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「GCPガイダンス」と「治験119」 の合体
 
GCP第1条ー第2条
趣旨
定義
GCP第3条ー第5条
承認審査資料の基準
業務手順書等
毒性試験等の実施
GCP第6条ー第7条
医療機関等の選定
治験実施計画書
GCP第8条ー第10条
治験薬概要書
説明文書の作成の依頼
実施医療機関の長への文書の事前提出
GCP第11条ー第13条
治験薬の事前交付の禁止
業務の委託
治験の契約
GCP第14条ー第17条
被験者に対する補償措置
治験国内管理人
治験薬の管理
治験薬の交付
GCP第18条ー第21条
委嘱の文書の作成
効果安全性評価委員会の設置
副作用情報等
モニタリングの実施
GCP第22条ー第25条
モニターの責務
監査
治験の中止等
総括報告書
GCP第26条ー第27条
記録の保存等
治験審査委員会の設置
GCP第28条
治験審査委員会の構成等
GCP第29条ー第30条
治験審査委員会の会議
治験審査委員会の審査
GCP第31条ー第32条
継続審査等
治験審査委員会の責務
GCP第33条ー第36条
治験審査委員会の意見
記録の保存
実施医療機関の要件
実施医療機関の長
GCP第37条ー第39条
モニタリング等への協力
治験事務局
治験薬の管理
GCP第40条ー第43条
治験の中止等
記録の保存
治験責任医師の要件
治験分担医師等
GCP第44条ー第48条
被験者となるべき者の選定
被験者に対する責務
治験実施計画書からの逸脱
症例報告書等
治験中の副作用等報告
GCP第49条ー第51条
治験の中止等
文書による説明と同意の取得
説明文書
GCP第52条ー第55条
同意文書等への署名等
同意文書の交付
被験者の意思に影響を与える情報が得られた場合
緊急状況下における救命的治験
 GCP全般に関する質問と製薬協の見解
関連する治験119

質問番号:2004-02 GCP省令の引用方法

依頼者は、『治験実施計画書』の記載項目の一つに、必ず、倫理として、「本治験はヘルシンキ宣言に基づき……“医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年3月27日厚生省令28号)”、を遵守し、本治験を実施する。」を記載されます。
ここで用いられる省令に関してですが、 上記「 」は勿論【新GCP】に対する内容で、平成15年7月30日からは【改正GCP】が施行されています。

【改正GCP】は【新GCP】を含み、医師主導の臨床試験などの規定が加わったものと理解していますので、上記「 」には、“医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令の一部を改正する省令(平成15年厚生労働省令第106号)”が記載されるべきであると考えます。

平成15年8月以降に開始されるプロトコールに対する『治験実施計画書』の記載としては、
@【新GCP】に対する省令を記載(平成9年)
A【改正GCP】に対する省令を記載(平成15年)
B【新GCP】及び【改正GCP】の両方に対する省令を併記
(平成9年及び平成15年)

上記の@〜Bのどれが正しいのでしょうか? 


製薬協見解


法律・省令等で他の法律・省令等を引用する場合には、最初に制定されたときの法律・省令番号、制定日が記載されております。実際にGCP省令では薬事法を引用していますが、最初の法律番号、制定日を記載しています。
よって、最初に制定された法律・省令番号、制定日を記載することで、それ以降行われた改正を含んでいると解釈できます。

このことより、治験実施計画書や契約書等でGCP省令を記載する場合は、省令の正式名称、最初の制定日、省令番号を記載し、略語を使用する場合は「以降GCPと略す」等と記載することでよいと考えられます(@でよいと考えられます)。

なお、平成15、16、18、20、24年に出された省令(第106号、第172号、第72号、第24号、第161号)は改正の部分のみを示していますので、単独でGCPとして契約書に記載することは適切でないと考えられます。また、「新GCP」という呼称が薬発第430号(平成9年3月27日)で使用されていますが、医薬発第0612001号(平成15年6月12日)では単に「GCP」となっており、今後呼称としては「GCP」と記載するほうがよいと思われます。
質問番号:2004-12 治験依頼者による被験者との直接面談の是非

