睡眠薬の臨床評価方法に関するガイドライン

治験担当モニターに必要な知識
睡眠薬の臨床評価方法に関するガイドライン





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●睡眠薬の臨床評価方法に関するガイドライン
今週は下記の2つのガイドラインを見ていきます。


●「睡眠薬の臨床評価方法に関するガイドライン」
    ↓
http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/guideline/new_drug/suiminyaku-guideline.pdf

  

●「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」
    ↓
http://www.jssr.jp/data/pdf/suiminyaku-guideline.pdf



なんと言うか僕は睡眠障害がひどくて、睡眠薬のユーザーです。

僕の場合、うつ病による睡眠障害なのですが、今、2種類の睡眠薬を使っています。

なので(あまり関係ないですが)、今週は睡眠薬の臨床評価方法と診療ガイドラインを見ていきます。


まずは臨床評価ガイドラインから。


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●非臨床試験

1. 効力を裏付ける試験

(1) in vitro 試験

各種神経伝達物質(γ-アミノ酪酸(GABA)、セロトニン、ヒスタミン、メラトニン、オレキシン等)の受容体等に対する作用を検討する。

また、各種神経伝達物質のトランスポーターへの結合阻害作用や再取り込み阻害作用について検討する。

さらに、治験薬の特性に応じた薬理作用についても検討する場合がある。



(2) 動物を用いた試験

薬効を裏付ける動物を用いた試験では、ポリソムノグラフィ等により睡眠誘発及び睡眠 覚醒パターンに対する作用を検討する。

また、適切な動物モデルが存在する場合には、これを用いた試験が行われることもある。



(3) 代謝物の薬理作用についても検討し、それを加味した臨床用量の推定等を行う。

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上記にGABA(ガンマーアミノ酪酸)がありますね。

話は飛躍しますが、GABAって、「脳ー血液関門」を通過しないので、GABAを経口で摂取しても無駄なんですよね。

でも、GABA入りをうたい文句にしている健康食品って多いです。



上記にはさらに「メラトニン」というものがあります。

メラトニンは動物、植物、微生物で見られる天然の化合物で、動物ではホルモンの一つで脳の松果腺から分泌される。

メラトニンの血中濃度は1日のサイクルで変化しており、いくつかの生物学的機能に概日リズム(サーカディアンリズム)を持たせている。

ヒトでは、メラトニンの血中濃度は昼に低く夜に高く、睡眠と関連している。

日本では、薬事法により、一人につき二ヶ月分までの販売と制限されているが、含有量にバリエーションがあり、1回分の摂取量も各個人により異なる。


●メラトニン製剤の製造販売承認と発売

2010年(平成22年)4月16日、不眠症治療薬である薬剤一般名・ラメルテオン(武田薬品工業株式会社・商品名:ロゼレムR錠8mg)が、厚生労働省の製造販売承認を取得した。

適応は「不眠症における入眠困難の改善」であり、用法・用量は、成人に1回8mgを就寝前に投与となっており、2010年6月11日に薬価基準収載となった。

日本で研究・開発されたが、まずアメリカ合衆国のアメリカ食品医薬品局で承認・販売され、日本でも承認・販売されるようになったものであり、メラトニン受容体を刺激する日本発の睡眠剤である。

ラメルテオンは、アメリカ食品医薬品局が公開したデータの分析により、偽薬と比較してうつ病の危険性を2倍に高めることが見出されている。

体重増加の副作用も指摘されている。

・・・・とのことです。(Wikipediaより)







「睡眠薬の臨床評価方法に関するガイドライン」に戻ります。


●依存性については、非臨床試験においても検討することが必要である。

ですよね。

抗不安薬なども依存性を確認する必要があります。

臨床試験などでは「この薬をもっと飲みたいですか?」とか「この薬をもっと飲み続けたいですか?」「薬を止めてからイライラしますか?」等の質問を被験者にすることがあります。

これは依存性の有無を確認していることが多いです。




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●臨床評価方法

1. 睡眠薬の臨床試験デザインに関する基本的考え方

薬剤開発においては、臨床試験により治験薬の有効性及び安全性を検討し、治験薬の有効用量とその用量範囲を明確にする必要がある。

睡眠薬の開発においては、実薬対照非劣性試験(又は同等性試験)では無効同等の可能性が排除できないことから、本試験デザインを用いて治験薬の有効性を検証することには限界があり、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施し、有効性及び安全性を検討することが必要である。

