【モニター用】

1)モニターの仕事とは 2)最初に覚えること 3)実践での注意 4)自習の仕方


3)実践での注意


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(中-5)目標を達成する

治験には必ず目標があります。

いつまでにプロトコルの原案を作る。いつまでに治験届を出す。いつまでに最初の患者さんを治験に参加させるか(これをFirst Patient Inと言い、FPIとも略しますが、外資系では結構、大きなマイルストーンになります)、、、など等。

そして、最終目標は治験のデータをまとめ申請し、一日でも早く新薬を世の中に出すことです。

そのための一般的な方法は「仕事のコツ集」の「目標達成法」にもありますので、一読ください。

ただ、治験には治験特有の目標達成法があります。
それを考えましょう。

治験の初期段階

治験の初期段階の目標は「最初の患者さんを予定通りの期限までに参加させる」即ち、「予定通り、治験がスタートする」となるでしょう。

そのためには、どこの医療機関が一番早くIRBがあり、審議が終わり、結果が出るかということを調べます。
それが分かったら、その医療機関に徹底的に力を注ぎます。
そのために、他の医療機関で2例目が入るのが遅くなっても構わないくらいの勢いでやります。

IRBの審議でもたつかないように、事前ヒアリングを設定してもらう方法もあるでしょう。

医師やCRC、薬剤部にも事前に十分に治験の説明をして、準備を整えておきます。
医師やCRCの方には、カルテ上でスクリーニングもお願いしておきます。
このような準備を整えて、IRBで承認、院長の許可、契約が済んだら、一ヶ月以内には患者さんが登録されているようにします。

これで一安心。ふ〜〜〜。


あとは、その勢いを借りて、どんどん治験を進めてもらいます。


■治験の中期


治験の中期での目標は、早く目標症例数に達成することです。
そのための方法はこちらをご覧ください。⇒「被験者登録に一度は試してみること
この中のせめて、一つか二つは、ダメモトで試してみる価値があると思います。

難しいのは、「被験者の登録促進」と「CRFの早期作成」を同時にお願いすることです。

ここでも、CRCの方の協力は欠かせません。

一人の優秀なCRCは、千人の無能な治験責任医師よりも有能です。(あたりまえか。。。)
CRCの方との協力体制、あるいは、その医療機関でキーとなる人との協力体制をより強化して、治験の推進をはかります。

チーム全体が忙しくなってくると、コミュニケーション不足も出てきます。
問題の共有化、有用な情報伝達などをメールやイントラネットのシステムを利用できる場合は、それらも駆使して、チーム一丸!という雰囲気作りが大切です。

しかし! この時期に最も大切なのは、実は精神的な「ゆとり」です。
肉体的には、全国を飛び回っていて多忙を極めると思いますが、精神的な「ゆとり」は忘れないようにしましょう。

どんな困難に出会っても「笑顔」や「笑い声」が絶えないチームというものがあるものです。
そんなチームこそ、最も過激なスケジュールをこなし、最も困難な目標を達成します。


そうは言っても、とにかくモニタリング訪問を頻回に行い、プロトコル逸脱防止、症例登録促進、CRFの回収、と目の回るような忙しさを覚悟しておきましょう。(なんだか、このあたり矛盾していますが・・・)


こうなると、一番心配なのは、自分の体調です

体調管理ができるのも優秀なモニターの条件です

休める時は休む。ガンガン飛ばすときは飛ばす。 これまた「緊張」と「弛緩」のバランスの問題ですね。


■治験の終盤

最後の患者さんの最終観察日が終わる日(これをLast Patient Out、略してLPOとも言います。これまた大きなマイルストーンになります。)が見えてきたら、そろそろCRFの全固定を目指す作業を完了させましょう。

会社によってはLPOから3ヶ月以内に「総括報告書」を仕上げるというルールのある会社もあります。

スケジュール管理をしっかりと行い、無駄の無い訪問を心がけます。

また、CRF或いはDCF(Data Clarification Form。CRFとは別に治験データを変更してもらう専門の用紙)に記載してもらうべきコメント、データを間違わないようにしましょう。

SDVをして、問題となった点をチーム内で共有化して、同一の対応をとるようにします。

治験によっては「症例検討会」や「キーオープン」などのイベントもあり、最後の追い込みだ〜〜〜という雰囲気がチーム全体を覆います。

そんな時でも、冷静にデータのチェックができるように心がけましょう。
また、疲労が蓄積してくる頃でもありますので、休養や睡眠には十分、注意を払ってください。

総括報告書が完成したら、ひと段落です。 お疲れ様でした!



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