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 「GCPガイダンス」と「治験119」の合体:GCPの注意事項、GCPのグレーゾーン(9)
(記録の保存等)

第26条 治験依頼者は、次に掲げる治験に関する記録(文書及びデータを含む。)を被験薬に係る医薬品についての製造販売の承認を受ける日(第24条第3項の規定により通知したときは、通知した日後3年を経過した日)又は治験の中止若しくは終了の後3年を経過した日のうちいずれか遅い日までの期間適切に保存しなければならない。

1)治験実施計画書、契約書、総括報告書その他この省令の規定により治験依頼者が作成した文書又はその写し

2)症例報告書、第32条第6項の規定により通知された文書その他この省令の規定により実施医療機関の長又は治験責任医師等から入手した記録

3)モニタリング、監査その他の治験の依頼及び管理に係る業務の記録(前2号及び第5号に掲げるものを除く。)

4)治験を行うことにより得られたデータ

5)第16条第5項に規定する記録

2 本邦内に住所を有しない治験依頼者は、治験国内管理人に第16条第5項に規定する記録を前項に定める期間保存させなければならない。
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〈第1項〉

1 治験依頼者は、本条の規定により、第1項各号に掲げる治験に関する記録を被験薬に係る医薬品の製造販売承認日(第24条第3項の規定により、開発を中止した又は臨床試験の試験成績に関する資料が申請書に添付されないことを決定した旨の通知をした日から3年が経過した日)又は治験の中止若しくは終了の後3年を経過した日のうちいずれか遅い日までの期間適切に保存すること。

また、被験薬に係る医薬品が承認を受けた場合には、施行規則第101条の規定により、承認取得者は承認を受けた日から5年間(再審査に係るものであって、再審査が終了するまでの期間が承認を受けた日から5年を超えるものにあっては再審査が終了するまでの期間)適切に保存すること。
従って、治験依頼者は、次の(1)又は(2)の日のうちいずれか遅い日までの間保存すること。

(1)当該被験薬に係る製造販売承認日から5年が経過した日(開発が中止された場合には開発中止が決定された日から3年が経過した日)。ただし、薬事法(昭和35年法律第145号)の規定により承認後の再審査を受けなければならない医薬品で、かつ再審査が終了するまでの期間が5年を超えるものについては、再審査が終了する日。

(2)治験の中止又は終了後3年が経過した日

2 本条の「記録」には、磁気媒体等に記録されたデータを含むこと。データを適切に保存するためには、セキュリティシステムの保持、データのバックアップの実施等が必要であること。

3 治験依頼者は、データの処理に電子データ処理システム(遠隔操作電子データシステムを含む。)を用いる場合には、次の事項を実施すること。

(1)電子データ処理システムが、完全性、正確性、信頼性及び意図された性能についての治験依頼者の要件を満たしていることを保証し、文書化すること(すなわちバリデーションされること。)。

(2)当該システムを使用するための手順書を整備すること。

(3)当該システムが、入力済みのデータを消去することなしに修正が可能で、データ修正の記録をデータ入力者及び修正者が識別されるログとして残せる(すなわち監査証跡、データ入力証跡、修正証跡が残る)ようにデザインされていることを保証すること。

(4)データのセキュリティ・システムを保持すること。

(5)データのバックアップを適切に行うこと。

(6)データの修正を行う権限を与えられた者の名簿を作成し、管理すること。

(7)盲検化が行われている場合には、盲検性が保持されるようにすること。

4 治験依頼者は、処理中にデータの変換を行う場合には、処理前のデータと処理後のデータを常に対比し得ることを保証すること。

5 治験依頼者は、各被験者について報告されたすべてのデータの識別を可能にする明確な被験者識別コードを用いること。

〈第2項〉

1 本邦内に住所を有しない治験依頼者は、治験国内管理人に治験薬の製造や安定性等の品質などに関する第16条第5項に規定する記録を保存させること。

2 治験国内管理人は、治験薬による保健衛生上の危害の発生又は拡大の防止に必要な措置を採らせるため、治験の依頼をしようとする者に代わって治験の依頼を行うことのできる者である(第15条参照)趣旨に鑑み、第1項第1号から第4号までの記録又はその写しを適切に保存すること。
4.第四章 治験を行う基準

4−1 第一節 治験審査委員会
(治験審査委員会の設置)

第27条 実施医療機関の長は、治験を行うことの適否その他の治験に関する調査審議を次に掲げる治験審査委員会に行わせなければならない。

1)実施医療機関の長が設置した治験審査委員会

2)一般社団法人又は一般財団法人が設置した治験審査委員会

3)特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項に規定する特定非営利活動法人が設置した治験審査委員会

