・
●モニターへの道のトップページへ
●GCPのトップページへ
「GCPガイダンス」と「治験119」の合体:GCPの注意事項、GCPのグレーゾーン(15) |
|
(治験の中止等) 第40条 実施医療機関の長は、第20条第2項及び第3項の規定により治験依頼者から又は第26条の6第2項の規定により自ら治験を実施する者から通知を受けたときは、直ちにその旨を治験審査委員会等に文書により通知しなければならない。 2 実施医療機関の長は、第24条第2項の規定により治験依頼者から若しくは第26条の10第2項の規定により自ら治験を実施する者から治験を中断し、若しくは中止する旨の通知を受けたとき又は第24条第3項の規定により治験依頼者から申請書に添付しないことを決定した旨の通知若しくは第26条の10第3項の規定により自ら治験を実施する者から申請書に添付されないことを知った旨の通知を受けたときは、速やかにその旨及びその理由を治験責任医師及び治験審査委員会等に文書により通知しなければならない。 3 実施医療機関の長は、第49条第2項の規定により治験責任医師から治験を中断し、又は中止する旨の報告を受けた場合は、速やかにその旨及びその理由を治験審査委員会等及び治験依頼者に文書により通知しなければならない。 4 実施医療機関の長は、第49条第3項の規定により治験責任医師から治験を終了する旨の報告を受けたときは、その旨及びその結果の概要を治験審査委員会等及び治験依頼者に通知しなければならない。 5 第3項に規定する文書による通知については、第10条第2項から第6項までの規定を準用する。この場合において、これらの規定中「治験の依頼をしようとする者」とあるのは「実施医療機関の長」と、「実施医療機関の長」とあるのは「治験依頼者」と読み替えるものとする。 ========================================== 〈第1項〉 1 実施医療機関の長は、第20条第3項に基づき治験依頼者が、法第80条の2第6項に規定する事項のうち重篤で予測できないものを実施医療機関の長に通知してきた場合には、直ちにこれを治験審査委員会等に通知すること(第31条第2項参照)。 2 実施医療機関の長は、自ら治験を実施する者から治験中の副作用等に関する通知を受け取ったときは、直ちにその旨を治験審査委員会等に文書により通知すること。 3 あらかじめ、治験依頼者等、治験審査委員会等及び実施医療機関の長の合意が得られている場合においては、第20条第2項及び第3項並びに第26条の6第2項に関する通知に限り、実施医療機関の長が、本規定に基づき治験審査委員会等に文書により通知したものとみなす。 〈第2項〉 1 実施医療機関の長は、治験依頼者が治験の中止若しくは中断(第24条第2項参照)、又は被験薬の開発の中止(第24条第3項参照)を決定し、その旨を通知してきた場合には治験責任医師及び治験審査委員会等に対し、速やかにその旨を文書で通知するとともに、中止又は中断について文書で詳細に説明すること。 2 実施医療機関の長は、自ら治験を実施する者から、治験を中断し、若しくは中止する旨の通知、又は治験の成績が承認申請書に添付されないことを知った旨の通知を受けたときは、速やかにその旨及びその理由を治験審査委員会等に文書により通知すること。 〈第3項〉 1 実施医療機関の長は、治験責任医師が治験を中止又は中断し(第49条第2項参照)、その旨を報告してきた場合には、治験審査委員会等及び治験依頼者に対し、速やかにその旨を通知するとともに、中止又は中断について文書で詳細に説明すること。 〈第4項〉 1 実施医療機関の長は、治験責任医師が治験の終了を報告してきた場合(第49条第3項参照)には、治験審査委員会等及び治験依頼者に対し、その旨を文書で通知するとともに、治験責任医師から提出された報告書に基づき、治験結果の概要を報告すること。 |
