抗うつ薬の臨床評価方法に関するガイドライン

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睡眠薬の臨床評価方法に関するガイドライン





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抗うつ薬の臨床評価方法に関するガイドライン
「抗うつ薬の臨床評価方法に関するガイドライン」について
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http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/guideline/new_drug/kou-utsuyaku-guideline.pdf

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人間、歳をとると「病気自慢」が始まる。

近所のクリニックに行くと初老あたりから上の人らしき人たちが、しきりに「自分は糖尿病でもう3年も薬を飲んでいるんですよ。」「へ〜〜そうですか。私は高血圧でね、毎日薬を5種類も飲むんで、つい1つや2つ飲み忘れて、最後には何故か、いつも黄色とか青の薬だけが1錠残るんですよ」的な話に花を咲かせている。

そういうことなので、僕も病気自慢から始めると(不謹慎だけど)、もう「うつ病」に関してはベテランです。

ちなみに今から10数年前、新GCPが導入され、日本で初めて一般新聞紙に「治験の広告(本当は厳密に言うと「広告」ではないんですが)」が載りました。

その時、木の実ナナさんの写真が「私、バリバリの鬱です」というキャッチコピーとともに新聞一面に出ました。

当時、衝撃的でした。

そうか、新聞で治験の被験者を集める時代が来たんだ、と。

ちなみに、さっきのキャッチーコピー「バリバリの鬱」は精神科の臨床医に怒られたそうです。

「うつ病をバリバリとはなんだ!」と。(あくまでも噂ですが。)

まぁ、そんなこんなでこの「バリバリの鬱」の抗うつ薬の治験キャンペーンから、1、2年間は毎週のように新聞一面を使った治験広告(被験者募集)が流行しましたが、もう、すっかり見なくなりましたね。

当時、僕はその毎週のように掲載された治験広告の写真を撮って、「医薬品ができるまで」のサイトで「広告コンクール」をやりました。

面白かったなぁ。(不謹慎かもしれませんが。)


で、僕の病気自慢ですが(不謹慎)、27歳の初発から今まで30年近く、うつ病に悩まされています。

ここ10年ぐらいはうつ病の他に不眠症も入っています。


病気というものは何でもそうですが、本人は辛いものです。

中でも「自覚症状」のある病気は辛い。

僕は高血圧と脂質異常症も患っていますが、この2つは自覚症状が無いので、なんか、薬を毎日飲まなくてもいいよなぁ、とつい思ってしまいますが、抗うつ薬のほうは、もう絶対に、飲み忘れないぞ!と気合を入れて飲んでいます。

僕の場合、(さらに病気自慢は続く)冬になると特にうつ病が悪化します。

症状的には「抑うつ感」と「高度な倦怠感」が出ていますが、「自殺企図」は全くありません。

朝、起きた時に、この抑うつ感と倦怠感でベッドから出られないこともしばしば。

そんな時、僕は自分の体を持て余します。

治療としてはアモキサンとトリプタノールの2種類の抗うつ薬とマイスリーとロヒプノールの2種類の睡眠薬を飲んでいます。

さて、僕の病気自慢はここまでとし、抗うつ薬の臨床評価ガイドラインを見ていきましょう。

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うつ病は、抑うつ気分や不安・焦燥感等の気分・感情の障害を主症状として、意欲・行動の障害、さらには睡眠障害や食欲不振、疲労感等の身体症状を伴うことが多い精神疾患である。

基礎的及び臨床的研究の進歩により、うつ病の病因、病態は明らかにされつつあるが、未だに十分には解明されていない。

うつ病は全世界で普遍的にみられ、生涯有病率は10 %を超えると推定されている。

また、すべての患者の半数は20〜50歳の間に発病しているとも推定されるが、小児や高齢者でもみられる。

うつ病の経過は、うつ病相が一生のうち一度だけ出現するものから反復性のものまで様々であり、治療により十分な改善が得られず長期にわたり抑うつ症状が持続することもある。

このため、患者のみでなく家族に対しても、精神的ならびに社会的な負担、そして経済的損失は大きく、その対処は重要である。

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ストレスが多い時代になったせいか、うつ病の患者は増えているというデータを見たことがあります。

ある時点ではだいたい50人から35人に1人、生涯の間には15人から7人に1人がうつ病にかかると考えられているようです。




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うつ病の治療目標は、抑うつ症状の改善により精神的、社会的な生活の質の向上を図ることである。