4)医療関係者により構成された学術団体が設置した治験審査委員会

5)私立学校法(昭和24年法律第270号)第3条に規定する学校法人(医療機関を有するものに限る。)が設置した治験審査委員会

6)独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人(医療の提供等を主な業務とするものに限る。)が設置した治験審査委員会

7)国立大学法人法(平成15年法律第112号)第2条第1項に規定する国立大学法人(医療機関を有するものに限る。)が設置した治験審査委員会

8)地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人(医療機関を有するものに限る。)が設置した治験審査委員会

2 前項第2号から第4号までに掲げる治験審査委員会は、その設置をする者(以下「治験審査委員会の設置者」という。)が次に掲げる要件を満たすものでなければならない。

1)定款その他これに準ずるものにおいて、治験審査委員会を設置する旨の定めがあること。

2)その役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有
する者を含む。次号において同じ。)のうちに医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療関係者が含まれていること。

3)その役員に占める次に掲げる者の割合が、それぞれ3分の1以下であること。

イ 特定の医療機関の職員その他の当該医療機関と密接な関係を有する者

ロ 特定の法人の役員又は職員その他の当該法人と密接な関係を有する者

4)治験審査委員会の設置及び運営に関する業務を適確に遂行するに足りる財産的基礎
を有していること。

5)財産目録、貸借対照表、損益計算書、事業報告書その他の財務に関する書類をその
事務所に備えて置き、一般の閲覧に供していること。

6)その他治験審査委員会の業務の公正かつ適正な遂行を損なうおそれがないこと。
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〈第1項〉

1 実施医療機関の長は、次の(1)から(8)に掲げる治験審査委員会より、治験ごとに適切な治験審査委員会を選択し、調査審議の依頼を行うこと。

(1)実施医療機関の長が設置した治験審査委員会(複数の医療機関の長が共同で設置したもの及び他の医療機関の長が設置したものを含む。)(第1号)

(2)一般社団法人又は一般財団法人(以下「一般社団法人等」という。)が設置した治験審査委員会(第2号)

(3)特定非営利活動促進法の規定により設立された特定非営利活動法人が設置した治験審査委員会(第3号)

(4)医療関係者により構成された学術団体が設置した治験審査委員会(第4号)

(5)学校法人のうち附属病院等を有する私立大学が設置した治験審査委員会(第5号)

(6)独立行政法人のうち医療の提供等を主な業務とする独立行政法人(独立行政法人国立病院機構本部、独立行政法人労働者健康福祉機構本部等)が設置した治験審査委員会(第6号)

(7)国立大学法人のうち附属病院等を有する国立大学が設置した治験審査委員会(第7号)

(8)地方独立行政法人のうち附属病院等を有する公立大学等の地方独立行政法人が設置した治験審査委員会(第8号)

2 実施医療機関の長は、適切な治験審査委員会を選択するために必要な手順を定めるとともに、調査審議を行うために十分な人員が確保され、かつ、倫理的、科学的及び医学的・薬学的観点から審議及び評価することができる治験審査委員会を、治験ごとに適切に選択し、調査審議の依頼を行うこと。
また、実施医療機関の長は、治験審査委員会に関する必要な情報を入手するなどして、治験の開始から終了に至るまで一貫性のある調査審議を行うことができる治験審査委員会を選択し、調査審議の依頼を行うこと。

3 治験審査委員会は、以下の事項を適切に判断できるものであること。

(1)実施医療機関が十分な臨床観察及び試験検査を行うことができるか否か。

(2)緊急時に必要な措置を採ることができるか否か。

(3)治験責任医師等が当該治験を実施する上で適格であるか否か。

(4)その他調査審議の対象となる治験が倫理的及び科学的に妥当であるか否か及び当該治験が当該実施医療機関において実施又は継続するのに適当であるか否か。

4 治験審査委員会は、上記3の(1)から(4)までの判断を行うに当たり、当該実施医療機関の職員等から必要な情報を入手する等により、これを的確に行うこと。

〈第2項〉

1 第1号においては、治験審査委員会の設置及び運営は、公益事業、特定非営利活動に係る事業等として行われるべきものであり、収益事業として行われるべきではないことから、定款又は前項第4号の学術団体(以下「学会」という。)のうち法人格を有しないものにあってはこれに準ずるものにおいて、治験審査委員会を設置及び運営する旨を公益事業、特定非営利活動に係る事業等として明記すること。なお、治験審査委員会の設置及び運営に係る具体的内容については、定款等に明記することで差し支えないこと。

