モニターへの道のトップページへ

GCPのトップページへ

 「GCPガイダンス」と「治験119」の合体:GCPの注意事項、GCPのグレーゾーン(2)
(承認審査資料の基準)

第3条 法第14条又は第19条の2の承認を受けようとする者が行う医薬品の臨床試験の実施に係る法第14条第3項に規定する資料の収集及び作成については、第二章第一節、第三章第一節及び第四章(第29条第1項第2号、第31条第4項、第32条第4項及び第7項、第33条第3項並びに第48条第3項を除く。)の規定の定めるところによる。

2 自ら治験を実施する者が行う医薬品の臨床試験の実施に係る法第14条第3項に規定する資料の収集及び作成については、第二章第二節、第三章第二節及び第四章(第29条第1項第1号、第32条第6項及び第8項並びに第48条第2項を除く。)の規定の定めるところによる。
==============================================
<第1項>

1 医薬品の製造販売承認申請の際に提出すべき資料のうち、医薬品の製造販売承認申請を行おうとする者が行う臨床試験の成績に関する資料については、第二章第一節、第三章第一節及び第四章(第29条第1項第2号、第31条第4項、第32条第4項及び第7項、第33条第3項並びに第48条第3項を除く。)の規定の定めるところに従ったものであること。

<第2項>
1 医薬品の製造販売承認申請の際に提出すべき資料のうち、自ら治験を実施する者が行う臨床試験の成績に関する資料については、第二章第二節、第三章第二節及び第四章(第29条第1項第1号、第32条第6項及び第8項並びに第48条第2項を除く。)の規定に定めるところに従ったものであること。
2.第二章 治験の準備に関する基準
2−1 第一節 治験の依頼をしようとする者による治験の準備に関する基準
(業務手順書等)

第4条 治験の依頼をしようとする者は、治験実施計画書の作成、実施医療機関及び治験責任医師の選定、治験薬の管理、副作用情報等の収集、記録の保存その他の治験の依頼及び管理に係る業務に関する手順書を作成しなければならない。

2 治験の依頼をしようとする者は、医師、歯科医師、薬剤師その他の治験の依頼及び管理に係る業務を行うことにつき必要な専門的知識を有する者を確保しなければならない。

==============================================
〈第1項〉

1 治験の依頼をしようとする者は、治験依頼者になることを意図した者であり、治験の依頼に係る治験実施計画書の作成、実施医療機関及び治験責任医師の選定、治験薬概要書の作成などの業務、治験の管理に係る治験薬の管理、副作用情報等の収集、モニタリング及び監査の実施、総括報告書の作成、記録の保存などの業務について手順書を作成すること。
なお、本条の以下の解説において治験依頼者とあるのは、治験の依頼をしようとする者を含むものである。

2 治験依頼者は、治験の実施並びにデータの作成、記録及び報告が本基準及び治験実施計画書を遵守して行われることを保証するために、手順書に基づく品質保証及び品質管理システムを履行し、保持する責任を有する。
なお、「治験の品質保証」とは、治験の実施、データ作成、文書化(記録化)及び報告が、治験実施計画書及び本基準を遵守していることを保証するために設定された計画的かつ体系的な全活動を、「治験の品質管理」とは、治験関連の活動の質に求められる事項を充足しているか否かを検証するために治験の品質保証システムの一環として行われる実務的な手法及び活動をいう。

3 治験依頼者は、治験に関連するすべてのデータの信頼性とその適正な処理を保証するために、データ取扱いの各段階に品質管理を適用すること。

4 治験依頼者は、治験に係る検体等の検査機関(実施医療機関の検査室等を含む。)において、検査が適切に実施されて治験に係るデータが信頼できることを保証するため、当該検査機関における精度管理等を保証する記録等を確認すること。
なお、確認すべき検査の範囲や具体的な確認方法は、各検査データの当該治験における位置づけ(主要評価項目であるかどうか等)を考慮し、治験依頼者と実施医療機関との間で取り決めること。

5 治験依頼者は、第16条第6項に基づき、実施医療機関の治験薬管理者が治験薬の取扱い及び保管、管理並びにそれらの記録に際して従うべき指示を記載した手順書を定めること。当該手順書には、治験薬の受領、取扱い、保管、管理、処方並びに未使用治験薬の被験者からの返却及び治験依頼者への返却又はその他の処分が、適切で確実に行われるように規定すること。

6 治験依頼者が作成すべき記録の保存に関する手順書には、実施医療機関及び当該治験に係る審査を行った治験審査委員会において保存すべき記録(第34条及び第41条参照)について、その保存の必要がなくなった場合には、その旨を実施医療機関の長及び実施医療機関の長を経由して当該治験審査委員会の設置者に通知することを含むこと。