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まずは、患者のQOLの向上ですね。

重度なうつ病の場合は自殺の予防となると思います。

●効力を裏付けるための試験
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1. 効力を裏付けるための試験

(1) in vitro 試験

各種神経伝達物質(ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、ドパミン、ヒスタミン等)の受容体等に対する作用を検討する。

また、各種神経伝達物質のトランスポーターへの結合阻害作用や取り込み阻害作用等についても検討する。

さらに、治験薬の特性に応じた薬理作用についても検討が必要な場合がある。


(2) 動物モデルを用いた試験

薬効を裏付ける動物モデルを用いた試験には、強制水泳試験、尾懸垂試験、学習性無力試験、嗅覚摘出モデルによる試験、慢性緩和ストレスモデルによる試験、Novelty-suppressed feeding試験、依存性薬物退薬モデルによる試験等がある。


(3) 代謝物の薬理作用についても検討し、それを加えた臨床用量の推定等を行う。

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うつ病は自覚症状がメインですが、他覚所見として運動の低下や集中力の低下、表情の欠乏があります。

でも、基本、自覚症状なので、動物実験では難しいでしょうね。

そもそも、今、使われている抗うつ薬も、何故、うつ病に効果があるのか、本当のところは分かっていないんですよね。

という事は、要は、うつ病の原因もまだ確かなことは言えないということです。

ウィキペデアによれば・・・・・

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うつ病の発病メカニズムは未だ不明である。

うつ病の原因は単一のメカニズムで説明されるとは限らず、複数の病態からなる症候群である可能性もある。

現在までに、うつ病の発病メカニズムを説明するために、複数の、生物学的あるいは心理学的な仮説が提唱されている。


●生物学的仮説

生物学的仮説としては、薬物の有効性から考え出されたモノアミン仮説、死後脳の解剖結果に基づく仮説、低コレステロールがうつおよび自殺のリスクを高めるとの調査結果、MRIなどの画像診断所見に基づく仮説などがあり、2013年現在も活発に研究が行われている。

モノアミン仮説のうち、近年はSSRIとよばれるセロトニンの代謝に関係した薬物の売り上げ増加に伴い、セロトニン仮説がよく語られる。

また、海馬の神経損傷も論じられている。

しかしながら、臨床的治療場面を大きく変えるほどの影響力のある生物学的な基礎研究はなく、決定的な結論は得られていない。

臨床現場では抗うつ薬を投与することでセロトニン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質の働きを促す治療が行われているが、あくまで対症療法的なものであり、成因の解明は新たな治療薬の開発に役立つことが期待されている。


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さて、臨床試験です。


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1. 抗うつ薬の臨床試験のデザインに関する基本的考え方

抗うつ薬の開発においては、プラセボを含まない又は治験薬の複数用量が用いられない実薬対照非劣性試験(又は同等性試験)により治験薬の有効用量を検討し有効性を検証することには限界があり、抗うつ薬の有効性の検討には、プラセボ対照二重盲検比較試験が必要である。

これは、うつ病患者を対象とした臨床試験では、プラセボに対する反応性が高く、また一定しないことから、内部妥当性を示す指標が存在しない実薬対照非劣性試験(又は同等性試験)においては、無効同等の可能性が排除できないためである。

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自覚症状なので「プラセボに対する反応性が高い」ですね。

とは、言え、プラセボを使った治験にも注意が必要です。
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薬剤開発では、よく計画され適切に実施された臨床試験により、有効性を検証し安全性が示される必要がある。

しかし、急性期のうつ病患者にプラセボを長期間投与することは倫理的に問題であるため、臨床試験は投与期間を限定して行い、試験期間中に病状が悪化した場合の方策については、計画段階で検討しておくことが必要である。

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急性期のうつ病では、下手すると自殺する可能性がありますからね。



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一般的に、抗うつ薬の探索的試験及び検証的試験の投与期間は6〜8週間と設定される。

投与期間は、安全性評価の観点からは6週間以上と設定することが適切と考えられ、また有効性評価の観点からは8週間を超える期間を設定する場合には臨床的意義を考慮する必要があり、臨床試験の目的に応じて合理的な理由に基づき設定する必要がある。

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最近の薬は分かりませんが、従来から抗うつ薬は効果が出るまで時間がかかると言われています。

効果が出るのに2週間(場合のよっては4週間以上も)かかるなんてこともあり、その間に副作用(口喝等)だけがでて、患者が薬を途中で辞めるという場合も多いようです。


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臨床試験では、薬効評価に適した患者集団を対象とすることが重要である。

臨床試験の目的に応じて選択基準及び除外基準を適切に設定し、計画段階からプラセボ反応性が高い患者集団を除外する方策について検討することも1つの方法である。

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「プラセボ反応性が高い患者集団を除外する」って、どうするんだろう?