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睡眠薬は素人考えでも「プラセボ効果」が高そう。



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睡眠薬の開発では、不眠の症状(入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒及び睡眠後の非回復感等)に対する有効性プロファイルが明確になるように臨床試験を計画し、治験薬の特性を評価することが必要である。

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僕は上記で言う「中途覚醒」がひどい。

短時間型と中間型の2種類の睡眠薬を服用していますが、2時間おきに「しっかり」と目が覚めてしまいます。(なんとかしてくれぃ〜〜!です。)

●睡眠薬の有効性評価方法について
「睡眠薬の臨床評価方法に関するガイドライン」より
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2. 対象集団

(1) 選択基準及び除外基準の設定

臨床試験においては、有効性及び安全性評価に適した均質な集団を選択できるように、国際的に普及した診断基準を用いて選択基準を明確に定義することが必要である。

現時点で推奨される診断基準は、DSM-IV-TR(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fourth Edition, Text Revision)である。

また、ICD-10(International Statistical Classification of Disease and Related Health Problems, Tenth Revision)、又はICSD-II(International Classification of Sleep Disorders, Second Edition)が用いられる場合もある。

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上記の『DSM-IV-TR』は「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」でも使われています。

興味のある方は検索してみてください。






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5. 有効性評価

不眠症では、不眠症状(入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、睡眠後の非回復感)及び翌日の心身機能の障害が認められる。

睡眠薬の開発では、これらの不眠症状及び翌日の心身機能の障害に対する治験薬の有効性プロファイルの評価が可能となるように、少なくとも以下の項目について評価することが必要である。


●入眠潜時(入眠困難に関する評価指標)

●中途覚醒時間及び中途覚醒回数(睡眠持続性の障害に関する評価指標)

●総睡眠時間

●睡眠の質及び睡眠後の回復感

●翌日の心身機能


臨床試験においては、治験薬の特性やその時点ですでに得られている臨床試験成績等から、入眠潜時、中途覚醒時間又は中途覚醒回数、もしくは総睡眠時間等の評価変数のいずれかを主要評価項目として合理的に設定することが必要である。


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僕が「へ〜〜!」と思ったのは上記の「翌日の心身機能」です。

確かに、翌日に睡眠作用が残ってしまったら、仕事に差し支えるし、機械や車の運転では事故も予想されますものね。

あと、「爽快感」とかも見るのかな? このあたりは実際に「睡眠薬」の開発をやったことがないので分かりません。






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入眠潜時、中途覚醒時間、中途覚醒回数及び総睡眠時間等の評価方法には、ポリソムノグラフィによる客観的評価方法及び睡眠調査票等による主観的評価方法がある。

これらの評価方法の留意点として、客観的評価方法は人工的な睡眠環境下での評価であり、必ずしも日常環境での状態ではないこと、主観的評価方法は睡眠段階や睡眠構造の評価が行えないこと、そして客観的評価方法及び主観的評価方法の結果は必ずしも相関しないこと等があげられる。

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上記の中に「客観的評価方法及び主観的評価方法の結果は必ずしも相関しない」という点はポイントですね。

客観的に「あなたは十分に眠っている」と言われても、自分が納得しないといけないですから。

でも、治験等で「主観的評価」を設定するのって、難しいですよね。

このあたりの難しさは僕も「更年期障害」の治療薬の開発を担当していたので、実感として分かります。


 

●不眠症治療において注目すべき有害事象
「睡眠薬の臨床評価方法に関するガイドライン」より
  ↓
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治験薬の睡眠構造に対する影響を検討することは、有効性評価のみでなく安全性評価の観点からも必要である。

臨床薬理試験又は探索的試験においては客観的評価方法での検討が必要となるが、日常の生活環境下における自覚的な改善効果を適切に評価することが重要であることから、検証的試験の主要評価項目は、主観的評価方法による評価変数を設定することが必要である。

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う〜〜む。睡眠薬の治験の「検証的試験の主要評価項目は、主観的評価方法による評価変数を設定すること」なのですね。

昨日も書きましたが主観的評価って、難しい。

下手な設定を行うとプラセボと同等とか負けることすらあります。




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(2) 主観的評価方法

主観的評価は、国際的に汎用されている睡眠調査票等を用いて、入眠潜時、中途覚醒時間、中途覚醒回数、総睡眠時間、睡眠の質及び睡眠後の回復感等の評価を行う。

通常、評価は被験者自身により行われるが、その場合には、適切な記録が可能となるよう、予め記載方法を十分に指導し、記載内容の正確性を期するための記録法を工夫する等の十分な対策が必要である。

またそれ以外にも、担当医師等による評価が行われる場合もあるが、予め十分な検討が必要である。

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自分が評価するにしろ、担当医師等が評価するにしろ「十分」な検討が必要であることが上記では強調されていますね。







睡眠薬の安全性の評価はどうでしょう?