質問番号:2009-02 治験審査委員会による治験終了状況の確認 一案件のみ稼動しているIRBの事務局を担当しておりますが、近々、治験終了(中止・中断)報告書が提出される予定です。 治験終了(中止・中断)報告書が実施医療機関の長から、IRB委員長へ提出された場合、直近の本審査開催時に、IRB委員へ報告されることが多いと思いますが、直近にIRB開催予定がない場合は、どのように対応すべきでしょうか。 以下の方法が考えられると思いますが、下記@〜Bの対応の可否についてご見解をご教示頂けないでしょうか。また、その他に対応方法があれば、ご教示下さい。 @近々開催予定はないが、2-3ヵ月後に、開催される可能性があるので、その本審査にて治験終了を報告する。この場合、終了報告提出から何ヵ月後のIRBまでなら、終了報告可能でしょうか? A他に審議案件がなく、直近にIRB本審査がないので、終了報告のためにIRB委員を召集する。 B他に審議案件がなく、直近にIRB本審査がないので、レター等にて各IRB委員へ治験終了を報告し、各IRB委員から終了報告を確認した旨を文書で返信頂く。 製薬協見解 治験責任医師から治験の終了報告が行われた場合、実施医療機関の長は、GCP第40条第4項に従い、治験を終了する旨及び結果の概要を治験審査委員会及び治験依頼者に通知する必要があります。 このうち治験審査委員会への通知については、GCP上では審議対象とはされておりません。 したがって、提出された終了通知文書等の取扱いについては、治験審査委員会の手順書に従って頂くことになります。 しかし、今回のご質問のようなケースに対します手順が手順書として規定されていないようでしたら、治験審査委員会委員長が今回の治験結果の終了内容等を考慮された上で、@やB等の方法を選択されて対応することで問題ないものと考えられます。 なお、今後もこのようなケースが想定されるのでしたら、手順書として規定されておくことをお奨め致します。 |
|
(記録の保存) 第41条 実施医療機関の長は、記録保存責任者を置かなければならない。 2 前項の記録保存責任者は、次に掲げる治験に関する記録(文書を含む。)を被験薬に係る医薬品についての製造販売の承認を受ける日(第24条第3項又は第26条の10第3項の規定により通知を受けたときは、通知を受けた日後3年を経過した日)又は治験の中止若しくは終了の後3年を経過した日のうちいずれか遅い日までの期間保存しなければならない。 1)原資料 2)契約書又は承認書、同意文書及び説明文書その他この省令の規定により実施医療機 関に従事する者が作成した文書又はその写し 3)治験実施計画書、第32条第1項から第3項までの規定により治験審査委員会等から入手した文書その他この省令の規定により入手した文書 4)治験薬の管理その他の治験に係る業務の記録 ========================================== 〈第1項〉 1 実施医療機関の長は、実施医療機関において保存すべき記録(文書を含む。)の保存に際しては、それぞれの記録ごとに記録保存責任者を定めておくこと。 2 治験責任医師は、治験の実施に係る文書又は記録を実施医療機関の長の指示に従って保存すること。なお、これら保存の対象となる記録には、治験の実施に関する重要な事項について行われた治験依頼者との書簡、会合、電話連絡等に関するものを含む。 〈第2項〉 1 記録保存責任者は、実施医療機関において保存すべき文書又は記録を、次の(1)又は(2)の日のうちいずれか遅い日までの期間保存すること。ただし、治験依頼者等がこれよりも長期間の保存を必要とする場合には、保存期間及び保存方法について治験依頼者等と協議すること。 (1)当該被験薬に係る製造販売承認日(第24条第3項又は第26条の10第3項の規定により、開発の中止又は臨床試験の試験成績が承認申請書に添付されない旨の通知を受けた場合には、その通知を受けた日から3年が経過した日) (2)治験の中止又は終了後3年が経過した日 2 実施医療機関の長又は記録保存責任者は、これらの記録がこの保存義務期間中に紛失又は廃棄されることがないように、また求めに応じて提示できるように必要な措置を講じておくこと。 |
