(2)モニタリング活動実践能力アップ方法 |
(2)−6)治験実施中 |
ここで問われている能力は次のように沢山、有ります。
@実施計画書・治験薬概要書・責任医師・分担医師・等々の変更時はタイムリーに変更手続きを行ない、施設関係の変更事項は漏れなくプロジェクトリーダー等に報告し、治験変更届で変更されたことを確認している
A安全性情報を定期的に提供し、IRB審議のための対応を適切に実施している
B施設での有害事象の有無を随時確認し、察知した場合は迅速に関連部署に連絡している,また重篤・重要な場合はさらに定められた期間内に「重篤な有害事象報告」を入手し提出している
C随時SDVをおこない適切に実施されているかを確認している、逸脱があれば担当医師に伝えて逸脱発生原因をさぐり、再発防止措置を講じるとともに、逸脱記録を入手している
D被験者の来院予定を把握し、適切なタイミングでモニタリング(状況確認等)を行っている
E他科・他院の受診を確認した場合は、担当医師に対し、被験者の同意の下に治験参加中であること・併用禁止薬に関すること・等の受診先主治医への連絡を要請している
F第一投薬例があった時点で治験薬の処方手順を治験薬管理者に再確認することにより、ミス発生防止の意識付けを行っている
G治験期間中における治験薬の投薬管理状況・整合性状況を確認し、治験薬保管管理記録(写)を入手している
H責任医師・分担医師・CRCに治験関連情報・話題・全体の進行状況等を定期的に伝え、治験意識をたかめるようにしている
I施設における治験推進上の課題に対し、適切な対策・改善案を施設スタッフと共に検討し、実行するようにしている
上記については、1)モニターの仕事とはの6.治験中のモニタリングも参考にしてください。
さて、ここでは上記の10項目を大きく次のように3つに分類して解説します。
(1)治験届、安全性情報の入手・伝達というような「手続き上の注意点」
(2)治験における問題を防ぐ
(3)治験を促進させる
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(1)治験届、安全性情報の入手・伝達というような「手続き上の注意点」 |
ここに該当するのが次の3項目です。
@実施計画書・治験薬概要書・責任医師・分担医師・等々の変更時はタイムリーに変更手続きを行ない、施設関係の変更事項は漏れなくプロジェクトリーダー等に報告し、治験変更届で変更されたことを確認している
A安全性情報を定期的に提供し、IRB審議のための対応を適切に実施している
B施設での有害事象の有無を随時確認し、察知した場合は迅速に関連部署に連絡している,また重篤・重要な場合はさらに定められた期間内に「重篤な有害事象報告」を入手し提出している
ここで重要なことは、「タイムリー」に行うことです。
治験変更届を提出しないといけないことって、結構、意外なものまであります。
例えば・・・医療機関の連絡先、住所等も変更届が必要です。(事後でもいいのですが)
事前に届けるものとしては、治験責任医師の追加や変更等があります。
また「重篤な有害事象」の中に、もし「未知の副作用で死亡又は死亡のおそれのあるもの」については、当局へ7日以内に報告しないといけません。
さらに、そのような当局へ報告した重篤な副作用については、治験に参加している全施設の医療機関の長と治験責任医師に「速やかに」連絡する必要があります(通常、これは1ヶ月以内)。
・・・・・・というように、「時間」との争いになります。
■ 注意すべきは「何が」報告しないといけないことなのか、そして、それは「いつまでに」報告することになっているのかを、まず頭の中に入れておくことです。(詳細は各社のSOPをご覧ください。)
そして、コトか発生した時に備えて、スムーズに作業ができるように何度も何度も頭の中でシュミレーションしておくことです。(備え有れば憂い無し)
実際にコトが発生したら、慌てずにSOPでいつまでに何をやらなければいけないかをもう一度確認しながら、漏れなく確実に行います。
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(2)治験における問題を防ぐ |
ここに該当するのは次の4項目です。
C随時SDVをおこない適切に実施されているかを確認している、逸脱があれば担当医師に伝えて逸脱発生原因をさぐり、再発防止措置を講じるとともに、逸脱記録を入手している
E他科・他院の受診を確認した場合は、担当医師に対し、被験者の同意の下に治験参加中であること・併用禁止薬に関すること・等の受診先主治医への連絡を要請している
F第一投薬例があった時点で治験薬の処方手順を治験薬管理者に再確認することにより、ミス発生防止の意識付けを行っている
G治験期間中における治験薬の投薬管理状況・整合性状況を確認し、治験薬保管管理記録(写)を入手している
Eについては、治験開始時に十分に治験責任医師、治験分担医師、CRCの方に注意しておきます。
残りの項目を行うためには、頻繁な訪問(モニタリング)を心がけましょう。
医師関係は、まぁ、わりと訪問すると思いますが、3回に1回位の割合で薬剤部にも顔を出し、治験薬の管理状況をチェックしておきましょう。
治験薬保管管理記録(写)も、治験の最後だけでなく、途中でも貰っておき、計算上の数量と実際の管理記録が一致していることを確認すると、なおいいです。
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(3)治験を促進させる |
ここに該当するのが、次の3項目です。
D被験者の来院予定を把握し、適切なタイミングでモニタリング(状況確認等)を行っている
H責任医師・分担医師・CRCに治験関連情報・話題・全体の進行状況等を定期的に伝え、治験意識をたかめるようにしている
I施設における治験推進上の課題に対し、適切な対策・改善案を施設スタッフと共に検討し、実行するようにしている
DとIは上記の「問題を防ぐ」とも関連します。
治験が長い場合は特にそうですが、医師は中だるみをします(モニター自身も^^)
そこで、時々、治験に参加している全施設の被験者登録数のグラフ等を持って、医師に揺さぶりをかけます。
また、その施設や医師などに特有の問題が有り、治験が進まないということが有ったら、すぐに対応を練るようにします。
最悪の場合、ここはもうダメだと思ったら、リーダーと相談して、事実上「治験から切る」ことも考えたほうが良い場合もあります。(無駄に足を運ばないようにするとか)
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