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不眠症治療において注目すべき有害事象としては、以下のようなものがある。

また、これらの事象については、各情報を積極的に収集するためにも、標準化された評価尺度がある場合には使用することが望ましい。



(1) 神経系障害及び精神障害に関連する有害事象

神経系障害に関連する有害事象(傾眠や鎮静等)及び精神障害に関連する有害事象(過覚醒や脱抑制等)については、製造販売後における実臨床での患者の心身機能や社会的機能に影響する事象であるため評価することが必要である。

特に高齢者においては、神経系障害に関連する有害事象(傾眠や鎮静等)は、転倒や骨折等の原因となることもあるため、十分に評価することが必要である。





(2) 治験薬の中止に関連した有害事象及び依存性

治験薬の中止に関連した有害事象(離脱症候群等)及び依存性については、評価自体の困難性を考慮して、すべての臨床試験において後観察期を設定した上で評価することが必要である。

臨床試験の投薬期間の終了時には必ずしも漸減期を設定する必要はないが、漸減期を設定する場合は、これまでに実施された臨床試験の成績等をもとに、適切な漸減方法を設定し、その妥当性を評価することが必要である。

依存性については、その発現時期の特定が困難であることも考慮して、長期投与試験においても評価することが必要である。






(3) 認知機能への影響

安全性薬理試験及びこれまでに実施された臨床試験の成績等から治験薬が認知機能に影響を及ぼす可能性がある場合には、適切な神経心理学的検査を設定し、評価することが必要である。

高齢者については、適切な神経心理学的検査により認知機能への影響についてより積極的に評価することが必要である。





(4) 内分泌機能への影響

治験薬の特性に応じて、血液生化学検査での内分泌機能への影響も評価することが必要となることがある。


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上記に「離脱症候群」という言葉がありますね。

これは、向精神薬等に見られるもので、摂取を中止または減量した際に起きる特異的な症状で、例えば、不安や焦燥などがあります。

かつて禁断症状と呼ばれていたものもこの離脱症候群に含まれます。

これは僕も経験したことがありますが、けっこう、本人はきつい。


●睡眠薬の治験の「探索試験」と「検証的試験」について
今日も「睡眠薬の臨床評価方法に関するガイドライン」を見ます。

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1. 臨床薬理試験

(1) 目的

非臨床試験で得られた情報を元に、治験薬を初めてヒトに投与する臨床薬理試験が実施される。

臨床薬理試験は、治験薬をヒトに投与する際の安全な投与量を決定することを主な目的とする。

また、治験薬の薬物動態学的プロファイルの検討とともに、ポリソムノグラフィを用いた薬理学的検討も行うことが望ましい。

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上記に「ポリソムノグラフィ」という言葉がありますね。

Wikipediaによると「ポリソムノグラフィ」とは・・・・・・


睡眠時における脳波、呼吸、脚の運動、あごの運動、眼球運動(レム睡眠とノンレム睡眠)、心電図、酸素飽和度、胸壁の運動、腹壁の運動などを記録するもの、だそうです

睡眠時無呼吸症候群の診断等にも使われているようです。






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2. 探索的試験

試験計画に関する留意点

探索的試験により用量反応関係を検討する場合、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施することが通常であるが、クロスオーバー試験により実施される場合もある。

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クロスオーバー試験とは「2群の各被験者に被検薬と対象薬を時期を互いにずらして投与し、 それぞれの結果(反応)を集計し評価する試験方法」ですね。

「交差試験」とも呼ばれます。

A群とB群を設定し、第1クールではA群に試験薬、B群に対照薬を投与する。

次の第2クールではA群に対照薬、B群に試験薬を投与する。

このように順次入れ替えていく試験デザイン。

比較的症状の安定している慢性の疾患で、傾向変動が見られず、薬剤の効果が速やかに現れ、かつ治療中止後に患者が基準の状態にすぐに戻り、薬剤の治療効果が可逆的な場合に適していま。

必要な症例数が少なくなる利点があります。





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探索的試験における主要な有効性評価は、ポリソムノグラフィを用いた客観的評価方法により評価し、副次的に睡眠調査票等を用いた主観的評価方法を用いた評価を行うことが一般的である

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睡眠薬の探索試験では『客観的評価方法』がとられるのですね。

では、検証的試験ではどうでしょう?



