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 「GCPガイダンス」と「治験119」の合体:GCPの注意事項、GCPのグレーゾーン(15)
つづき
(治験分担医師等)

第43条 治験責任医師は、当該治験に係る治験分担医師又は治験協力者が存する場合には、分担する業務の一覧表を作成しなければならない。
  ↓(関連)
質問番号:2007-01 治験協力者の指名時期

治験協力者指名日について、お尋ねさせていただきます。
現在、当クリニックにおいては、IRBへ治験審査依頼をかけると可能な限り早急に、治験責任医師が作成した治験協力者リスト(治験分担医師も記載)に基づき、医療機関の長が指名し、IRBの際に委員の方へ報告するという形をとっています(IRB前に指名しています)。
ところが、ある依頼者より、治験分担医師については、IRBの承認が得られた後、医療機関の長の了承を行った方がいいのではとのご指摘がありました。治験協力者(分担医師を含め)の医療機関の長の了承は、IRBの承認に関わらず行うものと解釈をしていましたが、いかがでしょうか?もし、IRBで、分担医師として適格でない等の判断が下された場合には、再度、協力者の了承をし直すというのでは、いかがでしょうか?


製薬協見解

GCP第43条(治験分担医師等)第1項で、「治験責任医師は、当該治験に係る治験分担医師又は治験協力者が存在する場合には、分担する業務の一覧表を作成しなければならない。」と規定されています。また、GCP第43条第1項ガイダンス1に、「治験責任医師は、治験関連の重要な業務の一部を治験分担医師又は治験協力者に分担させる場合には、分担させる業務と分担させる者のリストを作成し、予め医療機関の長に提出し、その了承を受けること。なお、実施医療機関の長の了承を受けた時点から業務を分担して差し支えないが、治験分担医師については治験審査委員会による審査が必要となること。」となっており、治験分担医師等の指名は治験責任医師の責務となっています。

一方、GCP第32条(治験審査委員会の責務)第1項第4号では、治験審査委員会が審査するために必要な資料の1つとして「治験責任医師等となるべき者の履歴書」が挙げられています。また、GCP第32条第1項ガイダンス5に「治験審査委員会は、治験責任医師等が当該治験を実施する上で適格であるか否かをその最新の履歴書等により検討すること。」と記載されています。
結論として、治験分担医師の指名とIRB審査との順序は問わないものと考えます。ただし、先に指名された治験分担医師の適格性がIRBで否認された場合には、IRBの意見に基づき、指名をやり直していただき、治験依頼者及び治験責任医師に指名リストを提出していただくことが必要になります。
質問番号:2007-33 治験協力者の姓の変更に伴う手続き

治験業務分担者指名リスト(治験分担医師・治験協力者リスト)について、ご教示ください。
当院では、現在SMOに業務を委託し、治験協力業務全般を行っていただいています。その協力者(CRC等)が結婚し、戸籍上の姓(苗字)が変更になったものの、SMO等で、旧姓を使用している(呼ばれている)場合、リスト上にはどちらの姓を記載するべきでしょうか。どちらでも構わないのでしょうか。
また、書類(全般)は、GCP上どちらを優先(使用)するのがよいですか。


製薬協見解

民法第4編第2章の規定により、婚姻によって苗字が変更された場合、法律上は変更後の苗字を使用する必要があります。
しかし、近年の夫婦別姓論議に見られるように、婚姻後も旧姓を使用する事例が増えております。
お尋ねの件ですが、治験協力者の所属するSMOでは旧姓の使用を認めていると思われます。
したがって、所属SMO及び貴医療機関において旧姓の使用を認めており、担当業務及び書類が全て旧姓で統一され、職務内容及び責任の所在が明確である限り、治験協力者の場合は必ずしも新姓に変更する必要はないと考えられます。

また、GCP第43条第1項の規定により、治験責任医師は治験業務を分担させる場合には、分担させる業務と分担する者のリストを作成しなければなりません。
しかし、分担する担当者、業務内容、役割が変更されない限り、苗字や職名の変更によるリストの改訂は必ずしも必要ではないと考えられます。
もし、他の事由で上記リストを更新することがあれば、当該協力者に新姓を追記し、両方の苗字を併記するなどの対応で問題ないものと考えられます。
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