う〜〜ん。


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2. 対象集団

(1) 選択基準及び除外基準の設定

臨床試験においては、有効性及び安全性評価に適した均質な集団を選択できるように、国際的に普及した診断基準を用いて選択基準を設定する必要があり、症状評価尺度のみで規定することは避けるべきである。

現時点での診断基準としてはDSM-IV-TRの使用が推奨される。

臨床試験における対象の重症度は、選択基準において適切な症状評価尺度のカットオフ値により設定される。

被験者集団の重症度の分布は有効性評価に影響を及ぼす。

薬効評価の観点からは、中等度以上の被験者集団を対象として臨床試験を行うことが一般的であり、必ずしも軽度のうつ病患者を含める必要はない。

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なるほど、臨床試験では「中等度以上」のうつ病患者を対象とするんですね。




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双極性障害のうつ病エピソードは、単極性のうつ病と疾患特性が異なるために、うつ病を対象とした臨床試験においては除外すべきである。

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「双極性障害」というのは、いわゆる「躁うつ病」です。

僕もたしょう、そのけがあり、時々、発作的に本や植物を大量に購入することがあり、これは一種の「躁病」なのかな、と勝手に思っています。



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臨床試験中の自殺の危険性については特別な配慮が必要である。

臨床試験の除外基準では、症状評価尺度等により具体的に規定し自殺の危険性が高い患者の組入れを避けるべきである。

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やはりそうですね。

自殺の危険性がある患者は治験に参加させないぐらいの配慮が必要、と。
 

●抗うつ薬の評価方法
自覚症状を評価項目にする治験は、どのようにして、その自覚症状を評価するか、というのが難しいんですよね。

うつ病の治験では次のようにやるようです。
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有効性評価は、ベースライン及び治験薬投与開始後の抑うつ症状について、症状評価尺度を用いて経時的に行う必要がある。

主要な有効性評価は、信頼性及び妥当性が検討され国際的に普及した症状評価尺度を用いることが必要であり、評点基準が明確に設定されているハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D: Hamilton Depression Rating Scale)1)又はMADRS(Montgomery- Asberg Depression Rating Scale)の使用が推奨される。

主要評価項目として、最終評価時における症状評価尺度の合計スコアのベースラインからの変化量を検討する必要がある。

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「ハミルトンうつ病評価尺度」

世界的によく用いられている「うつ病の評価尺度」です。

17の項目の質問に回答します。

各項目に、0点から4点又は0点から2点の評価数字があります。

この評価尺度は、もともと、医療者が患者の病状の変化を評価するために利用するそうですが、7点以下であれば寛解した(治った)とされています。

たとえば、あなたは、次の5項目のうち、どれに対応しますか?

(1)自分は生きるだけの価値が無いとまでは思わない。

(2)生きるだけの価値が無いと思う。

(3)死を願う、または考える。

(4)希死念慮がある、または自殺の意思表示を行う。

(5)自殺企図がある

このような質問があります。

詳細は「ハミルトンうつ病評価尺度」で検索してみてください。



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副次評価項目として、主要な有効性評価に用いた症状評価尺度の経時的な合計スコアの推移に加え、反応率、寛解率、CGI(Clinical Global Impression)等を含めることが推奨される。

通常、反応率は、症状評価尺度の合計スコアがベースラインから50 %以上減?した被験者の割合と定義される。

また、寛解率はうつ病の重症度が軽度に至った被験者の割合であり、試験計画ごとに症状評価尺度の合計スコアのカットオフ値が設定される。

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副次的評価項目も重要ですよ、と。


ところで、「評価者」の問題があります。
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症状評価の訓練方法については、統一した評価が行うことができ、評価者間のばらつきを最小限とするための方法を、十分に検討する必要がある。

特に、国際共同治験においては実施地域により評価方法が異なることがないよう配慮する必要がある。

また、臨床試験の開始前には評価者の適格性についても評価することが必要である。

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●抗うつ薬の治験における注意すべき有害事象
抗うつ薬の治験で、注意すべき有害事象は何でしょう?
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うつ病治療において注目すべき有害事象としては、以下のようなものがある。

