【SDVマニュアル】

治験におけるSDV
治験におけるSDVマニュアル
効率的なSDV実施方法 SDVのやり方





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そもそもSDVとは?
SDVとは「Source Data Verification」のこと。あるいは「Source Document Verification」という説もある。

一方で「直接閲覧」という言葉もある。
こちらは英語にすると「Direct Access」となる。

まぁ、普段はごっちゃに使っています。

厳密に言うと、SDVは「症例報告書(CRF)」と「カルテ」等の原資料とを見比べて、データの信頼性を確認する行為を言い、「直接閲覧」は、それ以外にも「IRBの議事録」を「直接見る」という場合も指す。

「直接閲覧」の場合、「見比べる」ということが無い場合もある、ということです。

このあたり、大雑把な僕はどうでもいいと思っていますが、厳密な人は違いを意識していますので、覚えておくといいですよ。
効率的なSDV実施方法に関する資料
●効率的なSDV実施方法に関する考察が製薬協のサイトにあります。
        ↓
SDVの効率化検討
 

■効率的なSDVを行うための前提
効果的なSDVは、実は、治験が開始前に始まっている。

製薬協の「SDVの効率化検討」にもあるように、プロトコルを作る時に無駄なデータを治験で集めないように設計する必要がある。

さらに、「既往歴」を被験者の治験参加の条件を調べるためにプロトコルに設定したとしても、症例報告書(CRF)で、そのことを集めないように決めてしまう。

もし、「既往歴」の情報を症例報告書で集めることにしたとしても、「いつまで遡って、既往歴の情報を集めるのか」ということを治験開始前に決めておく必要がある。

・・・・・・・・など等。

治験でできるだけ無駄なデータを集めないようにする、とか、いつからいつまでのデータを集めるのかを決めておくとか、というが効率的なSDVを行うための大前提なのだ。

ここでは、そういう事前の工夫や治験を実施する前に治験実施医療機関の治験責任医師やCRC等と集めるデータを決める、ということには触れない。

とにかく、今あるプロトコルで、明日、SDVをしなければならない、という状況を設定して、その上でSDVをどのように実施するか? を考えていきます。

とは言うものの、モニターは日頃からカルテ用語や疾患の勉強(広く、浅く)をしておく必要があります。

さらに、プロトコルは完全に理解、記憶しておくこと。
いつ、どのようなデータを集めるのかが、プロトコルに書かれているので、それを記憶するように。

症例報告書のデザインも把握しておく。
症例報告書のどこにどのようなデータを記載されるのか。
あるいは、症例報告書のこの欄に記載されるデータはどこから持ってくるべきなのかを考えておきましょう。
でも、これは本当は、治験開始前にチーム内で検討しておくべきなのですが。

■SDVのために病院へ行ったらやること
まず、カルテ全体をざっと見て、どこにどんな情報が記載されているのかを把握します。

さらに、カルテ以外の原資料には何があるのかを把握します。
例えば、看護師メモとか心電図とか。

SDVに必要な原資料が全て、揃っているかを確認します。
■SDVの手順と注意点
●カルテが症例報告書の被験者のものかを確認する

(1)症例報告書に記載されている「被験者識別コード」と「被験者識別コードリスト」に記載されている被験者の氏名を確認し、本当に、そのカルテが、症例報告書に記載されている患者なのかを確認。


●同意書の確認

(1)次に「同意書」を確認。被験者の氏名と被験者の同意した日付があるか確認。
同じ同意書に治験責任医師又は治験分担医師の氏名と日付があるか確認。

また、CRCが同意説明を実施していたかどうかを他の原資料から確認。
もし、CRCが被験者に説明しているのが分かったら、同意書にCRCの氏名と日付があるかを確認。

20歳未満の被験者の場合、「代諾者」の氏名と日付があるか確認。
また、「被験者」と「代諾者」の関係(たとえば「夫」とか「父親」とか)が記載されているかチェック。

「認知症」や「意識不明」等のように同意の意思を確認できない場合も上記と同じように「代諾者」の氏名と日付、関係を確認。

カルテ等から「盲目」や「弱視」等が確認され、被験者本人が同意説明文書」を読めない場合は、「公正な立会人」の氏名と日付があるかをチェックする。


●同意と治験開始の前後関係を確認する

(1)次の事項が同意前に実施されていないことを確認する

・ウオッシュアウト
・治験特有の検査
・治験薬の処方


●被験者が治験に参加していることの妥当性を確認する

(1)プロトコルで規定されている「選択基準」に適合しているか
特に数値が規定されている場合は、それに注意する。
たとえば、「血圧が160/90以上であること」等。


(2)プロトコルで規定されている「除外基準」に該当しないか
特に女性の場合は、妊娠していなか。



 


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