関連する治験119 質問番号:2004-10 診療録の外部保管 GCP上ではカルテ等の記録についての記載がありますが、保管場所の記載がありません。 カルテは院内で保管しておかなければならないのでしょうか。 施設外のしかるべき場所で適切に保管し、必要時には電送等で対応することはGCP上問題ないでしょうか。 製薬協見解 カルテの保管場所につきましては、「診療録等の保存を行う場所について」(平成14年3月29日付、医政発第0329003号・保発第0329001号厚生労働省医政局長、保険局長通知)におきまして、作成した病院又は診療所以外の場所における保存が可能であること及びその際に遵守すべき基準が示されています。また、調査した範囲では本通知以外に: ●「診療録等の保存を行う場所について」の一部改正について(平成25年3月25日付、医政発0325第15号・医薬発0325第9号・保発0325第5号 厚生労働省医政局長、厚生労働省医薬食品局長、厚生労働省保険局長通知) ●診療録等の外部保存に関する通知として・診療録等の外部保存に関するガイドラインについて(平成14年5月31日付、医政発第0531005号) ●民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律等の施行等について(平成17年3月31日付、医政発第0331009号・薬食発第0331020号・保発第0331005号 厚生労働省医政局長、厚生労働省医薬食品局長、厚生労働省保険局長通知)及び当該通知が参照する「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」の改訂版 ●記録、帳簿の電子媒体による保存について(平成14年8月13日、医薬発第0813001号厚生労働省医薬局長通知) などがありました。以上より、これらの通知・基準を満たす場合には、診療録等の外部保存は可能です。 一方、ご質問の通りGCP上、カルテの保管場所についての記載はありませんが、治験に係る文書又は記録の保管につきましては、実施医療機関の長が記録保存責任者を置くこと(GCP第41条第1項)、「〜紛失又は廃棄されることがないように、また、求めに応じて提示できるような措置を講じなければならない。」(GCP第41条第2項ガイダンス2)と定めております。 したがいまして、記録保存責任者の下、治験依頼者が行うモニタリング及び監査並びに治験審査委員会及び規制当局による調査を受け入れ、原資料(カルテ等原本)等を直接閲覧に供することが規定されていますので、これに対応できる保管体制が必要と考えます。 特に紙原本のカルテの場合には、治験終了後しばらくは院内にて保管する必要があると考えます。 また、紙原本のカルテを治験終了後に外部保管する場合には、時期、保管期間、保管責任者、保管方法、保管場所等を手順書に明記して、適切に運用することが必要と考えます。(特に保管期間につきましては、治験の場合、GCP第41条第2項に規定される期間が医師法第24条第1項の規定より長い場合はGCPに従うことになりますので注意が必要です) なお、モニタリング、監査、当局等による調査では上記のように原本を示す必要があり、調査時には原本を取り寄せておかなければならず、写しでは代用できません。医療機関内で手順を規定し、定められた手順に従って記録・保管されて真正性・見読性・保存性を保証出来る状態にあれば、紙原本から電子原本に変更することは可能と考えられます。 |
質問番号:2005-15 電子媒体での治験実施計画書の提供、臨床検査データの電送等 現在、電子カルテ化された際の治験業務の対応について検討中です。 以下、回答の程よろしくお願いします。 @電子媒体でのプロトコル提供について 電子カルテでの参照用として(Word若しくはPDF形式で)電子媒体でのプロトコル提供は可能でしょうか。 ASGMLファイルの提供について 今後も継続していただける方向でしょうか? Bフィルムレス化の対応について フィルムレスの施設でも、依頼者提供用としてフィルムを指定されることはありますか。 現在、CD-R, MO, フィルムなど様々な形式が混在していますが、何れか一つに統一される方向はありますか。 C臨床検査測定受託機関での検査データの取り扱いについて 電子でのデータ提供をうけ、電子カルテに取り込むことで原資料として扱うことが出来ればと思いますが、今後実現の可能性はありますでしょうか。 製薬協見解 @電子媒体でのプロトコル提供について GCP第10条第2項にありますように、医療機関の長に提出すべき文書は電磁的方法での提出が認められており、治験実施計画書も提供可能ですが、同項及び第3項にありますシステム等の要件を満たす必要があります。 ASGMLファイルの提供について 現在、SGMLの提出を求める医療機関はごく少数に限定されており、SGMLを作成する時間と費用を考慮すると効率的でありませんので、可能であれば現状では再考していただきたいと考えます。 