なお、第24条第2項及び第3項に規定されている治験の中断又は中止及び開発の中止に関する治験依頼者から実施医療機関の長への文書による通知に関する事項(当該通知を受けた実施医療機関の長から治験責任医師及び治験審査委員会等への通知については、第40条第2項に規定されている。)及び当該被験薬に係る製造販売承認を得た場合に、治験依頼者から実施医療機関の長へのその旨を通知することについても規定されている必要がある。

(1)治験依頼者は、治験を中止又は中断する場合には、治験に関与するすべての実施医療機関の長にその旨とその理由の詳細を速やかに文書で通知すること(第24条第2項参照)。

(2)治験依頼者は、被験薬の開発(すなわち、その効能・効果、用法・用量又は製剤のいずれか若しくはすべてについて)を中止する場合には、その旨とその理由の詳細を治験に関与するすべての実施医療機関の長に速やかに文書で通知すること(第24条第3項参照)。

(3)実施医療機関の長は、治験依頼者が治験の中止又は中断若しくは被験薬の開発の中止を決定しその旨を通知してきた場合には、治験責任医師及び治験審査委員会等に対し、また治験責任医師が治験を中止又は中断しその旨を報告してきた場合には、治験依頼者及び治験審査委員会等に対し、それぞれ速やかにその旨を文書で通知するとともに、中止又は中断について文書で詳細に説明すること(第40条第2項及び第3項参照)。

(4)治験依頼者は、当該被験薬に係る製造販売承認を得た場合には、その旨を実施医療機関の長に通知すること。
7 治験依頼者は、治験責任医師等に症例報告書の変更又は修正に関する手引きを提供すること(第47条第2項参照)。また、治験依頼者が指名した者が行う症例報告書の変更又は修正については、それらが文書に記録され、且つ、当該変更又は修正が必要なものであり、治験責任医師が承認したものであることを保証するための手順書を作成しておくこと。

8 治験依頼者は、治験が開始される前に、治験に関連するすべての施設及び原資料等のすべての治験関連記録について、治験依頼者によるモニタリング及び監査、並びに治験審査委員会及び規制当局による調査のための直接閲覧が可能であるようにすべての関係者との合意を得ておく必要があり、これに関する規定を手順書に定めておくこと。

9 治験依頼者は、治験責任医師、実施医療機関及び治験に係るその他の施設又は治験依頼者のスタッフが本基準、治験実施計画書及び手順書を遵守していない場合には、遵守を確保するべく迅速な措置を講じること。

〈第2項〉

1 「治験の依頼及び管理に係る業務を行うことにつき必要な専門的知識を有する者」とは、治験に関する医学的な問題について適切な助言を行う医学の専門家並びに治験実施計画書、治験薬概要書等の作成・改訂、データの取扱い、統計解析の実施、総括報告書の作成等において活用されるべき治験依頼者内部及び外部の専門家(例:生物統計学者、臨床薬理学者)を含む。

2 治験依頼者は、治験に関する業務の総括的な監督、治験実施計画書、症例報告書の見本(治験実施計画書において、症例報告書に記載すべき事項が十分に読み取れる場合は、当該治験実施計画書をもって症例報告書の見本に関する事項を含むものと解してよい。)及び治験薬概要書の作成及び改訂、データの取扱い、検証及び統計解析の実施並びに治験の中間報告書(必要な場合)、総括報告書等の作成等、治験の全過程を通じ、適格な者(例:生物統計学者、臨床薬理学者、医師)を活用すること。

3 治験依頼者は、治験に関する医学的な問題について速やかに助言を得るために、適格な医学専門家を指名しておくこと。

4 治験の依頼をしようとする者は、治験を依頼する前に治験に関連するすべての業務を確定し、適格な者に割り当てること。
関連「治験119」

質問番号:(7) 医療機関統廃合に伴う対応

ご承知の通り、国立病院、療養所では政策により統廃合が進められています。
当院においても本年7月に国立療養所…病院と統合し、新病院(現…病院を施設としてそのまま利用、療養所が統合され新たな医療機関名称を掲げる)が発足することになっております。
国立の場合、契約関係についてはGCPに加え、会計法が適用されており、統合に際し、現病院と新病院の会計は独立した物になります。
そこで、現病院での契約は本年6月末まで、7月以降は新病院で新たに契約締結する事になっております。
医療法上、この統合が新病院設立・設置に当たるか、単に医療機関名称の変更として取り扱われるかは定かではありませんが、治験の継続実施にあたり新病院設置と捉えた場合に実施医療機関としてGCP上の必要な措置(IRB設置、審査、契約、治験薬管理、被験者対応など)、依頼者が対応する内容についてご教示ください。
また、医療機関名称の変更とした場合、契約に際し、治験に関する現病院のすべて債権、債務を新病院が引き継ぐ旨の公文書の発行は最低限必要であると思われますがそれ以外に医療機関、依頼者が必要とされる措置についてご教示ください。