治験審査委員会の設置及び運営が一般社団法人等又は特定非営利活動法人の目的を達成するために必要な事業であるか否かは、あらかじめ、それぞれ当該法人の主務官庁又は所轄庁に確認しておくことが適当である。

2 第3号は、被験者の安全性や治験の信頼性が損なわれる恐れがないよう役員構成について一定の要件を求めたものである。

(1)第3号イの「当該医療機関と密接な関係を有する者」には、当該医療機関を設置する者(法人である場合は、その役員)、当該医療機関の長その他当該医療機関と雇用関係のある者などが含まれる。

(2)第3号ロの「特定の法人」には、営利法人のみならず、一般社団法人等、特定非営利活動法人その他の非営利法人を含む。また、「当該法人と密接な関係を有する者」には、当該法人の役員及び職員のほか、当該法人の子会社の役員、職員等当該法人に対し、従属的地位にある者を含む。

3 第4号の趣旨は、治験審査委員会を設置する者(以下「治験審査委員会の設置者」という。)は、会費収入、財産の運用収入、恒常的な賛助金収入等の安定した収入源を有するものであること。ただし、製薬企業、開発業務受託機関(CRO)、治験施設支援機関(SMO)、医薬品に係る業界団体等からの賛助金(物品の贈与、便宜の供与等を含む。)等については、治験審査委員会による治験の実施又は継続の適否についての意見に影響が及ばないと一般に認められる範囲にとどめること。

4 第5号は、法人格を有しない学会においては、第5号に掲げる書類に準ずる財務に関する書類を事務所に備えて置き、一般の閲覧に供することが必要である。

5 第6号の「その他治験審査委員会の業務の公正かつ適正な遂行を損なうおそれがないこと」には以下の事項が含まれる。

(1)治験審査委員会の設置者の役員に、当該治験審査委員会に調査審議の依頼を行う実施医療機関の長又は当該実施医療機関の治験責任医師、治験分担医師若しくは治験協力者又は当該治験審査委員会による調査審議の対象となる治験の治験依頼者の役員、職員その他の治験依頼者と密接な関係を有する者若しくは自ら治験を実施する者その他の自ら治験を実施する者と密接な関係を有する者を含んでいないこと。
ただし、医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令の一部を改正する省令(平成20年厚生労働省令第24号)による改正前のGCP省令第27条第1項の規定により、当該実施医療機関に治験審査委員会を設置することができないと判断した場合であって、当該実施医療機関の長が役員となっている一般社団法人等、特定非営利活動法人又は学会が設置する治験審査委員会に調査審議を行わせる場合には、この限りではない。

<参考>

○ 改正前のGCP省令(抜粋)

(治験審査委員会の設置)
第27条 実施医療機関の長は、治験を行うことの適否その他の治験に関する調査審議を行わせるため、実施医療機関ごとに一の治験審査委員会を設置しなければならない。ただし、当該実施医療機関が小規模であること、医療又は臨床試験に関する専門的知識を有する者の確保が困難であることその他の事由により当該実施医療機関に治験審査委員会を設置することができない場合において、当該治験審査委員会の設置に代えて次に掲げる治験審査委員会に当該調査審議を行わせるときはこの限りでない。

1)当該実施医療機関の長が他の医療機関の長と共同で設置した治験審査委員会

2)民法(明治29年法律第89号)第34条の規定により設立された法人が設置した治験審査委員会

3)特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項に規定する特定非営利活動法人が設置した治験審査委員会

4)医療関係者により構成された学術団体が設置した治験審査委員会

5)他の医療機関の長が設置した治験審査委員会(第1号に掲げるものを除く。)

2 (略)

(2)治験審査委員会の設置者の役員に、当該治験審査委員会による調査審議の対象となる治験との関連の有無を問わず、製薬企業、開発業務受託機関(CRO)、治験施設支援機関(SMO)、医薬品に係る業界団体等の医薬品の開発に関わる営利法人や営利団体の役員、職員その他の当該法人又は団体と密接な関係を有する者を含んでいないこと。

(3)治験審査委員会の設置者の役員に、一般社団法人等、特定非営利活動法人及び学会のうち、当該法人等の事業として当該治験審査委員会による調査審議の対象となる治験における薬物の開発に関連する事業を行うものの役員、職員又は会員その他当該法人等と密接な関係を有する者を含んでいないこと。

