モニターへの道のトップページへ

GCPのトップページへ

 「GCPガイダンス」と「治験119」の合体:GCPの注意事項、GCPのグレーゾーン(17)
(治験の中止等)

第49条 治験責任医師は、第40条第2項の通知により治験が中断され、又は中止されたときは、被験者に速やかにその旨を通知するとともに、適切な医療の提供その他必要な措置を講じなければならない。

2 治験責任医師は、自ら治験を中断し、又は中止したときは、実施医療機関の長に速やかにその旨及びその理由を文書により報告しなければならない。

3 治験責任医師は、治験を終了したときは、実施医療機関の長にその旨及びその結果の概要を文書により報告しなければならない。
==========================================
〈第1項〉

1 治験が何らかの理由で中止又は中断された場合には、治験責任医師は被験者に速やかにその旨を通知し、被験者に対する適切な治療及び事後処理を保証すること。

2 治験依頼者が治験の中止又は中断(第24条第2項参照)若しくは被験薬の開発中止(第24条第3項参照)を決定したときは、実施医療機関の長を経由して治験責任医師に通知される。

〈第2項〉

1 治験責任医師が治験を中止又は中断した場合には、治験責任医師は実施医療機関の長に速やかにその旨を文書で通知するとともに、中止又は中断について文書で詳細に説明すること。

〈第3項〉

1 治験が終了した場合には、治験責任医師は実施医療機関の長にその旨を文書で通知し、治験結果の概要を文書で報告すること。
質問番号:2007-22 治験終了報告書の提出時期

被験者の治験薬投与、観察が終了していた場合、CRF回収、治験薬回収していない状況であっても、終了報告は提出してもかまわないのでしょうか。


製薬協見解

「被験者の治験薬投与、観察が終了している」とのことですので、まずは、治験責任医師及び治験依頼者と協力して、症例報告書の提出及び未使用治験薬の返却を速やかに終了することをお勧めします。

治験責任医師は、GCP第49条第3項に従い、治験を終了したときは「治験の終了報告書」を治験実施医療機関の長に提出し、報告しなければなりません。この報告書には、治験結果の概要を記載する必要があります。GCPでは、報告すべき概要として具体的な内容についてまでは規定されていませんが、当該医療機関の終了報告書に規定された必要事項を記載できるようであれば、症例報告書の提出前に、治験責任医師から終了報告書を提出していただいても問題ないものと考えられます。
4−4 第四節 被験者の同意
(文書による説明と同意の取得)

第50条 治験責任医師等は、被験者となるべき者を治験に参加させるときは、あらかじめ治験の内容その他の治験に関する事項について当該者の理解を得るよう、文書により適切な説明を行い、文書により同意を得なければならない。

2 被験者となるべき者が同意の能力を欠くこと等により同意を得ることが困難であるときは、前項の規定にかかわらず、代諾者となるべき者の同意を得ることにより、当該被験者となるべき者を治験に参加させることができる。

3 治験責任医師等は、前項の規定により代諾者となるべき者の同意を得た場合には、代諾者の同意に関する記録及び代諾者と被験者との関係についての記録を作成しなければならない。

4 治験責任医師等は、当該被験者に対して治験薬の効果を有しないと予測される治験においては、第2項の規定にかかわらず、同意を得ることが困難な被験者となるべき者を治験に参加させてはならない。ただし、第7条第2項又は第15条の4第2項に規定する場合は、この限りではない。

5 治験責任医師等は、説明文書の内容その他治験に関する事項について、被験者となるべき者(代諾者となるべき者の同意を得る場合にあっては、当該者。次条から第53条までにおいて同じ。)に質問をする機会を与え、かつ、当該質問に十分に答えなければならない。
==========================================
〈第1項〉

1 治験責任医師等は、被験者となるべき者が治験に参加する前に、被験者となるべき者に対して第51条第1項各号に掲げる事項を記載した説明文書を用いて十分に説明し、治験への参加について自由意思による同意を文書により得ること。

