【モニター用】

1)モニターの仕事とは 2)最初に覚えること 3)実践での注意 4)自習の仕方


1)モニターの仕事とは


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6.治験中のモニタリング

治験中はとにかく、プロトコール違反を発生させないように注意します。

被験者登録をあせるあまりに、登録基準をないがしろにして登録数をかせいでも、あとになって、全てデータとして不採用となっては、全ての努力が水の泡ですし、患者さんにも迷惑です。

一人一人の患者さんを大切にして、せっかく治験に参加してくださった患者さんのデータがふいにならないよう、モニターは最新の注意をしながらモニタリングしましょう。

特に検査や投薬日のずれが発生しやすいので、このあたりのことはCRCへ協力を仰ぎ、患者さんの来院予定日を電話で患者さんに連絡してもらうようお願いします。
1)口頭によるモニタリング

SDVをするのに事前に申し込みが必要だったり、えらく高い費用を払う必要がある医療機関もある。
そんな時でも、SDVなしで必ず治験に参加している患者さんの様子をモニタリングする必要があります。

どうするか?

医師に口頭で質問してSDV代わりにしましょう。

質問する事項は次の3点です。

1)プロトコール通りに治験を行っているかどうか。

2)効果が出ているかどうか。

3)有害事象が発生していないか。

2)薬剤部への訪問

薬剤部にもたまには顔を出しましょう。と言ってもなにも挨拶だけしに行くわけではありません。

治験薬の管理簿を見せてもらましょう。できたら、コピーもとってきます。
そして、登録されている患者さんに間違いなく正しい治験薬が処方されていることを確認します。
特に同じ病院で「ダブルブラインド」と「オープン」試験等複数の試験が走っているときは、間違った処方が出る可能性もあるので、要注意です。

また管理簿上の数量と医師から得ている情報(或いはSDVで得た情報)と、実際に処方された数量が一致していることを確認するようにすると、投与ミスの発見に繋がります。
3)CRF作成への布石を打つ

治験中のモニタリングの三大目標は次のとおりです。

(1)被験者の登録促進
(2)プロトコール逸脱防止
(3)症例報告書(CRF)の作成要請

被験者の登録促進をしながら、一方で既に治験を開始している患者さんのCRF作成を要請するのは、難しいことです。
しかし、あとになればなるほど記憶も薄れ、ためればためるほどCRFの記載も面倒になります。
この点をうまく説得材料にして、CRFの作成を常々医師に伝えておきましょう。

もちろん、CRCにも同様にします。

例えば4例の契約例数でしたら、半分の2例でまずは書いてもらいましょう。と治験の最初の頃からさりげなく医師に言っておくと少しは効き目があります。

本当は記載項目が少ない(コメントを記載する欄が少ない)チェック方式のCRFをデザインしてもらうのが一番かもしれません。

プロトコールやCRF作成の段階からモニターも積極的に参加して、医師(CRC)が記載しやすい、間違いにくいCRFになるよう働きかけることが、今後、ますます重要になってくるでしょう。

■その他

▼他社の競合品の治験も担当している医師がいたら、ライバルの治験状況も(可能なら)聞き出しましょう。
どの程度、治験は進行しているのか、有効性、安全性はどうか、どこに特徴があるのか、自社の治験薬と比べたら総合的にどちらがいいか、、、など等。

もちろん、自社の情報が他社にも伝わっていることは間違い無いと思っていたほうがいいでしょう。

その上で、自社が優位にたって治験を進め、他社よりも一日でも早く申請できる戦略を練りましょう。


▼説明会を開催してから時間が経過している場合は再度、プロトコル等の説明が必要でです。治験分担医師及び治験協力者には、特に念入りに説明しておく必要。治験概要等重要な項目はポケットサイズのシ-トにして治験責任医師等が持ち歩けるあるいは外来に置けるようにしておくとよいでしょう。

▼同種薬剤の治験実施方法との相違点については、特に強調しておく。 他社の治験と勘違いされることがあります。

▼モニタリング方法については、SOPに基づき実施できるように打ち合わせておきましょう。特に原資料の直接閲覧については予め十分打ち合わせておくとよいでしょう。


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