【モニター用】

1)モニターの仕事とは 2)最初に覚えること 3)実践での注意 4)自習の仕方


4)自習の仕方


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(2)モニタリング活動実践能力アップ方法
(2)−3)IRB申請

ここでも「1)モニターの仕事とは」の「治験の開始時」、「1)の(3)治験責任医師の調査」、「2.治験の依頼時」も参考にしてください。


@責任医師が被験者にわかり易い説明同意文書を作成することに協力している

A施設の依頼申請手順(提出資料・部数・期日・その他)を十分理解し、的確に調整対処して、可能な限り早い時期のIRB審査を受けられるようにしている

B医療機関内の治験実施体制を確認して、申請前に関連部署(臨床検査部・会計・診療科長・等々)にも十分な説明をしている

C必要に応じて、事前ヒアリングなどへの円滑な対応を行っている

D必要に応じて、施設でのSMO・CRCの業務内容を把握し連携して業務を遂行している


外資系では、よくファーストペーシェントイン(FPI):一番最初の患者さんの登録の時期が、重要なマイルストーンになっていることがあります。
たとえば、「この治験におけるFPIは2004年の5月だ」というように。
そんな目標を立てられている治験チームは、一丸となって目標を達成するよう作戦を練ります。
その時に重要なのが上のA、BとCです。
■FPIを計画通りに達成する

チームで治験を依頼する施設の一覧を作っていると思います。そこから最も早い時期にIRBがある施設を2施設(1施設がこけた時用のためにバックアップとして2施設にします)選び、そこにチームは全力をあげて「治験の依頼から契約、そして最初の患者さんの登録」までをサポートします。

1)まず、Bにあるように関連部署に徹底的に根回しをします。どれだけ、この治験に力を入れているかを知ってもらいましょう。 そのためには、部長クラスを連れていくのもいいでしょう。

2)もちろん、申請用資料は間違いが無いように作ります。資料の訂正のためにIRBへの申請が遅れたとなっては泣くに泣けません。

3)次にCにあるように、事前ヒアリングのために、徹底的に事前に予想される質問、疑問点に答えられるようにします。リハーサルをしたり、説明用の資料整えたりしておきます。また、その施設ではどのようなヒアリングが行われるかという情報入手にも努めます。IRBに対しても同様です。

4)IRB申請の前からCRCや医師には、カルテ上で治験に参加できそうな患者さんをスクリーニングしておいてもらいます。

5)契約が済んだら、速やかに治験薬を搬入し、患者さんの登録を待ちます。

場合によっては、2症例目が遅くなってもいい位の覚悟でこの2つの施設に全力を注ぎ、FPIを目標通りに達成できるようにしましょう。
@責任医師が被験者にわかり易い説明同意文書を作成することに協力している

GCP上では説明同意文書は責任医師が作成することになっていますが、基本骨格は治験依頼者で準備します。
特に注意したいのは、見やすい、理解しやすいように治験の説明を図解やフローチャート化しているかです。
患者さんはCRCや医師から、この説明文書を使って説明されるわけですが、自分でいったん家に持ち帰り、考えることが多いでしょう。
そのときに、少しでも分かりにくい個所があると、「治験内容」とは関係なく、治験に参加する意志を失う可能性が高くなります。

あなたがDVDを買うとします。パンフレットを持ち帰り、いろんな機種を比較する時に、いろんな知識があるなら別として、最も見やすく、分かりやすいパンフレットの機種を買うと思いませんか?

細かい文字で紙いっぱいにびっしりと書かれた説明文書よりも、イラストや図で説明する心配りが大切です。

また、必要に応じてビデオ、DVDなどで解説するのもいいでしょう。


■「補償」については、治験の説明文書とは別に作り、十分に理解してから治験参加に同意してもらうようにします。「あとで聞いてなかった」というようなことがないようにしましょう。



【おまけ】

昔、ある講習会に参加したときのことです。某有名大学の治験事務局の人が「分かりやすい同意説明文書とは?」について発表していました。その時にあげていた事例です。
ある製薬会社の説明文書がなんの説明も無しに「二重盲検試験」等という言葉を使い、とても分かりにくいので、もっと一般の人が読んでも分かりやすいようにしてくださいと指示を出したそうです。
そしたら、その製薬会社のモニターが次に持ってきた説明文書には、「二重盲検試験」の上に「にじゅうもうけんしけん」とルビだけふってもってきたということです。


【おまけ・2】

たしかに一般の方には読みにくい漢字や言葉が同意説明文章には出てきます。(例:そう痒感)
その漢字にルビを振るのも大切ですが、「薬」に「くすり」とまでルビを振ることは無いと思います。
つい、最近、見たもので・・・・・・。
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