GCP等に関連してご質問がございます。治験依頼者と被験者とは直接面談できない事になっていると思いますが、法令では具体的にどこで規制されているのでしょうか。


製薬協見解

GCP省令、その他の関連規定では、治験依頼者が被験者に直接面談することを明確に禁じている条項はありませんが、直接面談(医療機関内外で)は以下のことなどから、適切ではないと考えます:

1. ご存知のように、治験のシステムは治験依頼者が実施医療機関に治験の実施を依頼し、治験責任医師が治験実施計画書に従って被験者に必要な投薬、検査を行うことになっています。被験者から治験に関して質問等がある場合は実施医療機関において対応していただくことになります。

2. 薬事法第80条の2第10項を始め、GCP第13条及び第51条等、被験者のプライバシー保護について様々な規制が設けられており、罰則(薬事法第86条の3第1項第5号)もあります。治験依頼者による診療録の直接閲覧に関しましても、これらの規制を遵守して対応されています。治験依頼者と被験者の直接面談は、被験者のプライバシーに関し直接閲覧よりも踏み込んだ状況と思われますので、通常はできないものと考えられます。

3. 治験中に治験依頼者が被験者に直接面談すると場合によっては、被験者の心理状態等に影響して、被験薬の正しい評価が損なわれる可能性があります。なお、健康被害の補償の場合、まず、被験者と実施医療機関の間で協議していただき、その上で実施医療機関と治験依頼者で協議することが通常と考えられます。被験者が特に治験依頼者との面談を希望される場合は、その理由を確認し、その上で最良の方策を決める必要があると考えます。
質問番号:2004-21 治験を依頼している製薬企業の把握方法

現在CRCを導入し1件治験を行っていますが、本年12月で終了します。
来年度も治験を受け入れたいと思っています。治験をやっているメーカー等知りたい場合どうすればいいでしょうか。Drの関係、治験の内容もありますが、検討したいと思っています。


製薬協見解

現在のところ、治験を行っている製薬企業を一覧で見ることができる方法はありませんが、以下のようなホームページが参考になるかと思います。

日本製薬工業協会のホームページ「新薬・治験情報」「開発中の新薬」
http://www.jpma.or.jp/medicine/shinyaku/development/index.html

日本医薬情報センター「臨床試験情報」
http://clinicaltrials.jp/user/cte_main.jsp
@ 治験薬投与終了後、追跡期の評価までに使われた後治療の薬剤について、薬剤名、使用量、使用期間、効果等を調査する治験を行うことは問題ないでしょうか。


製薬協見解

@ご存知のように、GCPは、治験に関する遵守状況を定め、被験者の人権、安全及び福祉の保護のもとに、治験の科学的な質と成績の信頼性を確保することを目的とした基準であり、ご質問のような治験デザインとしての有効性データ収集の範囲について規定されているものではありません。
したがいまして、投与終了後の使用薬剤に関する調査目的と調査項目が明記された治験実施計画書が治験審査委員会で承認され、それに従って治験が実施されるのであればGCP不遵守にはなりません。
質問番号:2008-14 治験におけるファーマコゲノミクスの実施

当社は業務提携実施医療機関を持つSMOです。実施医療機関のサポート業務として治験審査委員会の事務局業務を行っていますが、ここ2年ほど前から承認申請には用いないような遺伝子解析のための採血を付与した治験実施計画書の審査をすることがしばしばあります。
治験実施計画書の審査ですから治験審査委員会での審査は当然なのですが、その中に申請には用いない、どのような遺伝子を解析するのかわからない遺伝子解析のための採血が付与されていて、治験審査委員会としてもかなりの時間的ロスを生じる場合があります。

