なければならない。

1)第2項各号に規定する方法のうち治験の依頼をしようとする者が使用するもの

2)ファイルへの記録の方式

6 前項の規定による承諾を得た治験の依頼をしようとする者は、当該実施医療機関の長から書面又は電磁的方法により電磁的方法による通知を受けない旨の申出があったときは、当該実施医療機関の長に対し、第一項各号に掲げる文書の提出を電磁的方法によってしてはならない。ただし、当該実施医療機関の長が再び前項の規定による承諾をした場合は、この限りでない。
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<第1項>

1 治験の依頼をしようとする者は、治験の依頼にあたっては、あらかじめ、実施医療機関の長に以下の最新の文書を提出すること。

(1)治験実施計画書

(2)治験薬概要書

(3)症例報告書の見本(治験実施計画書において、症例報告書に記載すべき事項が十分
に読み取れる場合は、当該治験実施計画書をもって症例報告書の見本に関する事項を含むものと解してよい。)

(4)説明文書(説明文書と同意文書は一体化した文書又は一式の文書として取扱われたい(第2条の解説15の(1)のA及びBを参照。)

(5)治験責任医師等の氏名を記載した文書(治験責任医師となるべき者がその要件を満たすことを証明した履歴書及びその他の文書並びに治験分担医師となるべき者の氏名リスト(求めがあった場合には治験分担医師の履歴書))

(6)治験の費用の負担について説明した文書(被験者への支払(支払がある場合)に関する資料)(第32条第1項及び第2項の解説11を参照)

(7)被験者の健康被害に対する補償に関する資料

(8)その他の必要な資料

注)治験責任医師となるべき者は、最新の履歴書及びその他の適切な文書、及び治験分担医師を置く場合には当該治験分担医師となるべき者の氏名リスト(求めがあった場合には治験分担医師の履歴書)を、治験の依頼をしようとする者に提出すること(第6条及び第42条参照)。

2 本条各号に規定する文書は、必ずしも個別の作成を求めるものではなく、記載すべき内容が確認できる場合にあっては、複数の文書を1つにまとめることが可能であること。

3 説明文書と同意文書は一体化した文書又は一式の文書として取り扱うこと(第2条の解説15の(1)のA及びBを参照)。
関連「治験119」

質問番号:(5) 被験者の負担軽減費

負担軽減費について教えてください。
現行、当院ではSOPで負担軽減費を7,000円としております。負担軽減費は一律定額にしておくべきものなのでしょうか?
プロトコールによっては患者に与える負担が交通費以外にも考えられる場合がありますが、SOP上で決めておけば金額設定をその都度し直してもいいものなのでしょうか?


製薬協見解

負担軽減費につきましては、平成10年に提言された「治験を円滑に推進するための検討会」の最終報告書で「治験参加に伴う物心両面の種々の負担を勘案した、社会的常識の範囲内における費用の支払いによる被験者の負担の軽減」とされています。
また金額に関しましては、例えば、国立病院・療養所で実施される治験については政医第196号(平成11年7月2日)において、「当面、7,000円を標準とすること。」となっていること、「国立病院・療養所における受託研究」「Q&Aの5」(平成11年7月)で、Q1に対する回答の中では、「7,000円以外の額を設定する際には、会計検査等にも十分対応できるよう、具体的な根拠に基づき設定されるようお願いします。…」となっており、7,000円に限定されたものではないと考えます。
しかし、それが治験に参加する強い誘引にならないように、社会通念上から適切な負担軽減費を考慮する必要があります。
さらに、被験者の負担については治験の内容により異なる場合がありますので、治験依頼者との協議が必要です。
なお、GCP第10条第1項ガイダンス1(6)及び第32条第1項/第2項ガイダンス2(1)Eにありますように、被験者への支払いについての資料は、治験審査委員会の審査対象となることを、付け加えさせて頂きます。
質問番号:2007-21 医療機関が作成した同意文書の使用