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検証的試験は、通常は固定用量群を設定し、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施することが必要である。

検証的試験における主要な有効性評価は、通常は、睡眠調査票等を用いた主観的評価方法を用いて実施する。

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う〜〜む。検証的試験では『主観的評価法方法』がとられるのですね。

なるほどね。

2つの関門を潜り抜けないとダメなんだ。



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治験薬の臨床的位置付けを明確にするために、対照薬としてプラセボのほかに、現在の臨床で標準治療薬と位置付けられる睡眠薬を設定することが有用な場合もある。

この場合でも、治験薬の有効性について、プラセボに対する優越性を検証することが必要である。

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やっぱり「プラセボ効果」が大きいので、必ずプラセボに対する優越性を検証する必要があるとされていますね。




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不眠症治療において、睡眠薬は原則として必要な期間に限定して投与されることが望まれるため、睡眠薬の投与が必要な期間や有効性の持続性を検討するためには、短期(投与期間が2〜4週間)のプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を行うことが適切であるが、その他に、投与期間が4週間を超えるプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験もしくは無作為化治療中止試験を実施することにより有益な情報が得られる場合がある。

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上記に「無作為化治療中止試験」という言葉がありますね。

これは、「ランダム化治療中止試験」とも呼ばれ、一定期間被検薬を使用したのちに、ランダムに今度は被験薬群とプラセボ群に分けて、その症状を見る、というようなものです。

詳しくは「ランダム化治療中止試験」で検索してみてください。

●睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン
今日は「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」を見ます。
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厚生労働省?研究班の調査によれば、睡眠薬の処方率??は近年?、一貫して増加を続け、2009年?の日本の一般成人における3ヶ月処方率??(少なくとも3ヶ月に一回処方を受ける成人の割合)は4.8%に至っている。

すなわち、睡眠薬は日本の成人の20人に1人が服用している汎用薬である。

とりわけ50歳以上の中高年?層では、うつ病や生活習慣病などの?患率が増加するため?眠も高頻度?にみられるが、最も使用頻度?の高いベンゾジアゼピン系睡眠薬のリスク・ベネフィット?比が不?良?であることがメタ解析等で明らかにされている。

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う〜〜む、上記の『50歳以上の中高年?層では、うつ病や生活習慣病などの?患率が増加するため?眠も高頻度?にみられる』とありますが、僕はまさしくこれに該当します。

20人に1人か・・・・・・これからもきっと増えることでしょう。



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?眠症の?一般診断基準(睡眠障害国際分類第?二版ICSD?II)

A. 入眠困難、睡眠維持困難(中途覚醒)、早朝覚醒、慢性的に?非回復?性または睡眠の質の悪さの訴えがある

?小児では睡眠困難がしばしば養育者から報告され、就寝時のぐずりや1?人で眠れないなどのこともある

B. 上記の睡眠困難は、睡眠にとり適切?な状況、環境にかかわらずしばしば生ずる

C. 患者は夜間睡眠困難と関連した日中機能障害を以下の少なくとも1つの形で報告する

1)疲労感、快感

2)注意、集中、記憶の低下

3)日中の眠気

4)社会的、職業的機能低下、または学業低下

5)気分の障害またはいらいら感

6)動機づけ(モチベーション)、活動性、積極性の減弱

7)仕事のミスや運転中の事故のおこしやすさ

8)睡眠不足による緊張、頭痛、胃消化器症状

9)睡眠についての?心配、悩み など

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え〜〜と、僕の場合は上記の『睡眠維持困難(中途覚醒)』で『3)日中の眠気』と『5)気分の障害またはいらいら感』と『6)動機づけ(モチベーション)、活動性、積極性の減弱』、『9)睡眠についての?心配、悩み』です。




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1. 不?眠治療?の基本的な考え方

現在の?眠症治療の主流は睡眠薬を用いた薬物?法である。

しかし、現在のの薬物療法はエフェクトサイズおよび安全性の両面で改善の余地があり、薬物?法単独では十分に満足できる長期予後とアドヒアランスが得られないケースも多いことに留?意する必要がある。

