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 治験のまとめのホームページ
 IRBの基礎/非専門委員について
 
 治験審査委員会の非専門委員の範囲(その1)

治験審査委員会の委員構成のうち、非専門委員について質問がございます。

  1. 介護福祉士、ホームヘルパーは非専門委員と考えてよろしいでしょうか。
  2. GCP第28条 (治験審査委員会の構成等) 第1項第3号「委員のうち、医学、歯学、薬学その他の医療又は臨床試験に関する専門的知識を有する者以外のもの・・」とありますが、「その他の医療」とはどのようなものを指すのでしょうか。具体的にご教示いただけると助かります。福祉はこれに該当しますでしょうか。
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GCP第28条第1項第3号には「委員のうち、医学、歯学、薬学その他の医療又は臨床試験に関する専門的知識を有する者以外の者が加えられていること」と規定され、また、GCP第28条第1項ガイダンス1(2)では「少なくとも委員の1人は、医学・歯学・薬学等の自然科学以外の領域に属していること。」とされています。

 これらGCP省令及びガイダンスでは、「その他の医療又は臨床試験に関する専門的知識」又は「自然科学」がどのような分野・領域を指しているのかについて具体的な定義はなされておりません。しかし、医療機関関係者の職種で例をあげますと、看護師、臨床検査技師、歯科衛生士、理学療法士、放射線技師など、医療技術系職に携わる方々を指しているものと考えられます。

 ご質問にあります、介護福祉士、ホームヘルパー等の福祉関係者は、医療というよりもむしろ介護の専門家と考えられますので、非専門家に該当すると思われます。

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 治験審査委員会の非専門委員の範囲(その2)

 治験審査委員会の専門委員・非専門委員の区分について質問がございます。管理栄養士は専門委員、非専門委員どちらの分類となりますでしょうか。

【質問1】
 GCP第28条第1項第3号には「委員のうち、医学、歯学、薬学その他の医療又は臨床試験に関する専門的知識を有する者以外の者が加えられていること」とございます。 運用通知の1では「2)少なくとも委員の1人は、医学・歯学・薬学等の自然科学以外の領域に属していること。」とされています。
 自然科学という分類ですと、管理栄養士は専門委員と考えられると思いますが、管理栄養士の専門性を考慮すると、「その他の医療又は臨床試験に関する専門知識を有する者」に該当しないとも考えられます。
 また、管理栄養士はその資格取得の際に医学的な内容の取得が必須であるため、専門委員であると見解する者もおります。

【質問2】
 管理栄養士が「非専門委員」であるとの見解の場合の質問です。
 「食事の影響」試験や、「生物学的同等性試験 食後投与」試験の際には、管理栄養士の専門性から「専門委員」と分類可能かと考えます。このような場合、1つの治験審査委員会の中で実施試験の内容により委員の区分が変わることは認められるのでしょうか。


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栄養士法第1条第2項では、「管理栄養士とは、厚生労働大臣の免許を受けて、管理栄養士の名称を用いて、傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導、個人の身体の状況、栄養状態等に応じた高度の専門的知識及び技術を要する健康の保持増進のための栄養の指導並びに特定多数人に対して継続的に食事を供給する施設における利用者の身体の状況、栄養状態、利用の状況等に応じた特別の配慮を必要とする給食管理及びこれらの施設に対する栄養改善上必要な指導等を行うことを業とする者をいう。」と規定されています。

 また、管理栄養士国家試験の試験科目には「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」の科目もあります。

 以上のように、管理栄養士は身体・疾病に対する知識等を保持し、傷病者に対して指導を行うことから医療に対して推進する立場でありますので、医学・歯学・薬学等の自然科学の領域に属していると考えます。

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 治験審査委員会の非専門委員の範囲(その3)
治験審査委員会の専門委員・非専門委員の区分について質問があります。
臨床心理士は専門委員、非専門委員どちらの分類となりますでしょうか?