同意書は治験依頼者に事前準備いただくのが通例とは思いますが、使用頻度が思いのほか早く、施設への追加搬入が間に合わない場合、施設にて準備した同意書に署名頂き、その同意書をコピーし控えとする事も可能なのでしょうか?
本来ならすべきではないとは思いますがご見解をいただけます様宜しくお願い致します。
(注釈)
「治験依頼者が準備する同意書」:
一般的に同意書が2〜3枚複写、説明文書と一体となった冊子タイプの同意・説明文書を依頼者より準備して頂いています。
「施設にて準備した同意・説明文書」:
文書を施設にて印刷し、同意書について1枚に患者様より署名を頂き必要枚数コピーし控えとする。
様式・記載内容については治験依頼者、施設の印刷も変わりありません。


製薬協見解

GCP第51条第1項には、被験者を治験に参加させるために説明を行うときは「治験責任医師等は(中略)説明文書を交付しなければならない」とあり、また同条第1項ガイダンス 6及びGCP第2条ガイダンス15(1)Aには「説明文書と同意文書は一体化した文書又は一式の文書とすることが望ましい」とあります。

さらに、GCP第2条ガイダンス15(1)B には「同意文書は(中略)あらかじめ、様式を定めている場合には、説明文書と一体化した文書又は一式の文書として取り扱うこと。例えば、第10条に基づき実施医療機関の長に対し説明文書を提出する場合及び第32条に基づき治験審査委員会に対し説明文書を提出する場合には、説明文書と同意文書をあわせて提出すること」と記載されています。

以上のことから、実際に用いる同意文書は、被験者に確実に説明文書も手渡されるよう、説明文書と一体化したものがより適切で、それらは治験審査委員会で承認されたものでなければなりません。

したがいまして、治験審査委員会で承認を受けた(説明文書と一体化した複写式の)同意文書を施設にて準備頂くことが望ましいとは思われますが、その作成が時間的に困難なために、ご質問のような同意文書を例外的に用いることはやむを得ないと思われます。
ただし、説明文書と切り離した状態で保存される同意文書の場合には、被験者が受け取った説明文書を同意文書の中で特定(例:説明文書の作成日や版数を明記)できるよう留意する必要があると考えます。
質問番号:2007-25 治験審査委員会審査資料の電子化

IRB資料の電子化は可能でしょうか。すなわち、資料の電子化によるIRB審議は、紙媒体で行う現行のものと同じ効力を持つと考えてよろしいでしょうか。
IRB資料を電子化し、各委員および外部委員の方達には、IRB当日にPCを用意し、PCを見ながら審議をすすめていくといった形を想定しております。
ご周知の通り、紙媒体で行われるIRB審議では、IRB前の準備、IRB後の審議資料の処理も非常に労力がかかります。IRB活性化はもちろんのこと、IRBの効率化、治験事務局に携わる人達のオーバーワークによる負担軽減を図るべく当院治験管理室で検討しております。


製薬協見解

GCP第10条第2項として、治験を依頼する際に実施医療機関の長に提出しなければならない文書(GCP第10条第1項各号文書)の書面での提出に代えて、GCP第10条第5項で定めるところにより、当該実施医療機関の長の承諾を得て、各号文書に記載すべき事項を電磁的方法により提出することができると規定されています。

また、厚生労働省令第44号(平成17年3月25日)では、治験審査委員会(以下、IRB)の審査資料を書面での保存に代えて、電磁的記録で保存できることが規定されています。しかし、書面に代えて、電磁的記録を提出、縦覧及び保存する際には、当該電磁的記録の真正性、見読性及び保存性を確保する必要があります。

また、GCP第32条(IRBの責務) には、IRBは、審査の対象とされる治験が倫理的及び科学的に妥当であるかどうかその他当該治験が当該実施医療機関において行うのに適当であるかどうかを審査するとされています。お問い合わせの件は、IRB委員が適切に審査を行えるかどうかもポイントになると思われます。すなわち、IRB委員が事前に資料を十分に吟味できない等、審査に支障を来たさなければ、書面から電磁的記録へ変更することに問題はないと考えます。

さらに、書面で提出された文書については、当該書面が原本ですので、IRB委員に配布される電磁的記録と原本とが一致していることについて、より一層の留意が必要と思われます。また、IRB委員への電磁的記録の配布にあたっては、セキュリティーを確保下さいますようお願いします。
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