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 「GCPガイダンス」と「治験119」の合体:GCPの注意事項、GCPのグレーゾーン(11)
(治験審査委員会の審査)

第30条 実施医療機関の長は、当該実施医療機関において治験を行うことの適否について、あらかじめ、第27条第1項の治験審査委員会の意見を聴かなければならない。

2 実施医療機関の長は、前項の治験審査委員会(当該実施医療機関の長が設置した第27条第1項第1号に掲げる治験審査委員会及び同項第5号から第8号までに掲げる治験審査委員会のうち当該実施医療機関を有する法人が設置したものを除く。)に調査審議を行わせることとする場合には、あらかじめ、次に掲げる事項を記載した文書により当該治験審査委員会の設置者との契約を締結しなければならない。

1)当該契約を締結した年月日

2)当該実施医療機関及び当該治験審査委員会の設置者の名称及び所在地

3)当該契約に係る業務の手順に関する事項

4)当該治験審査委員会が意見を述べるべき期限

5)被験者の秘密の保全に関する事項

6)その他必要な事項

3 前項の契約の締結については、第12条第2項から第6項までの規定を準用する。この場合において、これらの規定中「治験の依頼をしようとする者」とあるのは「実施医療機関の長」と、「受託者」とあるのは「第27条第1項の治験審査委員会(当該実施医療機関の長が設置した同項第1号に掲げる治験審査委員会及び同項第5号から第8号までに掲げる治験審査委員会のうち当該実施医療機関を有する法人が設置したものを除く。)の設置者」と読み替えるものとする。

4 実施医療機関の長は、第1項の規定により第27条第1項の治験審査委員会の意見を聴くに当たり、治験を行うことの適否の判断の前提となる特定の専門的事項を調査審議させるため必要があると認めるときは、当該治験審査委員会の承諾を得て、当該専門的事項について当該治験審査委員会以外の治験審査委員会(第27条第1項各号に掲げるもの(同項第2号から第4号までに掲げるものにあっては、同条第2項各号に掲げる要件を満たすものに限る。)に限る。)の意見を聴くことができる。

5 実施医療機関の長は、前項の規定により意見を聴いた治験審査委員会(以下「専門治験審査委員会」という。)が意見を述べたときは、速やかに当該意見を第1項の規定により意見を聴いた治験審査委員会に報告しなければならない。

6 実施医療機関の長は、第4項の規定により専門治験審査委員会(当該実施医療機関の長が設置した第27条第1項第1号に掲げる治験審査委員会及び同項第5号から第8号までに掲げる治験審査委員会のうち当該実施医療機関を有する法人が設置したものを除く。)の意見を聴く場合には、あらかじめ、次に掲げる事項を記載した文書により当該専門治験審査委員会の設置者との契約を締結しなければならない。

1)当該契約を締結した年月日

2)当該実施医療機関及び当該専門治験審査委員会の設置者の名称及び所在地

3)当該契約に係る業務の手順に関する事項

4)当該専門治験審査委員会が調査審議を行う特定の専門的事項の範囲及び当該専門治験審査委員会が意見を述べるべき期限

5)被験者の秘密の保全に関する事項

6)その他必要な事項

7 前項の契約の締結については、第12条第2項から第6項までの規定を準用する。この場合において、これらの規定中「治験の依頼をしようとする者」とあるのは「実施医療機関の長」と、「受託者」とあるのは「第30条第5項に規定する専門治験審査委員会(当該実施医療機関の長が設置した第27条第1項に掲げる治験審査委員会及び同項第5号から第8号までに掲げる治験審査委員会のうち当該実施医療機関を有する法人が設置したものを除く。)の設置者」と読み替えるものとする。

8 実施医療機関の長は、第1項又は第4項の規定により、第27条第1項の治験審査委員会(当該実施医療機関の長が設置した同項第1号に掲げる治験審査委員会を除く。)に意見を聴くときは、第28条第2項に規定する当該治験審査委員会の手順書及び委員名簿を入手しなければならない。
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〈第1項〉

1 実施医療機関の長は、当該実施医療機関において治験を行うことの適否について、あらかじめ、第27条第1項の治験審査委員会の意見を聴くこと。

2 実施医療機関の長は、2つ以上の治験審査委員会の意見を聴くことができる。

3 実施医療機関の長は、治験を行うことの適否について治験審査委員会の意見を聴く際は、第32条第1項各号に掲げられた文書を当該治験審査委員会に提出すること。

〈第2項〉

1 実施医療機関の長は、当該実施医療機関の長が設置した治験審査委員会及び第27条第1項第5号から第8号までに掲げる治験審査委員会のうち当該実施医療機関を有する法人が設置したものに意見を聴く場合を除き、当該治験審査委員会の設置者と契約を締結すること。