Bフィルムレス化の対応について 現状を把握しておりませんが、提供依頼の目的、参照する環境によりフィルムレス化されていても、現在のところ、フィルムでの提供をお願いする場合はあると思われます。治験の対象疾患・目的により提供媒体は異なりえますが、将来、電子化の環境が十分に整えられれば、フィルムレス化で対応することも可能と考えます。 C臨床検査測定受託機関での検査データの取り扱いについて 今でも電子データでの臨床検査データの提供は可能と思われますが、システムのバリデーションが必要になります。 また、電子カルテ化された場合に、モニタリング・監査時に電子カルテのシステムについてお聞きする場合がありますので、よろしくお願いします。 |
4−3 第三節 治験責任医師 |
(治験責任医師の要件) 第42条 治験責任医師は、次に掲げる要件を満たしていなければならない。 1)治験を適正に行うことができる十分な教育及び訓練を受け、かつ、十分な臨床経験を有すること。 2)治験実施計画書、治験薬概要書及び第16条第7項又は第26条の2第7項に規定する文書に記載されている治験薬の適切な使用方法に精通していること。 3)治験を行うのに必要な時間的余裕を有すること。 ========================================== 1 治験責任医師は、教育・訓練及び経験によって、治験を適正に実施しうる者であること。治験責任医師は、本基準を熟知し、これを遵守すること。 2 治験責任医師は、治験実施計画書、最新の治験薬概要書、製品情報及び、第16条第7項又は第26条の2第7項に規定する文書に記載されている治験薬の適切な使用方法に十分精通していること。 3 治験責任医師は、モニタリング及び監査並びに治験審査委員会並びに規制当局による調査を受け入れること。治験責任医師は、モニター、監査担当者、治験審査委員会又は規制当局の求めに応じて、原資料等のすべての治験関連記録を直接閲覧に供すること。なお、直接閲覧に関する事項は、治験実施計画書に記載されるべき事項である(第7条第1項第9号又は15条の4第1項第10号参照)。 4 治験責任医師は、合意された期間内に治験を適正に実施し、終了するに足る時間を有していること。 5 治験責任医師は、合意された募集期間内に必要数の適格な被験者を集めることが可能であることを過去の実績等により示すこと。 6 治験責任医師は、治験を適正かつ安全に実施するため、治験の予定期間中に十分な数の治験分担医師及び治験協力者等の適格なスタッフを確保でき、また適切な設備を利用できるものであること。 |
● 関連治験119 「質問」 契約終了後、治験責任医師が異動して後任者が存在しない場合の書類の手続についての質問です。契約が年度末で終了する治験で、たまたま治験責任医師も同時期に異動があり、他施設へ移られるといった場合、4月以降発生する書類において、治験責任医師の不在により不都合が生じます。 契約を継続する場合は、後任の治験責任医師が引き継ぐため、問題ないのですが、上記の場合、全く治験責任医師不在の状態となってしまいます。 例えば、当院では、新GCP施行後、治験終了時、診療科長、治験責任医師より、(様式では連名)病院長へ治験終了報告書を提出することになっていますが、治験終了報告書の提出が、年度を越えた場合、治験責任医師と して当該書類を提出する者がおりません。 こういった場合は、診療科長の署名捺印のみでも、GCP上、問題ないでしょうか? 「製薬協見解」 治験終了報告書を実施医療機関の長に提出すべき治験責任医師が不在ということになりますので、GCP第49条第3項や貴施設の規程に照らしても、問題ないとはいえません。このため、実施医療機関の関係者の方々には、例えば、下記の点にご留意いただくなどして、上述のような事態を回避願いたいと考えています。 治験責任医師:@ 異動日までに治験終了が見込まれる場合、治験終了後速やかに治験終了報告書を提出する。A 異動日までに治験終了が見込めない場合、治験責任医師変更の手続きを速やかに実施する。 治験事務局等:治験責任医師に対して、異動情報の入手時又は定期的に、治験終了報告書の提出の必要性について連絡をとる。 治験責任医師から治験終了報告書が実施医療機関の長に提出された以降については、GCP上、治験責任医師宛に又は治験責任医師から発出されなければならない文書はありませんので、実施医療機関固有の文書については、各実施医療機関の判断で取扱っていただいてよいと考えています。 なお、治験終了報告書提出後において、治験依頼者が症例報告書に関連してお問い合わせしたり、監査に伺ったりすることがありますので、それらの受入れと関連文書の保存等に関して治験責任医師と治験分担医師あるいは治験協力者との間の受け継ぎ体制作りをお願いします。 |
