【モニター用】

1)モニターの仕事とは 2)最初に覚えること 3)実践での注意 4)自習の仕方


4)自習の仕方


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(1)動作・知識・能力アップ方法
(1)−5)活動計画管理能力

ここでは「自己管理能力」(モニターの場合は、特に「モニタリング活動に対する管理能力」)を見ています。
具体的な項目として、以下の5項目があがっています。

@活動計画に挑戦的な検証数値を設定している
A活動計画を月次・週単位に具体化している
B活動計画の優先順位を明確にしている
C活動計画と整合性の取れた訪問を行っている
D活動計画推進上の課題を明らかにし対策を講じている


上の5項目を大きく分けると「目標をたてる」、「目標にむかって行動する」、「目標達成が困難になった時の対応」の3項目になります。

以下、この3項目に絞ってお話しします。

1)目標をたてる

ここに該当する項目は・・・

@活動計画に挑戦的な検証数値を設定している
A活動計画を月次・週単位に具体化している

・・・です。

外資系で働いていると、年初に「今年の目標」を書かされます。
そして、年末に、どの程度、目標が達成できたか、で評価が決まります。(評価主義ですね。)

この「評価主義」が導入され始めた時に、最も詳しく説明されたのが、この「目標の立て方」です。
何故かと言うと、評価をあげるために「達成しやすい目標」を立ててしまっては、せっかく「評価主義」を導入したのに、逆に会社全体のパフォーマンスが下がってしまいます。

そこで目標を立てる時の注意としては「挑戦的な(ストレッチ)」な目標をたてるようにしなさい、ということでした。

■「ストレッチ」な目標
「ストレッチな目標」とはどんな目標か? と言うと、簡単に言うと120%くらい頑張れば届く目標を言います。
ちょっと背伸び(ストレッチ)すれば、なんとか達成できるレベルですね。
あまりにも高すぎる目標を立てても、実行が困難で、だったら目標を立てないほうがいいくらいです。

じゃ、どの程度の目標を具体的に立てればいいのか? ですが、自分で目標を立てると、つい甘く立ててしまいますので、「上司」と話し合って決めます。「きみなら、ここまではやれるはず」という目標になっているかどうかを上司にも見てもらいます。 「この程度の目標なら、きみには簡単すぎりよ」ということもあります。

・・・ということで、実は「評価主義」が導入されると一番大変なのが「ろくでもない上司」を持ってしまった部下たちなのです。

そんな時は、仕方が有りません。できるだけ客観的に自分の能力を見定め、「自分の成長のため」と思い、「ちょっと頑張れば達成できそうな目標」を1個か2個設けておきましょう。
全てをストレッチな目標にすると、年度末に悲惨な目にあうこともありますので、「これは絶対に達成できそうだ」という目標も作っておきましょう。

■目標をブレイクダウンしていく

まずは上記のように、年間の目標をたてます。
例えば「自分の担当施設で30症例をエントリーする」という年間目標を立てたとします。

次に、これを月間の目標にブレイクダウンしていきます。「年間30例ということは、大体、毎月2から3例を確保すればいい」となります。

月単位の目標が決まりましたら、今度は週単位です。
「今月は1例は登録されたので、今週中にもう一例の候補を確保する」というようになります。
さらに「そのためには、今週は●●病院を訪問する必要がある」と、より具体的にしていきましょう。
2)目標にむかって行動する

ここに該当する項目は以下のようになります。

B活動計画の優先順位を明確にしている
C活動計画と整合性の取れた訪問を行っている

みなさん、誰でもそうでしょうが、会社や組織、チームの中で「たった一つの仕事」を任されていることは少ないでしょう。
いくつもの仕事のことをイッキに考えたり、解決しようとするとパニックになります。
誰だって、1回にできる仕事は1個です。

そこで「優先順位(プライオリティ)」をつけます。
モニターの場合は、どちらかというと、相手(病院、医師、CRC等)に合わせたスケジュールを立てることになってしまいます。
これは仕事柄、仕方がありません。

ここでは以下のように2つの切り口で優先順位付けを考えてみましょう。

(1)準備に時間のかかる仕事とそうでもない仕事に分ける
(2)絶対に外せない仕事とそうでもない仕事に分ける

(1)準備に時間がかかる仕事とそうでもない仕事

■単純な作業な割には時間がかかる仕事があります。(例:各被験者の来院毎の血圧を集計する等))