治験実施計画書に定められた検体採取はそれらを分析した結果を申請に用いることを前提に審査しているのですが、申請に用いない、いつ解析するかも場合によっては解析しないかもしれない検体の採取を治験実施計画書に記載して治験審査委員会に提出されるのはおかしいのではないでしょうか。

GCPは承認申請・再審査・再評価のために実施される臨床試験に適用される省令ですので、それらに用いない検体採取を治験実施計画書に規定することはおかしいのではないかと考えるのですが。

なお、治験依頼者の方は治験届け時点において、当局からは何のお咎めもないと言われますが、「実はいつ解析するかもわからないのですが、遺伝子解析用の血液サンプルの採取についてもこの治験実施計画書には入れているのですが」とは言っていないのではないでしょうか。

外資系の会社の治験実施計画書に多くみられるようで、世界で統一された方法であるようなことを当該治験依頼者はおっしゃいます。治験の位置づけが日本と海外では異なるのかも(ICH-GCPにおいては治験について日本のような規定はない)。


製薬協見解

GCPは承認申請・再審査・再評価のために実施される臨床試験に適用される省令ですが、それら申請に用いないデータを取るための検体採取であるとの理由で治験実施計画書に規定しないことは適切でないと考えます。

治験実施計画書は、当該治験で行われる手順、行為を網羅・記載したものですので、申請目的に限らず、別の目的のために行われる被験者への侵襲、すなわち採血についても記載されるべきと考えます。

新薬の開発において、薬に対する応答の個人差と遺伝子多型との関連についてのファーマコゲノミクスに関する研究が、有効性の向上、重篤な副作用の回避等の臨床上の有用な知見が得られると期待され、全世界で積極的に取り組まれるようになってきました。
このゲノム・遺伝子解析を伴う臨床試験では、被験者の福利に対する配慮が不可欠です。
さらには、患者個人のみならず血縁者も含めた遺伝情報にまで踏み込む可能性もありますので、倫理的及び科学的な試験計画に基づき慎重に実施する必要があります。

このゲノム・遺伝子解析を行う治験としてはさまざまケースがあります。
例えば、「治験実施計画策定段階において、検討のための目的遺伝子や実施時期がすでに特定されている治験」、「当該薬物の応答(有効性あるいは安全性)に関連するゲノムバイオマーカーを検討する可能性があるが、治験実施計画策定段階には目的遺伝子が特定されていなかったり、実施時期が決定していない治験」など。

このような目的を有している治験に対し、ファーマコゲノミクス検討を含めた総合的な治験を実施することの妥当性について、治験審査委員会において科学的・倫理的・法的・社会的観点から審査を行うことは、適切な対応と考えられます。

ご参考までに、「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」の見直しの内容に係る意見募集の結果について(平成16年12月、文部科学省、厚生労働省、経済産業省)」では、「ご指摘の治験委員会の在り方等については、現在の薬事法(…略…)による規定の趣旨を踏まえ、治験における被験者の保護(倫理性)及びデータの質の確保(科学性)のため、施設における治験に関するあらゆる事項が適正に審議調査される組織・運営・体制とする必要があると考えます。」という見解が示されています。

既にご存知とは思いますが、日本製薬工業協会医薬品評価委員会では「医薬品の臨床試験におけるファーマコゲノミクス実施に際し考慮すべき事項(暫定版)」をホームページで公開しています(http://www.jpma.or.jp/about/basis/guide/ phamageno.html)ので、ご参考になさってください。

なお、平成20年8月15日に発出されました治験届に関する審査管理課長通知(薬食審査発第0815005号)では、ゲノム検査等を含む治験ではその旨を届け出ることとなっています。
また、平成17年3月18日に発出されました「医薬品の臨床試験におけるファーマコゲノミクスの利用指針の作成に係る行政機関への情報の提供等について(薬食審査発第0318001号)」に添付されている当局への情報提出用リストの例には、治験においてバンキングを実施しているか否かを示すことになっていることも申し添えておきます。
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