〈第2項〉〈第3項〉

1 同意の能力を欠く等により被験者となるべき者の同意を得ることは困難であるが、当該治験の目的上それらの被験者を対象とした治験を実施することがやむを得ない場合(例:未成年者や重度の認知症患者を対象とする場合)には、治験責任医師等は、代諾者となるべき者に対して第51条第1項各号に掲げる事項を記載した説明文書を用いて十分説明し、治験への参加について文書による同意を得ること。この場合、同意に関する記録とともに代諾者と被験者との関係を示す記録を残すこと。

2 この場合にあっても、治験責任医師等は、被験者となるべき者の理解力に応じて説明を行い、可能であれば被験者となるべき者からも同意文書への記名押印又は署名と日付の記入を得ること。小児を被験者とする治験の場合は、「小児集団における医薬品の臨床試験に関するガイダンスについて」(平成12年12月15日付け医薬審第1334号厚生省医薬安全局審査管理課長通知)、「小児集団における医薬品の臨床試験に関するガイダンスに関する質疑応答集(Q&A)について」(平成13年6月22日付け厚生労働省医薬局審査管理課事務連絡)を参照すること。

3 第2項では、第1項の例外として、本人でなく代諾者の同意により被験者となるべき者を治験に参加させることができる旨規定しているが、この場合における同意取得の過程については、同意者が代諾者であること以外は第1項の規定によること(代諾者の同意は第2項に基づくが、その場合代諾者に対して文書により説明を行うこと及び代諾者から文書による同意を得るべきことの根拠は第1項となる。)。

〈第4項〉

1 次の2に掲げる場合を除き、被験者に対する直接の臨床的利益が予測されない非治療的な内容の治験においては、必ず被験者となるべき者から同意を得ること。
2 非治療的な内容の治験において、次の(1)から(4)に掲げる事項がすべて満たされる場合には、被験者となるべき者の代諾者による同意を得て治験を行うことができる。このような治験は、例外が正当化される場合を除き、被験薬の適応となることが意図された疾病又は症状を有する患者において行われるべきである。また、治験責任医師等は、このような治験における被験者に対しては、特に綿密な観察を行い、もし不当な苦痛を受けていると見受けられた場合には、治験を中止すること。

(1)治験の目的が、本人による同意が可能な被験者による治験では達成されないこと。

(2)被験者に対する予見しうる危険性が低いこと。

(3)被験者の福祉に対する悪影響が最小限とされ、かつ低いこと。

(4)代諾者となるべき者の同意に基づいて被験者を治験に組み入れる旨を明示した上で治験審査委員会に承認の申請がなされ、かかる被験者の参加を承認する旨が承認文書に記載されていること。

3 治験責任医師は、あらかじめ、第7条第2項の規定に従ってその旨が明記された治験実施計画書が治験審査委員会において審査された上で治験が承認され、当該治験審査委員会の承認文書上に同意を得ることが困難な者を被験者とすることを認める旨が記載されていることを確認しておくこと。
なお、自ら治験を実施する者による治験の場合には、第15条の4第2項の規定に従うこと。

〈第5項〉

1 治験責任医師等は、同意を得る前に、被験者となるべき者(代諾者となるべき者の同意を得る場合にあっては代諾者となるべき者)が質問をする機会と、治験に参加するか否かを判断するのに十分な時間を与えること。その際、当該治験責任医師、治験分担医師又は補足説明者としての治験協力者は、すべての質問に対して被験者となるべき者(代諾者となるべき者の同意を得る場合にあっては代諾者となるべき者)が満足するように答えること。
関連治験119 

質問番号:(3) 症例報告書への同意取得日の記載方法

外来治験において、同意書の患者署名日と同意書を担当医師が受け取り確認する日が異なることは通常起こっていることです。登録書やCRFに「文書同意取得日」、「本人文書同意取得日」等を記載するとき、署名日を記載するのか、同意書を受け取り同意確認が成立した日を記載するのか悩むことがあります。どちらを記載するべきなのでしょうか?