2 当該実施医療機関の長が他の医療機関の長と共同で設置した治験審査委員会は、当該実施医療機関の長が設置した第27条第1項第1号に掲げる治験審査委員会に含まれると解されることから、実施医療機関の長は、第30条第2項に規定する治験審査委員会の設置者との契約を締結する必要はないこと。

3 実施医療機関の長及び治験審査委員会の設置者は、当該治験審査委員会が適正に治験の実施又は継続の適否等について意見を述べるために必要な情報の授受の手順等について、あらかじめ契約に盛り込んでおくこと(第3号)。

4 調査審議の対象となる治験の特性に応じて、当該治験の実施又は継続の適否等についての意見を治験審査委員会が述べるべき期限について、あらかじめ契約に盛り込んでおくこと(第4号)。

5 被験者の秘密の保全を担保するために講ずる措置の内容等について、あらかじめ契約に盛り込んでおくこと(第5号)。

6 治験審査委員会の設置者は、業務終了後も治験審査委員会で継続して保存すべき文書又は記録(データを含む。)及びその期間を実施医療機関との契約書に定めること。なお、保存すべき期間については、第34条を参照のこと。

7 治験審査委員会の設置者は、法第14条第5項後段及び法第80条の2第7項の規定による調査等の対象となる。実施医療機関は、規制当局による調査時に治験審査委員会が保存すべき文書又は記録(データを含む。)のすべての記録を直接閲覧に供することを、治験審査委員会の設置者との治験の契約書に明記すること。

8 治験審査委員会の設置者は、実施医療機関が行う監査及び規制当局による調査を受け入れること。治験審査委員会は、実施医療機関の監査担当者及び規制当局の求めに応じて、保存すべき文書又は記録(データを含む。)のすべての治験関連記録を直接閲覧に供すること。また、治験依頼者が治験審査委員会の監査を行う場合は、実施医療機関及び治験審査委員会の設置者と事前に合意すること。

〈第3項〉

1 本条第2項の規定による契約は、電磁的方法により行うことができること。

〈第4項〉

1 実施医療機関の長が治験の実施又は継続の適否について調査審議を行わせるために治験審査委員会に意見を聴く場合において、実施医療機関の長が、特定の専門的事項について他の治験審査員会の意見を聴く必要があると認めるときは、当該他の治験審査委員会の意見を聴くことができること。なお、第4項の規定により意見を聴く治験審査委員会は、第27条第1項の治験審査委員会(第2号から第4号までに掲げるものにあっては、第27条第2項に規定する要件を満たすものに限る。)であること。

2 実施医療機関の長は、治験の実施の適否の判断の前提となる特定の専門的事項について他の治験審査委員会の意見を聴くことが必要であると判断するに当たっては、当該治験の実施の適否について調査審議を行わせるために第1項の規定により意見を聴く治験審査委員会の意見を聴くことが適当である。この場合において、実施医療機関の長及び当該治験審査委員会が他の治験審査委員会の意見を聴くことが適当であると判断する場合には、両者協議の上、適切な治験審査委員会を選択すること。

3 実施医療機関の長は、第4項の規定により専門的事項について他の治験審査委員会の意見を聴くに当たっては、?なくとも以下の点を考慮すること。

(1)第1項に規定する治験審査委員会が、調査審議の対象となる治験の実施又は継続の適否について調査審議を十分に行うに足りる専門性を有しているか否か。

(2)上記(1)において専門性が不足している場合、不足している専門性は外部から科学的な意見を聴くことのみにより補完されるものであるか否か、外部から倫理的妥当性についての意見も含めて聴くことにより補完されるものであるか否か。

(3)上記(1)において不足している専門性について、例えば、治験審査員会の委員に新たに専門家を加える等の方法により補完することはできないか。

(4)上記(1)において不足している専門性を補完する方法として上記(3)において考慮したものは、治験の開始から終了に至るまで継続的に治験に関する調査審議を行うことができるものであるか否か。

(5)上記(1)において不足している専門性を補完する方法として上記(3)において考慮したものが、他の治験審査委員会に特定の専門的事項についての調査審議を行わせることである場合には、当該他の治験審査委員会と治験審査委員会の間で無用な審議の重複を避ける一方で、必要な情報は共有するといった適切な役割分担と連携が可能であるか否か。

4 治験の実施又は継続の適否の判断の前提となる特定の専門的事項を調査審議させる治験審査委員会は、当該事項を専門的見地から十分に審議できるものであること。

〈第6項〉

1 実施医療機関の長は、第30条第4項の規定により特定の専門的事項について、当該実施医療機関の長が設置した治験審査委員会及び第27条第1項第5号から第8号までに掲げる治験審査委員会のうち当該実施医療機関を有する法人が設置したものに意見を聴く場合を除き、当該治験審査委員会の設置者と契約を締結すること。

