【モニター用】
1)モニターの仕事とは | 2)最初に覚えること | 3)実践での注意 | 4)自習の仕方 |
1)モニターの仕事とは |
10.モニタリング報告書の作成 |
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今更、モニタリング報告書の重要性については、どれだけ言っても、言い尽くせるものではない。 治験中のあらゆることが、全てのことが、このモニタリング報告書によって記録、報告されてないといけない。 しかし、MRの日報とは趣が全然違います。 お願いですから「医局前で2時間粘ったが、医師に会えなかった」とか「今度の医局説明会ではサンドイッチを出して欲しいという要望があった」なんてことを、臆面も無く書かないでくださいね。 「治験に係わること」を簡潔に、しかし、重要なことは漏れなく記載するようにしましょう。 最近では、モニタリング報告書をPCから入力するシステムが導入されている会社が多いと思います。 これらのシステムの特徴はチェックボックス形式になっており、入力の手間が省けることです。 それはそれでいいのですが、弊害もあります。 「プロトコル逸脱あり」にチェックがあるのに、どんな逸脱なのか記載がないモニタリング報告書が増えたりします。 特記事項など、フリーで記入できるボックスが有るはずですので、そちらに記入してください。 また、それでも不足の場合は、別添ということで、ワードに打って一緒に保管してもいいでしょう。 とにかく、「システム」に振り回されることが無いようにしましょう。 |
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1)特に記載に注意を要すること | ||
■プロトコール違反、逸脱等を発見した場合は、再発防止に努めます。 そして、そのことを必ず、モニタリング報告書に記載します。 「記録に無いことはやってないと同じです。」 ■提出した資料、入手した資料を忘れずに記録します。 治験薬概要書や説明同意文書等、治験中に改訂が行われる資料については、常に最新のものを医師や医療機関に提供します。 提供したら、その記録を残します。 医療機関は「邪魔になるから」と言って、最新版の資料が来ると、古い資料を捨てることもあります。 そんな時でも、モニタリング報告書に提出した記録があれば、ほとんど問題にされません。 |
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2)こんなことまで記録するの? | ||
例えば医師に「十分、説明同意文書を使って患者さんに説明をするよう医師とCRCに説明した」なんていうことは、当然すぎて、モニタリング報告書に記載するまでもないと思う人もいるでしょう。 ところがどっこい、絶対に記載しておきましょう! 治験中には何が起こるか分かりません。 もし、仮に機構の実地調査で「医師が同意を取らずに治験に患者を登録したフシが見られる」と指摘したとします。 そんな時でも、上記のような記録を残してあったら「少なくとも、治験依頼者としての責務は果たしている」と見てくれます。 もちろん、それがあったからと言って、同意を取らずに患者さんを治験に参加させることは許せない行為ですが、治験依頼者側として、どこまでちゃんと医師に、そのあたりを説明していたのかという観点で調査されます。 そんな時に、上記の一言がモニタリング報告書に有ったおかげで救われた実例を僕は体験しています。 GCP上、治験依頼者が行うべき責務については、どんなことでも、きちんとモニタリング報告書に記載しましょう。 もちろん、医局で話したことだけでなく、廊下での立ち話でも、電話での話でも、喫茶店での話でも、GCPや治験に絡む話は、もらさずモニタリング報告書に記載します。
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3)忙しくてモニタリング報告書が書けない | ||
モニターが忙しすぎて「モニタリング報告書」を書く暇が無いなんていう会社があります。 そんな会社の部長は一度、僕の前に連れてきてください。 スリッパで後頭部を叩いてあげます。 モニターに「モニタリング報告書」を書く以上に重要な仕事はありません。 モニターも朝、会社に来たら、まずはモニタリング報告書を書き、書き終わるまでは、他の仕事に手をつけない、メールも読まないくらいで、十分です。 中には、モニターの出張経費の清算に、必ずモニタリング報告書をつけさせている会社もあります。(CROには多いですね。治験依頼者に経費の内容をチェックされることがあるからですが。) モニタリング報告書は皆さんが思っている100倍は、機構等に対して「証拠能力」があります。 |
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■モニタリング報告書の作成要領とチェック方法 | ||
モニタリング報告書は第三者に読んでもらった時に、その時のことが再現できるように書きましょう。 5W1Hを忘れずに、簡潔に書きます。 自分が以前書いたモニタリング報告書と矛盾していなかも確認しましょう。 また、モニタリング報告書に記載するのが相応しくないと思われることは、別に報告書を書いて提出します。 モニタリング報告書をチェックする人は、まずは、その1枚のモニタリング報告書内で矛盾が無いか、記載不足が無いかをチェックします。 次に、一連の流れの中で、モニタリング報告書間で矛盾が無いかを確認します。 |
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