製薬協見解

「文書同意取得日」とか「本人文書同意取得日」といった用語は、GCP上定義されていないこともあり、確かに「被験者が同意書に署名した日」とも「治験責任医師等が同意文書を受け取りその内容確認した日」とも受け取ることができます。
特に、被験者(の候補者)には可能な限り十分な時間を与え治験への参加同意を求めることが強調されている昨今、お問合せのような状況が頻発すると想定されるため、治験依頼者と治験責任医師等との間に認識の食い違いをなくしておくことが急務と考えます。
治験依頼者すべてが同じ考えで「文書同意取得日」等の用語を使用しているわけでない現状においては、個々の治験の開始に先立って、これらの用語について、当該治験依頼者と協議の上お進めいただくこと以外によい対応策が見つかりません。
なお、「文書同意取得日」等の用語を使用しないのであれば、GCP第52条1項において、「同意は、…治験に参加することに同意する旨を記載した文書(同意文書)に、説明を行った治験責任医師等及び被験者となるべき者が日付を記載して、これに記名なつ印し、又は署名しなければ、効力を生じない。」と規定されていることから、例えば、治験責任医師に同意文書の記載欄を「説明年月日、説明者署名、同意年月日、同意者」としていただいた上で、これらの記載と整合するような表示の欄を登録書(票)や症例報告書に設けることも一方法と考えます。
質問番号:2004-13 「公正な立会人」の条件

視力障害のある被験者への同意説明について教えてください。
答申GCPでは「公正な立会人」を立てると記載がありますが、 1.「公正な立会人」の条件をお教えください。2.代諾者を立てない場合、「公正な立会人」となりうるのでしょうか


製薬協見解

ご質問について、視力障害により説明文書が読めない方ということで、見解を述べさせていただきます。

1.「公正な立会人」の条件について

「公正な立会人」は治験から独立しており、治験に関与している人から不当な影響を受けない人(GCP第2条ガイダンス15(5))とされています。またICH GCP 1.26では同意取得の場に立ち会って説明文書を読み聞かせる人となっていますので、治験の実施と関係せず、第三者的な立場を取れる人であれば治験責任医師と同じ医療機関の職員であってもよいと考えます。現状では、被験者となりうる方が信頼をおける方(家族、友人、ソーシャルワーカー等)が望ましいと考えます。

2.代諾者を立てない場合の「公正な立会人」について

代諾者は被験者となりうる方に同意能力がない場合にその方に代わって同意をする人であり、その方に同意能力があれば、代諾者ではなく、立会人を立てることになります。ただし、同意能力の欠如により代諾者をおいたとしてもその代諾者が何らかの理由により説明文書を読めない場合は、更に立会人を立てることになります(GCP第52条第3項ガイダンス1)。
質問番号:2008-39 再同意取得が必要な期間(その2)

質問番号2007-23の製薬協見解の中で、「当該情報を入手した時点で被験者にこれを提供し、治験に継続して参加するかどうかを口頭(情報の重要性によっては文書)で確認しており、かつ説明文書の改訂版が治験審査委員会及び実施医療機関の長の承認が得られた時にすでに治験が終了している又は最終観察を迎えているのであれば、改訂された説明文書により改めて再同意を取得する必要はありません」と回答されている中で、「最終観察を迎えている」の時期が、「説明文書の改訂版が治験審査委員会及び実施医療機関の長の承認が得られた時」(♯とする)よりも前と後では対応が異なりますでしょうか?

具体的には、

@ 治験継続の口頭同意後、♯の期日前に最終来院を迎え来院して治験が終了している場合

A 治験継続の口頭同意後、♯の期日前に最終来院の予定日があったが、実際には♯の期日以後に被験者が来院し最終来院日を迎えた場合

B 治験継続の口頭同意後、♯の期日後に最終来院日を迎えた場合(♯の期日時点は治験期間中)

なお、前提として、治験継続の口頭同意は、その旨を診療録に記録として残していること、また、被験者は最終来院日の際に追跡調査等がなく終了する状況であることを想定します。