このような仕事は、かなり前から毎日少しずつ進めて行く必要があります。
そのために、時間を「天引き」します。(給料から財形貯蓄を天引きにして別講座に振り込む感じですね)
例えば、毎日朝の30分だけは、そのための仕事をする、という感じです。

もし、あなたが派遣社員や部下が使える立場だったら、このような仕事を、その人たちに任せておくのがベストです。


■そんなに時間がかからない仕事

この種の仕事は、予め日程を決めて、エイヤ!でやります。
日程としては、締め切りに余裕を持たせて1週間前とか3日前にします。
何かあっても対応できるだけの余裕を持たせておくのがポイントです。
予備日は絶対に確保しておきましょ!

イッキに集中力を発揮できるかどうかにかかっていますが、それはそれ「火事場のなんとやら」で頑張りましょう!
(2)絶対に外せない仕事とそうでもない仕事に分ける

■絶対に外せない仕事

例えばA病院のIRB申請が目前にせまっています。そんな時にB病院の医師に被験者登録促進のお願いのアポが重なってしまったら、それはもう、絶対にA病院のIRB申請の仕事を優先します。もし今月、IRB申請しなかったら、今度は一ヵ月後になるからです。しかし、B病院の医師のアポなら1週間後にすれば可能です。

その他にも、「重篤な副作用が発生して15日以内に当局に報告しないといけない」という事態と、SDVをやることを比べても、15日報告を優先しましょう。(言うまでもないですが。)

・・・というように、もし「外したら、どちらがインパクトが大きいか?」という判断で仕事に優先付けをしてやりましょう。


■その場主義で終わらせる

よく社内でアンケートとか、社内報の記事を書いてとか、突発的に降りかかってくる仕事(災難?^^;)があります。
僕の場合、そんなに急いでいる仕事を抱えていなかったら、そのアンケート用紙を受け取った瞬間から、やり始めます。「2週間以内でいいから」と言われても、その2週間の間に、どんな急で重要な仕事が入るか分かりません。
ササッとできる仕事は、その場主義で終わらせてしまいましょう。

3)目標達成が困難になった時の対応

ここに該当する項目は次のものです。

D活動計画推進上の課題を明らかにし対策を講じている

仕事をやっているうちに、当初のスケジュールより遅くなってくることがあります。
特にモニターの場合は、被験者登録なんかが代表的な例でしょう。

実はこのような場合の対策、対応は計画を立てるときに、すでに組み込んでおくのがベストです。


■事前に対策を組み込んでおく

ある目標を達成するための手段・方法を2つ以上、考えて計画に組み込んでおくのです。

例えば、目標症例30例のうち、一番頼りになる医師はA医師だと踏んで、そこに予定数として10例とあげておいたとします。
しかし、その医師が海外出張が急に3ヶ月も入ったとすると、万事休すです。
そのために、「押え」を用意しておきます。
もし、A医師がダメなら、B医師をプッシュする予定を組み込んでおくとか、万が一のために別の病院も事前に治験実施候補として調査しておくとか。。。。


■突発的な問題

全然、当初から想像もできなかった問題が発生し、目標達成が困難になった時の対応方法です。

この場合は2つのことを考えましょう。

(1)何が問題なのか、根本原因を探す
(2)問題を解決するためには、その根本原因を解決する必要があるのか無いのか

根本原因を探す方法は、よく使われる手ですが5回は「Why?」を使います。
何故、被験者登録が進まないのか? ⇒ 患者が少ない
何故、患者が少ないのか? ⇒ その病院に専門外来がないから
何故、その病院から他の病院へ治験を振り分けないのか?・・・・など等。

次に、「問題を解決する」ことと「目標を達成する」ことは、全然、別のことだと考えてください。

場合によっては、問題を解決しなくても、目標を達成できる場合があります。
上の例で言えば、もともと患者が少ない病院で被験者登録が少ない場合、その病院へ患者をたくさん集めるのが「その病院における問題解決」ですが、目標を達成させるためには、他の病院へ治験を依頼して、そちらで被験者を集めることでもいいわけです。

問題解決ばかりに時間をかけずに、どうやったら目標が達成できるのか?を考えましょう

(参考:「仕事のコツ」サイトにある「目標達成法」も参考にしてください。


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