(治験分担医師等) 第43条 治験責任医師は、当該治験に係る治験分担医師又は治験協力者が存する場合には、分担する業務の一覧表を作成しなければならない。 2 治験責任医師は、治験分担医師及び治験協力者に治験の内容について十分に説明するとともに、第20条第2項及び第3項の規定により通知された事項、第26条の6第2項の規定により通知した事項その他分担させる業務を適正かつ円滑に行うために必要な情報を提供しなければならない。 ========================================== 〈第1項〉 1 治験責任医師は、治験関連の重要な業務の一部を治験分担医師又は治験協力者に分担させる場合には、分担させる業務と分担させる者のリストを作成し、予め実施医療機関の長に提出し、その了承を受けること(第36条第2項参照)。なお、実施医療機関の長の了承を受けた時点から業務を分担して差し支えないが、治験分担医師については治験審査委員会による審査が必要となること。 2 実施医療機関の長は、治験責任医師から提出された治験分担医師及び治験協力者のリストを了承し、当該治験分担医師及び治験協力者のリストを治験責任医師に提出すること。 また、実施医療機関の長又は治験責任医師は、治験依頼者による治験においては治験依頼者に治験分担医師及び治験協力者のリストを提出すること。 〈第2項〉 1 治験責任医師は、治験分担医師、治験協力者等に治験実施計画書、治験薬及び各人の業務について十分な情報を与え、指導及び監督すること。 2 治験責任医師は、自ら治験を実施する者が収集した被験薬の品質、有効性及び安全性に関する事項その他の治験を適正に行うために必要な情報、被験薬について、当該被験薬の副作用によるものと疑われる疾病、障害又は死亡の発生等に該当する事項を知った際に通知した事項等、治験分担医師及び治験協力者に、各人の業務について十分な情報を与え、指導及び監督すること。 3 治験依頼者による治験においても、2の規定は適用されるものである。 |
関連する治験119 質問番号:2004-11 治験協力者として指名された医師の業務範囲 当院で実施中の治験の分担医師が異動になり、代わりに着任された医師が当院における標準業務手順書上の分担医師の条件を満たしていなかった(臨床経験の年数不足)ため、IRBで分担医師の変更申請を認めてもらえませんでした。 そこで、治験協力者として参加させるという案が浮上したのですが、治験協力者が医師の場合、治験関連業務として実施可能な業務はどのようになっているのでしょうか? 具体的には、治験薬の処方、検査オーダー、症例報告書の作成等が可能かどうかを教えていただければと思います。 大学病院では、研修医等が治験協力者として関わっていることがあるそうですが、どの程度までの業務を行っておられるのでしょうか? 製薬協見解 「「治験協力者」とは、実施医療機関において、治験責任医師又は治験分担医師(以下「治験責任医師等」)の指導の下にこれらの者の治験に係る業務に協力する薬剤師、看護師その他の医療関係者をいう。」(GCP第2条14項)と規定されており、治験協力者が医師であっても、業務はいわゆる補助業務(同意取得の補助、モニタリング・監査への協力等)に限定されると考えます。 従って、医薬品を処方する場合は患者を自ら診察する必要があります(医師法第20条)が、被験者の診察を行うのは治験責任医師等ですので、治験薬の処方はできないと考えます。 検査のオーダーも同様と考えます。症例報告書の作成について、治験協力者は補助(診療録からの単なる転記等)はできますが、治験責任医師等が行う医学的判断が必要な項目については、記載できないと考えます。 大学病院であっても、治験協力者としての業務内容・範囲には違いはないと考えます。 |