この状況で文書による再同意を取得する目的が、被験者が♯の期日以降に治験に継続して参加するかどうかを確認することにあるのであれば、♯の期日時点で治験が継続していても、♯の期日後の直近の来院日が最終来院日であれば、改訂された同意説明文書による再同意を取得する必要はないのではと考えます。

当然、♯の期日後も治験の来院が2回以上ある場合は、治験継続を確認するための文書同意が必要であると考えます。
もし、♯の期日時点で治験中であるか否かによって、上記の場合でも再同意が必要であるならば、その根拠となる理由を教えて頂きたくお願いします。


製薬協見解

ご質問では「最終来院日の際に追跡調査等がなく終了する」という前提とのことですが、この最終来院日に来院された被験者に対してどのような治験が実施されるのか、その内容によってご判断いただければと考えます。

過去の質問(番号2007-23)の見解の中で、「後観察期で行われる検査・観察が治験により異なるため一概には言えませんが、一般的に、治験実施計画書で規定された後観察が残っており、被験者は治験を継続するわけですから、改訂された説明文書による再同意取得も必要と思われます。」と見解を述べていますように、このように治験実施計画書に規定された投薬・検査・観察等が継続される場合には文書による再同意が必要なケースもあると考えられます。

なお、「最終来院日」に被験者が来院された時点で治験薬の投与が終了しており、最終の検査・観察のみを行うのであれば、特に再同意は不要と思われます。
質問番号:2008-54 非治療的な治験の例

GCP第50条第4項運用通知2において、以下のような記載があります。

@ 「非治療的な内容の治験において、次の(1)から(4)に掲げる事項がすべて満たされる場合には、被験者となるべきものの代諾者による同意を得て治験を行うことができる。」

A 「このような治験は、例外が正当化される場合を除き、被験者の適応となることが意図された疾患又は症状を有する患者において行われるべきである」とあります。

この項目の解説をする際に、具体的な例示を行いたいと思っています。
@の例として、小児における薬物動態試験を挙げていますが、他にも適切な例がありますか?
Aの例外が正当化される場合の、“例外”の具体例がよくわかりません。
例えば、“希少疾患で患者が極端に少ない場合の上記試験”を指しているのかとも推定しますが、具体例に関してご教示くだされば幸いです。


製薬協見解

GCP第50条第4項ガイダンス2でいう「例外」とは「代諾者による同意で行う非治療的な治験」を指していますので、その例としましては「小児における薬物動態試験」以外に、「小児における薬力学的試験」、「認知症を対象とした薬力学的試験」などが該当すると考えられます。

GCP第50条の内容としては、i) 同意は被験者本人から取得することが大原則である、ii) 被験者本人による同意取得が困難な場合には代諾者による治験参加を認めること、iii) 非治療的治験においては、原則被験者本人の同意が必要であること、iv) 非治療的治験において代諾者による同意を認める場合もあること、などが記載されています。

さらに、v) 予定される効能効果の疾患を有する患者以外を対象に代諾者による非治療的治験を行うことが例外的に許容される場合がある旨が記載されています。

このうち、iv)及びv)は極めて稀なケースを想定された上での規定と考えられ、通常の医薬品を開発する臨床試験では非常に稀な事例と考えられ、提示できる具体例はありません。
なお、ご指摘のような、「希少疾患で患者が極端に少ない場合」でも、可能な限り当該疾患患者を対象に治験を行うべきと考えます。
質問番号:2009-23 署名済み同意書原本の紛失

当該被験者の初回SDV時に、同意書の原本(複写式1枚目)の紛失が確認されました。
ただし、薬剤部保管用の複写が保存されていたため、同意の取得が確認できたとして特に対応を取っておりませんでした。
同意書の複写の保管のみでは、GCP不適合となるのでしょうか。
また、再同意の取得は必要になりますか?(「○月○日に同意済」等、コメントを付すなどして経緯も合わせて記録する)
医療機関の診療録保管の問題だと思いますので、改善依頼はしております。