過去の疫学調査によれば、1ヶ月以上持続する慢性?眠症に陥ると、その後も遷延しやすく、きわめて難治性であることが明らかにされている。

慢性不眠症患者の70%では1年後も不眠が持続し、約半数では3〜20年後も眠が持続する。

また、慢性眠症患者の約半数は薬物法などで一旦寛解しても、さらにその半数は再発する。

一般的に、慢性・難治性疾患の治療では、必然的に治療薬は長期使用かつ高用となりがちであるが、睡眠薬についても例外ではなく、国内で睡眠薬を長期服用する患者は増加しており、一人あたりの服用量も増加傾向にある。

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まぁ、病気というものはみな、不快で苦しいものですが(だから病気と言う)、慢性的で、かつ、他者からあまり重視されない、あるいは誤解をうけやすい『不眠症』は辛いものです。




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2. 不眠症の薬物療法の現状(初期治療)

眠症の薬物療法に関する臨床研究や新薬治験の多くは、初期治療に焦点が当られてきた。

それらの中には、服用後1日〜8 週間の主観的・客観的有効性(治験の探索的・検証的試験)、消失半減期に基づく薬物選択、精神・身体疾患によ?二次性?眠症の鑑別診断と治療適応、適切な服用法などが含まれる。

多数の臨床試験の結果、GABAベンゾジアゼピン受容体作動薬であるベンゾジアゼピン系および非ベンゾジアゼピン系睡眠薬を用いた初期治療のストラテジーは概ね完成している。

また、近年上市されたメラトニン受容体作動薬(ラメルテオン)については、従来の睡眠薬と作用機序が異なるため、治療適応(生体リズム障害に起因する不眠など)やGABAA 受容体作動薬の代替薬物としての位置づけについて検討が進められている。

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上記のとおり「GABA?ベンゾジアゼピン受容体作動薬であるベンゾジアゼピン系および非ベンゾジアゼピン系睡眠薬を用いた初期治?のストラテジーは概ね完成している」のですね。

僕は『マイスリー(一般名:ゾルピデム)』と『ロヒプノール(一般名:フルニトラゼパム)』のお世話になっています。


●『マイスリー(一般名:ゾルピデム)』
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イミダゾピリジン系に分類される薬剤であるため、非ベンゾジアゼピン系である。ω1受容体に作用することで効果を示す。


●『ロヒプノール(一般名:フルニトラゼパム)』
    ↓
ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤。フルニトラゼパムは投与量ベースで最も強力なベンゾジアゼピン睡眠薬の一つとされている。


ところで、「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」には「Q&A」あります(PDFの16ページ目以降)

これが、結構、重要。

被験者の不安を取り除くためには必見です。

たとえば・・・・・・
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【Q1】 睡眠薬によって効果も違うのですか?

【A1】

【患者向け解説】

現在日本の医療?機関で主に用いられる睡眠薬には、ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系、およびメラトニン受容体作動系の各睡眠薬があります。

?眠症の改善効果は各薬剤間で大きな差はありません。

ただし作用時間の長さ(効果の持続時間)は薬剤ごとに異?なり、1)超短時間作用型、2)短時間作用型、3)中間作用型、4)長時間作用型に分類されます。

?眠症のタイプ(寝付きが悪い、夜中に目が覚めて二度寝がしにくい、朝早く目が覚めるなど)に応じて適切?な睡眠薬を使い分けるのが一般的です。

また、副作用の種類や頻?にも薬剤間で差があります。

どのようなタイプの睡眠薬がご自分に合っているのか主治医とよくご相談ください。



【勧告】

各睡眠薬の消失半減期には大きな違いがあり、?眠症状のタイプ、患者の臨床的背景などを考慮して慎重に薬剤を選択すべきである。【推奨グレードA】

ベンゾジアゼピン系および非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の間で短期的効果には大きな差はないが、長期服?用時の効果の持続性(耐性?形成)は非ベンゾジアゼピン系睡眠薬でのみ示されている。

バルビツール酸系および非バルビツール酸系睡眠薬は深刻な副作用が多く、現在はほとんど用いられない。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬に比較して、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬では副作用の頻度は低いが、ふらつきにはなお留意する必要がある。

メラトニン受容体作動薬はもっとも安全性が高く、高齢者や基礎疾患がある患者など副作用・有害事象のハイリスク患者でも用いやすい。【推奨グレードB】

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あ〜〜ぁ、朝までぐっすりと寝たという感覚が欲しいよぉ〜〜!!


 

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【治験担当モニターのための睡眠薬の臨床評価方法に関するガイドライン

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