また、これらの事象については、各情報を積極的に収集するためにも標準化された評価尺度がある場合には使用することが望ましい。

(1) 精神障害及び神経系障害に関連する有害事象

精神障害に関連する有害事象は、対象疾患との関連についても注意して評価する必要がある。

特に、自殺に関連する有害事象、抗うつ薬の投与中に発現することもある不安、焦燥感や衝動性については、特別な配慮が必要である。

神経系障害に関連する有害事象(傾眠や鎮静等)については、製造販売後における実臨床で患者のQOLや社会的機能に影響する事象であるため、十分に評価する必要がある。



(2) 治験薬の中止に関連した有害事象及び依存性

治験薬の中止に関連した有害事象(離脱症候群等)と依存性については、評価自体の困難性を考慮して、盲検化された臨床試験において後観察期を設定した上で評価する必要がある。

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抗うつ薬って、不安に対する効果があるのですが、真逆的に「不安」という副作用があるんですよね。

それと、向精神薬の特徴として、「離脱症候群」があげられます。(いわゆる、薬がキレた場合のこと。)

一般的に向精神薬をやめるときは、いっきにやめるのではなく、徐々にやめる、という方法がとられます。

治験でも同様ですね。
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臨床試験の投薬期間の終了時に漸減期を設定する場合には、これまでの臨床試験の成績等をもとに適切な根拠により漸減方法を設定し、その妥当性を評価することが必要である。

また、新たな作用機序を有し中止に関連した有害事象の発現が不明確の場合にも、漸減期の必要性について臨床試験により評価する必要がある。

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薬物依存の確認も検討します。
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依存性が懸念される薬剤については、その発現時期の特定が困難であることも考慮して、長期投与試験においても評価する必要がある。

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●小児に対する抗うつ薬の治験は要注意!
さて、抗うつ薬の場合、小児に対するやっかいな問題があります。
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小児のうつ病を対象とした臨床試験実施における安全管理については、特別な配慮が必要である。

これは、海外で実施されたプラセボ対照試験の結果から、抗うつ薬の投与時には、小児集団で自殺の危険性が高くなる可能性が報告されているためである。

したがって、親権者(法的保護者)に対して、うつ病の特性と自殺の危険性について十分に説明することが必要である。

また、親権者が患児の自殺の危険性を観察出来るような調査票を作成し、各観察時期に調査を実施することが推奨される。

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うつ病で自殺するのを防ぐための抗うつ薬なのに、逆に小児の場合、自殺が増える(可能性がある)、という問題です。

「パキシル 自殺」で検索してみてください。



さて、先日、抗うつ薬は副作用が先に出て、効果があとになって出てくると話しましたが、その副作用が大きく出ないように一般の臨床では「漸増法」(徐々に薬を増やす)が用いられますが、実際の治験の場合でも同じことが言えます。
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固定用量並行群間比較法ではなく任意漸増法もしくは強制漸増法により実施される場合もあるが、当該方法を選択する場合は適切な根拠が必要となる。

任意漸増法もしくは強制漸増法により実施する場合には、以下の点に注意すべきである。

用量調整の方法は、症状評価尺度や有害事象の発現状況等により具体的に規定すべきである。

また、特定の用量の評価を行う場合には一定期間以上の投与が必要となるが、異なる最終投与量間での有効性及び安全性の比較は困難であることに留意すべきである。

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さらに、私自身の例を見ても分かるとおり、うつ病は長期化します。

そのために、治験でも長期投与試験が検討されます。
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4. 長期投与試験

(1) 目的

うつ病は長期治療が一般的であるため、長期の有効性や安全性を検討するために長期投与試験を実施することが目的である。


(2) 試験計画に関する留意点

探索的試験及び検証的試験の投与期間は比較的短期であり、長期における有効性及び安全性を十分に検討することができないため、原則として、1 年間以上の長期投与試験を実施すべきである。

対象被験者数は、治験薬の特性、一定の発現率の有害事象を発見する確率及び試験の実施可能性を考慮して設定されるべきであるが、原則として、1年間以上観察できた症例が100 例以上は必要である。国際共同治験として実施する場合は、治験薬の特性を考慮して、日本人の対象被験者数を合理的に計画する必要がある。


長期投与試験の安全性評価は、各有害事象の発現時期、重症度そして持続期間等について、試験終了後に解析が可能となるように実施する必要がある。

また、有効性は、探索的試験及び検証的試験での主要評価項目で使用された指標(HAM-D又はMADRS等)を用いて評価することが適切である。

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画期的な抗うつ薬が出てくることを心底、願います。
 

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