(4)治験審査委員会の設置者の役員構成は、上記(1)から(3)に定めるほか、被験者の安全性や治験の信頼性が損なわれる恐れがあるとの疑念を抱かせるものでないこと。

(5)治験審査委員会の設置者が収益事業を行う場合においては、当該収益事業は、以下の条件を満たす必要があること。

@ 治験審査委員会の設置及び運営に必要な財産、資金、要員、施設等を圧迫するものでないこと。

A 収益事業の経営は健全なものであり、赤字を生じないこと。

B 収益事業からの収入については、一般社団法人等、特定非営利活動法人又は学会の健全な運営のための資金等に必要な額を除き、治験審査委員会の設置及び運営を含む公益事業、特定非営利活動に係る事業等に用いること。

(6)治験審査委員会の運営を有償で行う場合は、実施医療機関からの審査料を対価とすること。この場合においては、対価の引下げ、治験審査委員会の質の向上のための人的投資等により収入と支出の均衡を図り、一般社団法人等、特定非営利活動法人又は学会の健全な運営に必要な額以上の利益を生じないようにすること。

(7)役員、社員又は職員等の人件費、退職金等は、一般社団法人等、特定非営利活動法人又は学会の資産及び収支の状況並びに民間の給与水準と比べて不当に高額に過ぎないものであること。また、治験審査委員会の委員への報酬(旅費、日当等を含む。)は、一般の標準的な額から不当に高額に過ぎないものであること。さらに、人件費の管理費に占める割合が適正なものであること。

(8)治験の開始から終了に至るまで、継続的に治験に関する調査審議を行う体制を整えていること。特定非営利活動法人及び法人格を有しない学会においては、合併の規定を設けることが望ましいこと。

(9)治験審査委員会の設置者の行う事業として、調査審議の対象となる治験に係る薬物の開発に関わっていないこと。この場合の「調査審議の対象となる治験に係る薬物の開発」とは、当該治験の広告業務、治験施設支援機関の業務等を含む。

(10)調査審議の対象となる治験に関連する製薬企業、開発業務受託機関(CRO)、治験施設支援機関(SMO)その他当該治験と利害関係を有する者からの賛助金等(物品の贈与、便宜の供与等を含む。)を受けていないこと。ただし、適切な利益相反マネジメントの実施等により、治験審査委員会による治験の実施又は継続に係る意見に影響が及ばないと一般に認められる場合はこの限りでない。

(11)調査審議の対象となる治験に関連する営利企業の株式を保有していないこと。ただし、適切な利益相反マネジメントの実施等により、治験審査委員会による治験の実施又は継続に係る意見に影響が及ばないと一般に認められる場合はこの限りでない。

(12)治験審査委員会の設置者が公益法人である場合にあっては、「公益法人の設立許可及び指導監督基準」(平成8年9月20日閣議決定)に定める基準に適合していること。
関連する治験119

質問番号:2007-04 医療法人が設置する治験審査委員会

医療法人設置のIRB(パブリックコメントでは医療法人はIRBを設置できない)について教えてください。
(背景)A社が治験依頼者として第V相試験を実施しようと企画しました。A社は選定調査〜モニタリングをCRO(B社)にそれらの業務を委託しました。B社がCクリニック(IRB設置なし)に治験依頼したところ、Cクリニックは医療法人D(IRB設置者は院長)にIRBを委託(C院長とDのIRB設置者との契約は締結済)し、治験は承認され、1例目の投薬が開始されました。
IRBの開催がパブリックコメント(18.6.7)以降であった場合、治験依頼者は、治験が開始してしまったCクリニック及び医療法人Dに対してどのような措置をとればよいでしょうか?


製薬協見解

GCP第27条第1項で治験審査委員会の設置が認められている法人は、一般社団法人、一般財団法人、及び特定非営利活動促進法(第2条第2項)に基づく特定非営利活動法人(いわゆるNPO法人)です。
医療法人は医療法(第39条第1項)の規定により設立された法人であり、前述の法人ではありません。したがって、医療法人(たとえば理事長)が治験審査委員会を設置することは、従来からも認められていません。
したがいまして、当該治験審査委員会の設置者が医療法人の代表者であれば、要件を満たしていない治験審査委員会に審査を依頼したことになりますので、被験者の安全性に配慮しつつ速やかに治験を終了する必要があります。もし、当該審査委員会の設置者が医療機関Dの院長であれば、GCP第27条第1項第1号の実施医療機関の長が設置した治験審査委員会」(GCP第27条第1項ガイダンス1(1)に他の医療機関の長が設置したものを含むと記載)に該当すると考えられ、継続することに問題はないと思われます。
質問番号:2007-05 外部治験審査委員会による実施医療機関SOPの審査の必要性