 GCP第28条第1項第3号には「委員のうち、医学、歯学、薬学その他の医療又は臨床試験に関する専門的知識を有する者以外の者が加えられていること」と記載されています。GCP第28条第1項ガイダンス1では「2)少なくとも委員の1人は、医学・歯学・薬学等の自然科学以外の領域に属していること。」とされています。

 臨床心理士は、医学系出身の方もおりますが、心理学等の人文領域出身の方もおります。人文領域出身の臨床心理士を、自然科学領域以外の分野の方と考え非専門委員とすることは可能なのでしょうか?

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GCP第28条第1項第3号には「委員のうち、医学、歯学、薬学その他の医療又は臨床試験に関する専門的知識を有する者以外の者が加えられていること」と記載されています。

 臨床心理士は、精神疾患、臨床心理学、心理学一般、心理査定、統計、心理療法・技法、事例、法律などの試験を受けて取得し、司法、教育、医療、介護等の幅広い分野に従事する資格です。

従いまして、臨床心理士を非専門委員として指名することが妥当か否かは、当該臨床心理士が受けた教育、経験及び現在の業務内容によって判断することが適切と考えます。

一般的に、教育・人文社会学系の教育機関で学ばれて、司法及び教育の分野で臨床心理士として従事されている委員の場合、非専門委員として指名されても問題ないと考えます

。一方、医療現場で従事されています臨床心理士の方は、メディカルチーム、チーム医療の一端を担っていらっしゃいますので、専門委員として指名されることが妥当だと思われます。


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 治験審査委員会の非専門委員の範囲(その4)
 GCP第28条第1項第3号には「委員のうち、医学、歯学、薬学その他の医療又は臨床試験に関する専門的知識を有する者以外の者が加えられていること」と記載されています。

 当院の構成員の中に事務部長を含めておりますが、現在の担当者は看護師の資格を持っているものが事務部長をしております。専門知識を学んできておりますが、実職としてはその資格を使用してはおりません。

この場合も専門委員と考えなければならないでしょうか。

非専門委員と考えるのは困難でしょうか。資格を有しておりますので当然とも考えますが、確認させて頂きたく宜しくお願い申し上げます。

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看護師は「医学、歯学、薬学その他の医療又は臨床試験に関する専門的知識を有する者」に該当します。
 現在、看護師としての業務には携わっていらっしゃらないということですが、治験審査委員会の審議及び採決に、GCP第28条第1項第3号でいうところの「専門的知識を有する者以外の者」に該当する方にもご参加いただく必要がありますが、この趣旨は専門的知識をお持ちでない方の視点からみた当該治験の実施の適切性について意見を求められているものと考えられます。したがいまして、非専門委員として指名されるのは適切ではないと考えます。


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  治験審査委員会の非専門委員の範囲(その5)
獣医師の資格を持つ者を治験審査委員会の委員に指名する場合、当該委員は、医学、歯学、薬学その他の医療又は臨床試験に関する専門的知識を有する者(いわゆる専門委員)に該当するのでしょうか?何人かに意見を聞きましたが、意見がいろいろです。

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GCP第28条第1項ガイダンス1として、「治験審査委員会は、治験について倫理的、科学的及び医学的・薬学的観点から審議及び評価するのに必要な資格及び経験を、委員会全体として保持できる適切な数の委員により構成する」旨が規定されています。

 獣医師の資格を有することを以って、医学、薬学等の専門家であると一律に判断することは難しいと考えます。

しかしながら、獣医師の資格を有する方には、公衆衛生分野、バイオメディカル分野に従事する等、医療の一端を担っている方もいらっしゃいます。

また、治験実施の妥当性を審議する上で、非臨床試験(動物試験等)の専門的知識を期待されて委員に指名される方もいらっしゃると思われます。

したがいまして、専門委員に該当するか否かについては、当該委員の指名の際に、治験審査委員会の設置者が判断することで差し支えないものと考えます。

なお、獣医師の資格を有する委員以外に、実際の医療に携わっておられる医師の方も委員として指名しておく必要があると考えます。


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