2 当該実施医療機関の長が他の医療機関の長と共同で設置した治験審査委員会は、当該実施医療機関の長が設置した第27条第1項第1号に掲げる治験審査委員会に含まれると解されることから、実施医療機関の長は、第30条第6項に規定する専門治験審査委員会の設置者との契約を締結する必要はないこと。

3 実施医療機関の長及び専門治験審査委員会の設置者は、当該専門治験審査委員会が適正に特定の専門的事項についての意見を述べるために必要な情報の授受の手順等について、あらかじめ契約に盛り込んでおくこと(第3号)。

4 専門治験審査委員会が調査審議を行う対象となる特定の専門的事項の範囲及び当該専門的事項の特性に応じて専門治験審査委員会が意見を述べるべき期限について、あらかじめ契約に盛り込んでおくこと(第4号)。

5 専門治験審査委員会の設置者が被験者の秘密の保全を担保するために講ずる措置の内容等についてあらかじめ契約に盛り込んでおくこと(第5号)。

6 専門治験審査委員会の設置者は、業務終了後も専門治験審査委員会で継続して保存すべき文書又は記録(データを含む。)及びその期間を実施医療機関との契約書に定めること。なお、保存すべき期間については、第34条を参照のこと。

7 専門治験審査委員会の設置者は、法第14条第5項後段及び法第80条の2第7項の規定による調査等の対象となる。実施医療機関は、規制当局による調査時に専門治験審査委員会が保存すべき文書又は記録(データを含む。)のすべての記録を直接閲覧に供することを、専門治験審査委員会の設置者との治験の契約書に明記すること。

8 専門治験審査委員会の設置者は、実施医療機関が行う監査及び規制当局による調査を受け入れること。専門治験審査委員会の設置者は、実施医療機関の監査担当者及び規制当局の求めに応じて、保存すべき文書又は記録(データを含む。)のすべての治験関連記録を直接閲覧に供すること。
また、治験依頼者が専門治験審査委員会の監査を行う場合は、実施医療機関及び専門治験審査委員会の設置者と事前に合意すること。

〈第7項〉

1 第6項の規定による契約は、電磁的方法により行うことができること。

〈第8項〉

1 実施医療機関の長は、第1項の規定により、当該実施医療機関の長が設置した治験審査委員会以外の治験審査委委員会に意見を聴くときは、第28条第2項に規定する当該治験審査委員会の標準業務手順書及び委員名簿をあらかじめ入手しておくこと。また、第4項の規定により、第1項の規定により意見を聴く治験審査委員会に加えて、他の治験審査委員会に意見を求める場合も同様とすること。
 
質問番号:2007-24 治験審査委員会の意見と治験実施医療機関の長の決定の関係

IRBの役割についてお教え下さい。IRBは以下の役割を持っていると理解しています。

●IRBは病院の意思決定機関ではない。
●治験を実施するか否かは病院が決定し、実施すると決めたらIRBの意見を聴く。
●治験実施中に重篤な副作用情報を入手したら、責任医師が検討し治験の継続の可否を判断し病院長へ報告する(GCPに明記されていない)。
●責任医師の判断が治験の継続可能だった場合、病院長はIRBの意見を聴く⇒IRBは有害事象の内容を検討し(責任医師の判断を)承認する・条件付けで承認する・却下する・既に承認した事項を取り消す、のいずれかの決定を下す。
●責任医師の判断が治験の中止・中断だった場合、病院長はIRB及び依頼者にその旨通知する

要は、まず病院側が意思決定をしてからIRBの意見を聴くのであって、IRBの検討結果を踏まえて病院の意思決定をするのではない。
まず上記の理解が正しいかどうかお教え下さい。

IRBの審議結果と病院長の指示決定が異なる場合は、IRBが治験の実施・継続を承認して、病院長が否定する場合しかありえません。ということは、IRBの審議が先で、それを踏まえて病院長が治験の実施・継続を決定するということになってしまいます。
これについてのご見解をお教え下さい。


製薬協見解

GCP第30条第1項ガイダンス 1に、「実施医療機関の長は、当該実施医療機関において治験を行うことの適否について、あらかじめ、第27条第1項の治験審査委員会の意見を聴くこと」とあり、実施医療機関の長は治験を受諾することを決定する前に、適否に関する意見を治験審査委員会(以下、IRB)に聴く必要があります。

したがいまして、ご質問に記載されています「まず病院側が意思決定をしてからIRBの意見を聴くのであって、IRBの検討結果を踏まえて病院の意思決定をするのではない」という手順ではなく、「病院が治験を受諾する可能性がある場合、実施医療機関の長がIRBの意見を聴き、IRBの意見を踏まえて最終的な決定を下す」のが正しい理解と考えます。
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