当院では、当院を基幹とするネットワークの参加医療機関にて実施されている治験に関しまして、治験審査委員会を受託しております。
今までは、各医療機関にてSOPが改訂された場合、治験審査委員会委託先であります、当院にSOPの提供がされている施設とされていない施設とがあり、バラバラでした。
病院内に治験審査委員会がある場合は、SOP改訂の際はIRBにて審議、承認後、改訂されることとなっておりますが、委託する各医療機関も同様に考えたほうがよろしいのでしょうか。各医療機関により見解がまちまちであるために混乱をしております。治験審査委員会には審議・報告しないが、SOPは提供している施設、治験審査委員会にはSOP改訂を報告もしない、提供もしない施設等々です。
治験審査委員会を委託されている施設として、各医療機関に統一をお願いしたいと考えております。


製薬協見解

「治験に係る業務に関する手順書」(以下、実施医療機関SOP)が実施医療機関の長の責任下で作成されることはGCP第36条第1項で規定されていますが、制定及び改訂に際して治験審査委員会の審査を受けなければならないとの定めはありません。
また、治験審査委員会の審査対象とすべき資料は、GCP第32条第1項に示されているとおりですが、実施医療機関SOPは含まれていません。ただし、第32条第1項第5号において「その他当該治験審査委員会が必要と認める資料」が規定されていますので、貴院治験審査委員会が「当該治験が当該実施医療機関において行うのに適当であるかどうかを審査する」うえで実施医療機関SOPが必要であると判断されているのであれば、その提出を要請することは妥当であると考えます。
貴院治験審査委員会での審査に際し、実施医療機関SOPが必要であると判断されるのであれば、その旨を貴院治験審査委員会の手順書に規定し、その趣旨とともにネットワーク参加医療機関へ周知されることをお奨めいたします。
質問番号:2008-53 治験審査委員会の手順書等の公表に伴う対応

【質問1】

GCP第28条3では、「治験審査委員会の設置者は・・・・・会議の記録の概要を公表しなければならない」とあります。
治験審査を外部の治験審査委員会に委託している医療機関においても、治験審査委員会の手順書等に加えて「会議の記録の概要」が確認できるようにしておく必要がありますか?

【質問2】
関連して、GCP第51条1項15)の被験者へ提供される説明文書に記載しなければならない事項についても、治験審査委員会の手順書等にくわえて「会議の記録の概要」が確認できる旨を記載しなければならないでしょうか?

【質問3】
上記質問の結果によって異なるとは思いますが、治験審査を外部の治験審査委員会に委託している医療機関での実際の対応は以下の@〜Bが考えられますが、GCPで求められている対応方法はどれに該当しますか?
(審査を実施した治験審査委員会がホームページに公開している場合は除く)

@ 被験者から治験審査に関する開示を求められた場合、説明文書に書かれた治験審査委員会で開示されているので、被験者がそちらに行くなどして確認できればよい。

A 審査依頼にあたって既に、「治験審査に関する手順書、委員名簿」は入手しているので、「会議の記録の概要」についても求めがあれば、入手して開示できるように、治験審査委員会の設置者と契約しておく。

B 審査終了毎に「会議の記録の概要」を入手して設置しておき、被験者の開示の依頼に対応する。


製薬協見解

【質問1】

ご質問にもありますように、治験審査委員会の手順書等を公表する義務は、当該治験審査委員会の設置者にあります。したがって、外部の治験審査委員会に審査を依頼した場合には、実施医療機関は当該治験審査委員会の手順書等を公表する義務はありません。

【質問2】
GCP第51条第1項ガイダンス 4の「治験の被験者に交付する説明文書には、治験審査委員会の手順書等を確認することができる旨を記載し・・・」と記載されていますが、この「治験審査委員会の手順書等」とは「治験審査委員会の手順書、委員名簿及び会議の記録の概要」を指しています(GCP第28条第3項 ガイダンス1参照)。したがって、会議の記録の概要を確認することができる旨を説明文書に記載する必要があります。

【質問3】
GCPの規定では、@(治験審査委員会での開示)で対応できれば問題ないと考えます。
なお、外部の治験審査委員会が遠方にある場合など被験者の手間を考えますと、@に加え、Aの手続き(治験審査委員会の設置者と契約)を行った上でBでも対応できるような体制を整えておくことも望ましい対応の一つかと考えられますが、どこまで対応するかは実施医療機関の判断に依るところかと思われます。
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