質問番号:2005-01 派遣CRCの治験協力者としての指名及び契約時期(その1) 現在当院では、某SMO2社からお話を戴き、派遣CRCの導入を検討しております。 1社はあらかじめ、業務委受託と秘密保持の基礎契約の締結を求めておりますが、もう1社は、治験ごとに実施が決まってからの契約でよいとのことです。 いろいろな形態があってよいと考えますが、治験協力者の指名についてご質問させていただきます。 当院では、事前に治験責任医師から提出されたリストに基づく治験協力者の指名を、IRB審査後の院長の指示決定時に行っております。 基礎契約のないSMOからの派遣CRCを導入する場合、派遣の件も併せてIRBで審査し、その後院長の決定(指名)を経て、治験実施の契約と同時にSMOとの契約手続きを進めるということで問題ないでしょうか? 製薬協見解 貴院においてIRBでの派遣の件に関する審議事項(派遣CRCを受け入れることの妥当性、派遣するSMOの適格性、又は派遣されるCRC自身の適格性等)ですが、本項目はGCPで求められている必須審議事項ではありません。 しかしながら貴院として本件を審議事項とされているのであれば、IRB承認に基づいて院長の了承後にGCP第39条の2(業務の委託等)で規定されている当該業務の契約を貴院とSMOで締結し、同時に治験実施契約を締結することで問題は無いと考えられます。 |
質問番号:2005-02 治験協力者の履歴書の取扱い 治験協力者の履歴書提出についてです。 その中で、最近、外資系の製薬企業からCRCの履歴書を求められるということが続き、現場が少し混乱したことがありました。 本来、日本のGCPでは、責任医師・分担医師の要件を満たしているかどうかを確認するために、医師は最新の履歴書を依頼者に提出する責務があると謳われています。 ですが、治験協力者はあくまでIRBで審査され、院長の了承によるものであると思いますし、履歴書を提出することが本当に必要なのか?と疑問に思います。 履歴書の内容を依頼者に確認しますと、氏名、年齢、性別、最終学歴、職歴等で、特に統一した内容はなさそうです。 個人情報ですし、必要があれば、医療機関は拒むものではありませんが、依頼者の説明では、「グローバルで求められています。」であるとか、「本国から履歴書を入手するように言われています。」ということです。これでは、なかなか現場は納得しないと思うのです。 かといって、私も施設からこのような相談、質問を受けたときに、「提出する必要はありません。」などと何の根拠もなく言えるはずもなく、どう返答して良いのか悩みます。 今後このような流れはどの治験を受託する際にも主流になっていくのでしょうか? 医療機関はどのように対応していけばよいのでしょうか? 製薬協見解 以下の理由によりCRCの履歴書を提出する必要は無いと考えます。 本件は、モニターの履歴書の提出を求める医療機関が存在するのと意味合いが同じく、治験依頼者のSOPによるものと考えられ、業界の統一基準や当局の規制・指示・要望ではありません。 GCPでは、CRCの選定・指名は治験責任医師の責務であり、治験依頼者はCRCを指名・選定する権限を有しておりません。また、GCPには製薬会社がCRCの履歴書を入手する旨の記載(治験に係る文書又は記録)はありません。 一方、ICH E3ガイドラインが基となる「治験の総括報告書の構成と内容に関するガイドラインについて(平成8年5月1日 薬審第335号)」におきまして、「看護婦・・・などのうち、効果に関する主要な又は重要な変数の観察を行った・・・人々」の氏名、所属、治験における役割及び資格(履歴書又はそれに準じるもの)の一覧表を総括報告書に添付することが求められていますが、これは重要な観察を行った場合であり、しかも多施設試験では一般的な資格、治験での役割の情報でよく、CRCの履歴書を必要とする場合はほとんどないと考えられます。 以上、日本のGCP上CRC(治験協力者)の履歴書は提出する必要性はありません。更に、FDAのIND下での治験でもCRCの履歴書は必須ではありません。 治験依頼者となるべき者がCRCの履歴書の提出を求める場合は、その理由、根拠となるものを要求し、その上でなお納得しがたい場合は、治験責任医師等ともご相談のうえ治験の依頼を拒否することもやむをえないと考えます。 |
■次を見る>> |
|