製薬協見解

同意文書は、GCP第41条第2項第2号として掲げられていますように、実施医療機関の記録保存責任者がGCPで規定されている期間保存しておく必要があります。
同意文書の写しが保存されているということですので、文書による同意取得が行われたという事実を説明する記録になると考えられますが、実施医療機関による記録の保存に不備があったという事実には変わりありません。紛失の事実とその経緯を記録し、実施医療機関の文書保管体制を再度見直していただくよう要請する必要があります。

また、同意文書紛失に対する措置としましては、可能であれば被験者のご協力をいただき、当時文書で同意した旨を説明する記録に日付と署名(又は記名押印)を取得することが一方策として考えられますが、被験者に負担がかからないような方策を治験責任医師とご検討ください。
(説明文書)

第51条 治験責任医師等は、前条第1項の説明を行うときは、次に掲げる事項を記載した説明文書を交付しなければならない。

1)当該治験が試験を目的とするものである旨

2)治験の目的

3)治験責任医師の氏名、職名及び連絡先

4)治験の方法

5)予測される治験薬による被験者の心身の健康に対する利益(当該利益が見込まれない場合はその旨)及び予測される被験者に対する不利益

6)他の治療方法に関する事項

7)治験に参加する期間

8)治験の参加を何時でも取りやめることができる旨

9)治験に参加しないこと、又は参加を取りやめることにより被験者が不利益な取扱いを受けない旨

10)被験者の秘密が保全されることを条件に、モニター、監査担当者及び治験審査委員会等が原資料を閲覧できる旨

11)被験者に係る秘密が保全される旨

12)健康被害が発生した場合における実施医療機関の連絡先

13)健康被害が発生した場合に必要な治療が行われる旨

14)健康被害の補償に関する事項

15)当該治験の適否等について調査審議を行う治験審査委員会の種類、各治験審査委員会において調査審議を行う事項その他当該治験に係る治験審査委員会に関する事項

16)当該治験に係る必要な事項

2 説明文書には、被験者となるべき者に権利を放棄させる旨又はそれを疑わせる記載並びに治験依頼者、自ら治験を実施する者、実施医療機関、治験責任医師等の責任を免除し若しくは軽減させる旨又はそれを疑わせる記載をしてはならない。

3 説明文書には、できる限り平易な表現を用いなければならない。
==========================================
〈第1項〉

1 説明文書には、?なくとも次の事項が含まれていること。

(1)治験が研究を伴うこと(第1号)。

(2)治験の目的(第2号)

(3)治験責任医師又は治験分担医師の氏名、職名及び連絡先(第3号)

(4)治験の方法(治験の試験的側面、被験者の選択基準、及び無作為割付が行われる場合は各処置に割り付けられる確率を含む。)(第4号)

(5)予期される臨床上の利益及び危険性又は不便(被験者にとって予期される利益がない場合には、被験者にその旨を知らせること。)(第5号)

(6)患者を被験者にする場合には、当該患者に対する他の治療方法の有無及びその治療方法に関して予測される重要な利益及び危険性(第6号)

(7)被験者の治験への参加予定期間(第7号)

(8)治験への参加は被験者の自由意思によるものであり、被験者又はその代諾者は、被験者の治験への参加を随時拒否又は撤回することができること。また、拒否・撤回によって被験者が不利な扱いを受けたり、治験に参加しない場合に受けるべき利益を失うことはないこと(第8号及び第9号)。

(9)モニター、監査担当者、治験審査委員会等及び規制当局が医療に係る原資料を閲覧できること。その際、被験者の秘密は保全されること。また、同意文書に被験者又はその代諾者が記名押印又は署名することによって閲覧を認めたことになること(第10号)。

(10)治験の結果が公表される場合であっても、被験者の秘密は保全されること(第11号)。

(11)被験者が治験及び被験者の権利に関してさらに情報の入手を希望する場合又は治験に関連する健康被害が生じた場合に照会すべき又は連絡をとるべき実施医療機関の相談窓口(第12号)

(12)治験に関連する健康被害が発生した場合に被験者が受けることのできる補償及び治療(第13号及び第14号)

(13)治験に参加する予定の被験者数(第16号)