製薬協見解

病院が統廃合され、新病院が設置された場合、次のような対応が考えられます。
1. 実施医療機関として
各々の病院で作成されていた「治験に係る業務に関する手順書」のすり合せ作業があります。その結果、以下のような治験に関わる各業務並びにその責任者、担当者が明確となり、それに伴い治験の契約内容の変更が生じる可能性もあります。
1) IRB:委員長並びに委員の選任と事務局の設置
2) 審査:会議の成立要件、通常の審査・迅速審査の定義と対応等の運営に関する事項
3) 契約:契約担当者と契約者
4) 治験スタッフ:治験責任医師・分担医師の資格要件並びに治験協力者の条件、業務内容
5) 治験薬管理:治験薬管理者の選任、保管場所の確保
6) 記録の保存:記録保存責任者の選任、保存場所の確保と保存方法
7) その他 (有害事象発生時の院内手続き、被験者負担軽減費・特定療養費の支払い手続き、等)

治験の継続実施に当たっては、当該治験が新病院において実施体制(設備、治験スタッフ等)の面から可能かどうかを審議する必要があるかと考えます。治験責任医師に変更がなければ、新病院が当該治験を実施する上での要件を満たしているかどうかだけかと思います。
それで承認された後、A病院の設備体制、手順書で治験を継続する時は、A病院で実施中の治験については、新たな審議等の手続は不要と考えますが、B病院で実施中の治験については、A病院(新病院)での実施可能性等に関して審議する必要があると考えます。
被験者対応に関しては、医療機関が変更になることを説明して、治験の継続の意思を確認する必要があると考えます (文書で再同意を取得する必要はないと考えますが、B病院で治験に参加されていた被験者に対しては、A病院(新病院)で実施されることもあり診療録等に継続の意思の確認を記録しておく必要があるかと思います)。
また、現に治験に参加して頂いている被験者の治験薬投与を事務的な理由により中断する事は倫理的でないので、統合時までに全ての手続きを終了する事が望まれます。

2.治験依頼者として
新たな実施医療機関での業務担当者、手順書の変更、また、新病院が当該治験を継続する上で設備等の要件が満たされているかを調査し、選定作業を行います。(例えば、A病院で既に実施中であり、統合後、A病院そのままの設備体制、手順書を使用する場合は新たな選定は不要と考えます)。また、実施中の治験に係わる文書又は記録が新病院に移管されたことを確認するため、直接閲覧をさせて頂くことも考えられます。
治験責任医師等が変更となる場合には、適格性の調査、治験責任医師から計画書及び説明文書の合意(説明文書の場合は本来作成する事になりますが、現にあるものの合意になると考えます)取得が必要と考えます。その後、問題がないことを確認して、当局へ変更届けを提出し、治験実施医療機関との契約手続きが進められます。
(毒性試験等の実施)

第5条 治験の依頼をしようとする者は、被験薬の品質、毒性及び薬理作用に関する試験その他治験の依頼をするために必要な試験を終了していなければならない。
==============================================
1 「被験薬の品質、毒性及び薬理作用に関する試験その他治験の依頼をするために必要な試験」とは、当該被験薬の物理的化学的性質、性状等に関する理化学試験等及び毒性、薬理作用、吸収、排泄等に関する動物試験等のいわゆる非臨床試験や臨床試験を指しているが、当該試験の具体的な項目、内容等については、当該試験の内容(治験のフェーズ、治験薬の投与経路及び投与期間、被験者の選択基準等)等を考慮のうえ、治験の依頼時点における科学的水準に照らし適正なものであること。

2 治験の依頼をしようとする者は、治験責任医師となるべき者と協議し、治験実施計画書の作成及び必要に応じて改訂を行うが、その際当該治験の目的並びに当該治験で採用される投与対象集団、投与経路、用法・用量、投与期間、観察項目及び評価項目等の妥当性を支持できるだけの品質、安全性及び有効性に関する十分なデータが理化学試験等、非臨床試験及び先行する臨床試験から得られており、当該治験の倫理的及び科学的妥当性が裏付けられていることを保証すること。また、そのための手続きを文書で定めること(第4条参照)。

3 治験の依頼をしようとする者は、開発期間中に被験薬又は対照薬の製剤組成が大きく変更される場合には、製剤組成に関する追加の試験(安定性、溶出性、生物学的利用性等)に基づき、それらの変更が当該被験薬又は対照薬の薬物動態上の性質を大きく変えるか否かを評価するのに必要な成績を、新しい製剤組成の薬剤の使用前に入手しておくこと。
 

このページのトップへ

GCPのトップページへ

モニターへの道のトップページへ

inserted by FC2 system