(14)治験への参加の継続について被験者又はその代諾者の意思に影響を与える可能性のある情報が得られた場合には速やかに被験者又はその代諾者に伝えること(第16号)。

(15)治験への参加を中止させる場合の条件又は理由(第16号)

(16)被験者が費用負担をする必要がある場合にはその内容(第16号)

(17)被験者に金銭等が支払われる場合にはその内容(支払額算定の取決め等)(第16号)

(18)被験者が守るべき事項(第16号)

2 第5号の「予測される治験薬による被験者の心身の健康に対する利益(当該利益が見込まれない場合はその旨)及び予測される被験者に対する不利益」とは、予期される臨床上の利益及び危険性又は不便を指すものである。また、被験者にとって予期される利益がない場合には、被験者にその旨を知らせること。

3 第15号における用語の意義等については次のとおりである。

(1)「治験審査委員会の種類」とは、治験審査委員会及び専門治験審査委員会の別を指すものである。

(2)「各治験審査委員会において調査審議を行う事項」とは、本基準の規定により各治験審査委員会が実施医療機関の長から意見を聴かれる事項を指すものであり、当該事項については各治験審査委員会が倫理的、科学的及び医学的・薬学的観点から治験の実施又は継続についての調査審議を行い、実施医療機関の長に意見を述べる旨を被験者に分かりやすく記載することが適当である。

(3)「その他当該治験に係る治験審査委員会に関する事項」には、各治験審査委員会の設置者の名称及び所在地、当該設置者に係る閲覧可能な情報等を含むものである。「当該設置者に係る閲覧可能な情報等」とは、第27条第1項第2号から第4号までに掲げる治験審査委員会の設置者にあっては、定款、財産目録、貸借対照表、損益計算書、事業報告書(学会のうち法人格を有しないものにあってはこれらに準ずるもの。)等の一般の閲覧に供している情報の入手方法を含むものである。また、被験者がこれらの閲覧を希望する場合には、速やかにこれらの資料を閲覧に供することができるようにしておくこと。

4 治験の被験者に交付する説明文書には、治験審査委員会の手順書等を確認することができる旨を記載し、併せて、治験審査委員会の手順書等を実施医療機関等のホームページで公表している場合にあっては当該ホームページのアドレスを、公表していない場合にあっては治験審査委員会の手順書等を事務所に備えて置くことなどにより一般の閲覧に供している旨を記載すること。
また、治験審査委員会の手順書等を確認したい場合には申し出てほしい旨を記載すること(第15号)
5 第16号の 「当該治験に係る必要な事項」とは、治験に参加する予定の被験者数、治験に継続して参加するかどうかについて被験者の意思に影響を与えるものと認める情報を入手した場合には直ちに被験者又は代諾者に当該情報が伝えられること、治験への参加を中止させる場合の条件又は理由、被験者が費用負担をする必要がある場合にはその内容、被験者に金銭等が支払われる場合にはその内容及び被験者が守るべき事項が挙げられること。

6 説明文書と同意文書(第52条参照)は一体化した文書又は一式の文書とすることが望ましい。

7 説明文書の交付の対象は、被験者となるべき者又は代諾者となるべき者である。

〈第2項〉

1 説明文書には、被験者となるべき者又は代諾者となるべき者に権利を放棄させるかそれを疑わせる語句、又は治験責任医師、治験分担医師、治験協力者、実施医療機関、自ら治験を実施する者、治験依頼者の法的責任を免除するかそれを疑わせる語句が含まれていないこと。

2 説明に際して口頭で提供される情報についても、1と同様である。

〈第3項〉

1 説明文書には、被験者となるべき者又は代諾者となるべき者(被験者となるべき者又は代諾者となるべき者が説明文書を読むことができないが、口頭又は他の伝達方法ではその内容を理解することができる場合における公正な立会人を含む。)が理解可能で、可能な限り非専門的な言葉を用いること。

2 説明に際して口頭で提供される情報についても、1と同様である。
 
 ■次のページへ>>

このページのトップへ

GCPのトップページへ

モニターへの道のトップページへ

inserted by FC2 system